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影響分析・提言等 [2021年5~7月末]
 
 
  • コロナ対策の抜本的見直しを求める科学者からの緊急提言 「日本グリーンゾーン化戦略」公表記者会見(2021年9月27日)
    • 感染を気にせずにすむ日常=「グリーンゾーン状態」は、実現可能であり、実際に実現している国がある。感染症を世界から撲滅させることはできなくても、生活域から除く(市中感染をゼロにする)ことはできる。目標をグリーンゾーン状態へと転換すべきだ。
    • 行動抑制を継続できる条件を整えて実効再生産数が0.7程度の状態を継続し(I期)、減った段階で地域を絞った大規模一斉検査や職域・学校・施設などでの定期検査などの科学的対策を強化し(II期)、市中感染者をゼロに抑え込んだ地域ごとに解除すべきである(III期)。感染者が十分減らない段階で解除し、感染者が増えたらまた緊急事態宣言という繰り返しを複数回行うよりも、同じ対策を連続することで感染者はゼロに達する(台湾、中国、ニュージーランドの例)。
    • 一旦、市中感染がゼロになれば、水際対策を厳格化することで、日常生活も戻り、経済も本格的に復活できる。何よりも、新規感染者数が少ない状態で、無症状者を含めて感染者を発見し、保護・治療することは、感染者が高止まりしている状態で、医療体制を強化しようとする努力に比べて、死者数、経済コストとも圧倒的に低く抑えることが可能である。
 
  • 独自】尾身理事長の医療法人がコロナ補助金などで311億円以上の収益増、有価証券運用は130億円も増加 2021/09/24 12:19 AERAdot.
    • 政府の新型コロナ対策分科会会長の尾身茂氏が理事長を務める地域医療機能推進機構(JCHO)で、コロナ対策などで給付された300億円以上の補助金で収益を大幅に増やす一方で、有価証券の運用も130億円増加させたことが、AERAdot.の取材でわかった。
    • これに関して、尾身氏は18日に自身のインスタグラムで「#ねえねえ尾身さん」と題したライブ放送を行い、視聴者からの疑問に答える形でこう釈明した。
      「補助金のぼったくりの話ですけども、看護師さんなんかを確保するのに難しいという理由はあったにせよ、実際に確保した病床よりも、実際に入れた患者が少なかったという事実はある。この事実に関しての補助金の扱い方については、国や自治体が方針を示すと思いますから、その方針に従って適切な行動をとりたいと思っています」
    • 厚労省の幹部はこういう。
      「コロナ関連の補助金が大部分を占めるJCHOの収益が、結果的に有価証券購入の原資として間接的に還流されているとみています。補助金収入がきちんとコロナ病床や患者医療に還元されず、有価証券などとして内部留保されていることは厚労省としても由々しき問題と考えています。尾身氏の経営判断を尊重する必要はあるのですが、自身があれだけ『医療ひっ迫』を主張する中で、このような経営は受け入れられないのではないでしょうか」
 
  • お粗末な「コロナ敗戦」を招いた日本政府の“アナログ脳” 2021年9月23日 7:00 週刊ポスト
    • そもそも菅内閣の人事は意味不明であり、菅首相は組織人事を全くわかっていなかったと思う。たとえば、ワクチン接種を誰の責任で行なうべきかといえば、田村憲久厚生労働相だ。ところが菅首相は、河野太郎行政改革担当相にワクチン担当相を兼務させた。その結果、河野担当相はロジスティクスの基本を知らなかったため、ワクチン供給が大幅に遅れる事態となった。
    • また、西村康稔経済再生担当相が、なぜ新型コロナ感染症対策担当相を兼務し、分科会との調整役や各自治体との交渉役になって政府のスポークスマンのようになっているのか、さっぱりわからない。本来、分科会との調整役は田村厚労相、自治体との交渉役は武田良太総務相がやるべきだろう。
    • つまり、菅首相は既存の組織を生かしていなかったわけで、河野ワクチン担当相や西村コロナ対策担当相のような特殊な人事を発令する場合は、その理由と目的を明確に説明すべきだが、菅首相は独断専行で何も説明しなかった。
    • たとえば、ワクチン接種は医療従事者専門サイト「m3.com」を運営しているエムスリーに頼めばよい。
      「m3.com」には国内の医師の9割以上にあたる30万人余りが登録しており、8月末までに自治体の個別接種や大規模接種向けに約8000人の医師を紹介した。職域接種向けについても2022年3月末までに約2000社に対し1万人の紹介を見込んでいるという。エムスリーに任せれば、速やかに国民全員のワクチン接種を済ませることができるだろう。
    • これほどお粗末な状況になっている理由は結局、個人と国家がデジタルで直接つながっていないからである。本連載で何度も指摘してきたように、国民データベースさえあれば、アベノマスクの配布も、特別定額給付金10万円の給付も、感染者の把握も、ワクチン接種の問題も、すべて簡単に解決していた。コロナ禍は国民データベースを構築する大きなチャンスだったのに、菅政権はそれを逃してしまった。
       
  • コロナ禍で「消費に変化」鮮明…バーガー20%増、飲酒は83%減 2021/09/12 14:01 読売新聞オンライン
    • 総務省の家計調査を基にした読売新聞の今年1~7月の集計では、ハンバーガーの1世帯(2人以上)あたりの消費支出は、コロナ禍前の一昨年1~7月に比べて20%増えた。緊急事態宣言の影響を強く受けた飲酒代の83%減をはじめ、和食が25%減、中華そばが24%減となる中、ハンバーガーの好調さが際立つ。
    • コロナ禍に伴う働き方の変化は、家庭のデジタル化とテレワークの定着を一気にもたらした。1~7月の消費支出では、パソコンが一昨年同期比で50%増、照明器具が63%増と大きく伸びた。
      これまでビジネスで必須だった商品は苦戦し、背広服は47%減、ワイシャツは31%減となっている。紳士服チェーンはオンライン会議に出席する際の服装に着目。ストレッチ素材のスーツ風商品を投入し、テレワーク需要の取り込みを強化している。
 
  • 【独自】東京都医師会幹部らの病院でコロナ病床の56%は空床 直撃に「不適切な補助金は返還したい」 2021.9.11 10:00 AERAdot.
    • 東京都は6583床のコロナ患者用の病床を確保しているというが、実際に使われているのは、3754床にとどまっている。2829床が「幽霊病床」とされる。
    • 民間病院と言えども、コロナ患者を受け入れる責任はある。厚労省が、新たに病床を確保した病院には1床につき最大1950万円の補助金を出しているほか、空床でも1床につき1日7万1千円の補助金なども出しているからだ。
    • 田村憲久厚生労働大臣と小池百合子東京都知事は、こうした実態を問題視。コロナ患者を最大限受け入れることを要請し、正当な理由なく要請に応じず、勧告にも従わない場合は名前を公表する姿勢を見せている。しかし、厚労省関係者は「実は医師会が病院名の公表には執拗に反対している。その結果、コロナ患者の受け入れが進んでいない」という。
    • AERAdot.では、東京都医師会会員の病院や病院協会に所属する病院のコロナ患者用の病床数と実際の入院患者数、病床使用率のデータを、厚労省関係者から独自に入手した。
      • リストには都内の37病院の「極秘」とされる実態が記されていた。コロナ患者用の病床は614床、そのうち入院患者数は268人。病床使用率は44%にとどまった(数字は9月6日時点)。
        補助金を受けながらも、患者を受け入れない状況について、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏は「厚労省のもともとの制度設計に問題がある」と指摘する。厚労省は補助金給付の要件に、「コロナ患者の受け入れ」を入れていない。そのため実際に患者を受け入れていなくても補助金が入る仕組みになっているという。
    • 「本来であれば、国立病院や、尾身茂氏が理事長を務める、独立行政法人のJCHO(地域医療機能推進機構)の病院が患者を受け入れる話ですが、そこも受け入れに消極的で補助金だけを受け取る状況になっている。そんな中、民間病院で積極的に受け入れるなんて話になるはずがありません」
       
  • 「幽霊病床」問題で露呈した、日本の病院に根付く深刻な不正受給体質 窪田順生:ノンフィクションライター 2021.9.9 4:20 DIAMOND online
    • 日本テレビが入手した、コロナ患者をすぐに受け入れ可能な「即応病床」と申告している東京都内172の病院の病床使用率をまとめたリストによれば、病床使用率が100%を超えている医療機関は50施設、40%未満が27施設。0%が7施設あったという。
    • 「即応病床」には国から補助金が支払われている。コロナ患者の治療には、医療従事者の確保などで病院経営的に負担が重い。そこで、重症用ベッド1床につき最大1950万円、重症以外でも最大900万円、さらに緊急時に備えてベッドを空けておく「空床確保料」まで支払われる。
    • 現実には存在しないものを「ある」と虚偽の申告して、国からカネをせしめる、いわば「幽霊スキーム」というのは、かなり古くから報告されている病院経営者の伝統的な不正テクニックなのだ。
    • これらの不正に登場する「幽霊」とは、要は「水増し」のことだ。これは「即応病床の水増し」によって補助金を不正受給しているということだ。制度が異なるだけで、これまでの数多とあった診療報酬不正受給とフォーマットはそれほど変わらないのだ。
    • 急性期病床は他国を圧倒するほど大量にあふれているが、そこで治療にあたる医療従事者数は他国とそれほど変わらない水準だ。それはつまり、他国よりも医療体制が「脆弱」ということだ。これが他の先進国よりも医療インフラが充実している日本で、コロナ患者が入院できずに門前払いにされる根本的な原因だ。
    • 「急性期病床」を名乗ってはいるが、現実問題として医師も看護師も不足しているので、重症者を受け入れることができない。救急患者受け入れの要請があっても断らないといけないし、治療に多くの人的リソースを割かねばならぬコロナ患者などは論外だ。 このような「名ばかり急性期病床」のことを「なんちゃって急性期病床」と呼ぶ。
    • そこで、都道府県では2025年の医療体制を示す「地域医療構想」を策定し、急性期病床の比率を下げて、リハビリなどを施す回復期病床に切り替えるという、「病床再編」というシナリオを描いていた。一部の病院経営者は反対。
    • 「なんちゃって急性期病床」は医療従事者不足や、設備が古いなどの理由で、実際は急性期患者を受け入れることが不可能だ。そのため、重症の患者の受け入れを断って、本来ならば日帰りで済むような手術をした患者や、検査入院、リハビリなどに転用されている。重症患者なのに医療を受けられないという点では、医療機関としては倫理的にも間違っていることは言うまでもない。しかし、そうでもしないと存続できないほど、経営が行き詰まっている病院があるのもまた事実なのだ。
    • コロナによって通常医療は激減している。マスクと手洗いでインフルエンザも風邪も劇的に減少し、自粛によって、子どもたちの部活の怪我や、交通事故も減少。高齢者のムダな検査入院なども減っている。これまでのように「なんちゃって急性期病床」を埋める機会が減って、経営危機に陥っているのだ。
    • そんな「なんちゃって急性期病床」のスキームを応用した「なんちゃってコロナ病床」が今、日本の病院には山ほどあるはずだ。その中のほんの氷山の一角が、「幽霊病床」として表面化しているのではないか。
      つまり、この現象は、それだけ日本の病院が壊滅的な状態に陥っているというSOSである可能性が高いのだ。データを客観的に精査していけば、日本の医療体制を強化するには、「世界一、急性期病床が多い」という異常事態を改善していくしかないことは明らかだ。
 
  • 中国の「ゾンビ船」が急増、コロナ禍で大混乱に陥る世界の海運事情 莫 邦富:作家・ジャーナリスト 2021.9.10 4:10 DIAMOND online
    • アメリカに滞留している大量の空コンテナを中国に引き戻すこの種の貨物船を「ゾンビ船」と呼ぶ。
    • 中国有数の港で感染者が出て、港湾全体の作業が止まってしまうケースが頻繁に発生している。このような港湾の混雑ぶりは、米国の港湾でも見られる。中国製品を搭載した貨物船がロサンゼルスのロングビーチに到着しても、サンペドロ湾に並ぶ貨物船が延々20キロも続くという、深刻な入港待ち状態に巻き込まれてしまうといった問題も発生している。
    • こうして、上海からロサンゼルス・ロングビーチ港を経てシカゴまでの輸送日数は35日から73日に長引き、コンテナが始発地に戻るまでに146日もかかった。これは海運の輸送力が、一気に50%も減少したことに相当する。
    • 塩田港の場合も、感染者が出たことによる作業の一時ダウンの影響で、35万7000個のコンテナが遊休状態になってしまうという問題まで起こした。
    • コロナ禍の影響で、中国製品の世界的需要が高まっているのに、海外製品に対する中国の需要は逆に減っている。そのため、海外にいったコンテナが中国に戻らなくなるという厄介な問題が起こった。こうして中国の港では、コンテナが足りなくて搬出できない貨物が増えるという信じられない現象が起きた。その結果、運送価格の暴騰現象を誘発した。
    • 例えば、40フィートのコンテナの運送価格は、中国から米国までの場合、普段は3000ドルあまりだったが、いまや2万ドル以上、5倍以上の暴騰という記録を作った。
    • コンテナ製造会社、海運会社がもうかっている。海運業界のコンサルタント会社は、コンテナ運送会社の2021年の営業利益は2019年の15倍になるだろうと見ている。
 
  • 650社が回答!「コロナ禍でわかった、無くてよかったもの」調査 ―人事向け情報サイト『人事のミカタ』アンケート― 86%が働き方や社内制度の変更を実施。無くてよかったものトップ3は「対面での会議」「社内イベント」「定時勤務」。2021/09/09 エン・ジャパン
    • 86%が、新型コロナウイルスの影響で「働き方・社内制度の変更などをした」と回答。対応した内容トップは「社員が大勢集まる会議やイベントの禁止」。
    • コロナ禍への対応によってわかった、無くてよかったものトップ3は「対面での会議」「社内イベント」「定時勤務」。新たに必要になったもの、1位は「オンライン会議システム」。
    • 新型コロナウイルスによる企業活動への影響がいつまで続くかについて、「2021年度内まで」と「2022年度内まで」と考える企業がそれぞれ約4割。
       
  • コロナ対策で本当に必要なのは「実践」できる人材 「戦術レベル」で実行できる人は意外に少ない訳 國井 修:世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)戦略・投資・効果局長 2021/09/09 10:00 東洋経済ONLINE
    • 「危機に向かう姿勢」として、No regrets policy(後悔のない対策)を紹介している。これは新たな脅威に対し、その影響を過小評価して最終的に大損害を受けて後悔しないよう、遅いよりは早すぎるくらい、足りないよりは多すぎるくらいの措置を行って損害を最小限に抑えるべきとの原則である。
    • 「後医は名医」という格言を紹介している。患者を最初に診た医師(前医)よりも、後から診た医師(後医)の方が、前医の治療を受けた経過に関する情報や、病状の進行に伴い顕著になった症状に関する新情報など、獲得できる情報量が多いため、より正確な診断・治療ができる可能性があるというものである。
    • 長期戦ではクラウゼヴィッツが指摘する「摩擦」がつきものだ。
    • 新型コロナウイルスに対するPCR検査は遺伝子情報が公開されてわずか10日で開発され、迅速検査は242日でWHOの緊急使用リストに登場した。ワクチン開発はWHOの非常事態宣言後、わずか307日で成功して承認を受け、執筆時点(2021年8月26日)で8種類のワクチンが世界中で緊急使用も含めて承認され、30種類以上のワクチン候補が臨床試験の最終段階にある。治療についてはいまだ特効薬と呼べるものは不在だが、ステロイド剤デキサメサゾンが致命率を下げることを138日で突き止めた。これらの研究の成果は、感染症対策の歴史の画期的偉業ともいえる。
    • いまだに低所得国に十分な対策が行きわたっていない理由のひとつに資金ギャップがある。ACT-Aでは2021年末までに世界の低中所得国に検査・治療・ワクチンを普及させるために、日本円にして約4兆円の資金が必要だが、約1年半で先進国などから集まった資金は半分、それも大部分がワクチンへの拠出である。4兆円というと、日本の医療費約40兆円の10分の1である。世界100カ国以上の貧しい国への新型コロナ対策支援と考えると、そう大きな額ではない。しかし、先進国は1000兆円以上も自国の新型コロナ対策に出費していながら、他国への支援には財布のひもが固い。
    • 資金に関連する結論および提言として、(1)将来のパンデミックに対して、備えと危機時の対応の両方の資金が必要で、その額は年間50億〜100億ドルであること、(2)危機時には、WHOによる緊急事態宣言に伴い、即座に支援できるよう、事前に調整・合意をしておく必要があること、(3)世界の国々にそれぞれの経済力に応じた資金調達を求めるも、政府開発援助以外の資金調達方法も検討していくこと、(4)この資金調達や管理のために新しい「組織」は創設せず、新たな「ファシリティー」や「メカニズム」を通じて、世界銀行やグローバルファンドなど既存の国際機関が資金を仲介または管理する体制を検討することなどである。
    • 海外から見ていて、日本には評論家や自称専門家は多いが、実際に危機管理をリード・統括して人を動かせる人、特に指揮統制を動かせる人、大戦略、戦略レベルだけでなく、作戦、戦術レベルでオペレーションができる人は少ないように思う。また、リスクコミュニケーションなどを語れる人はいても、実際にそれを実践できる人、助言できる人も少ない。
  • 特別企画 :新型コロナウイルスによる企業業績への影響調査(2020 年度) 20 年度決算、約6割の企業で売り上げ減少 2021/9/7 帝国データバンク
    • 2020 年度決算の企業業績は、全産業(金融・保険を除く)約 10 万 7000 社のうち、「減収」となった企業が 58.3%を占め、2019 年度(40.3%)に比べ 18.0pt 増加した。業種別でみると、減収企業の割合は製造が 7 割を超え、非製造でも 55.6%を占めた。全産業の前年からの売上高伸び率平均は 0.2%のマイナスとなり、2019 年度(+6.8%)から減少に転じた
    • 業種ごとに売上高伸び率平均をみると、前年から売上高の増加率が最も高いのは「電気通信・郵便」で 11.0%のプラス。一方で最も減少率が大きかったのは「宿泊業」で 28.5%のマイナスとなった
    • 企業が持つ現預金の余力を示す「現預金手持日数」は全産業平均で 99 日分となり、2019 年度(74 日分)と比較して 25 日分の増加となった。月商に対する有利子負債の割合を示す「有利子負債月商倍率」は全産業の平均で 5.1 倍(2019 年度 4.1 倍)に達しており、借入金を増やすことで資金を確保し、不測の事態に備える動きがみられる 
 
  • Withコロナにおける社会経済活動の活性化に向けた提言 -重症化率等を抑えながら社会経済活動の再開へ- 一般社団法人 日本経済団体連合会 2021年9月6日
    • 1.早期治療を可能とする医療提供体制の整備
      ① 医療体制逼迫解消に向けた環境整備
      ② 重症化率等の低下を前提とした一般医療機関での治療等の検討
      • 足元の医療体制の逼迫解消に向け、コロナ対応に関し、より多くの医療機関・医療人材の協力を得られやすいような環境整備を進めるべき。
        臨時の医療施設を増やすため、経団連としても、企業施設の提供に協力。
      • 将来的には、国が、医療機関や各地方自治体に対し、病床調整・入院調整等に関する直接的な強い指示ができるよう、抜本的な制度改正を検討すべき。
      • 重症化率・死亡率が十分低減した際には、広く一般の病院・クリニックでの診療を可能とし、保健所を介した受診・入院調整の対応を不要とするよう検討すべき。
    • 2.積極的な検査の実施
      PCR 検査を補完する抗原 定性検査の拡充に向けた規制緩和(抗原簡易キットの薬局等での販売許可など)
      • 抗原定性検査について、有症状者に限らず広く活用を認め、より容易に検査にアクセスできるよう、厚生労働省認可の抗原簡易キットを薬局等で販売し、検体採取や測定を、被検者自身でできるようにすべき。
    • 3.帰国・入国後隔離措置の適正化
      ① 現行 14 日の隔離期間の短縮
      ② ワクチン接種者に対する帰国・入国後隔離期間の免除
      • ワクチン接種の有無にかかわらず、まずは日本に入国するすべての者に対し、現在 14 日間となっている隔離期間を最長でも 10 日間に短縮すべき。
      • ワクチン接種完了者については、隔離期間の免除を早急に検討すべき。
      • 日本政府発行のものと同等のワクチン接種証明書を有する外国人について、原則、査証の発給を行い、入国を認めるべき。
      • ワクチン接種証明書は、国内経済活動の活性化に向けても活用すべき。
 
 
 
  • ポストコロナの行動拡張改革 2021.9.1 三菱総合研究所 
    • 働き方・暮らし方の変化を通して人々の行動が多様化。
    • 多様な行動の実現に向け、行動拡張による最適化と質の向上が必要。
      (1) 情報の非対称性の解消
      (2) 空間と時間のつなぎ合わせ
      (3) 行動の価値を高める「移動」の最適化
    • 行動拡張の実現にはデジタル・リアル融合に基づく基盤構築が鍵。
 
  • 病床逼迫対策や治療法の確立にいくらかけたのか コロナ対策の費用対効果分析④ 原田 泰 (名古屋商科大学ビジネススクール教授)2021年9月1日 WEDGE Infinity
    • 医療提供体制の拡充が7兆8467億円、治療薬の開発・ワクチンの開発接種が1兆8576億円である。
      • 2020年度補正予算の概要資料から、「1.新型コロナウイルス感染症緊急経済対策関係費(1)感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発1兆8097億円(うち治療薬・ワクチン開発支援655億円)」(第1次補正)、「1.新型コロナウイルス感染症対策関係費(4)医療提供体制等の強化2兆9892億円(うちワクチン・治療薬の開発等2055億円)」(第2次補正)、「I.新型コロナウイルス感染症の拡大防止策1.医療体制の確保と医療機関等への支援1兆6447億円、2.検査体制の充実、ワクチン接種体制等の整備8204億円」(第3次補正)、予備費使用実績から医療提供体制の充実1兆6690億円、ワクチン確保等7662億円となる。
    • 医療提供体制の充実にかかった7.8兆円を実際に入院している病床数2万4247で割ると1床あたり3.2億円かかったことになる。7.8兆円のうちにはマスクや防護服などの費用も入っていて、全部が病床確保に使われている訳ではないが、私はかかりすぎの気がする。これだけ使うなら、いくつかの病院を買収して、コロナ専用病院としても良かったのではないか。
    • 医療体制や治療法の確立に向けて支出された7.8兆円は、初期の混乱から死亡率を低下させた後は、それほど顕著な成果を上げたわけではないようだ。しかし、患者がいればそれは診なければならない訳で、2020年度の累積の感染者数47万人に対して、感染者1人に1659万円使ったことになる。軽症の感染者が8割とされていることを考えると、これは少し使い過ぎではないだろうか。
    • 現状で圧倒的に費用対効果が高いのはワクチンであり、次は国境検疫である。PCR検査も、私の計算が正しければそれなりの効果がある。それ以外は、劇的な効果があるとは認められない。
 
  • 2020年2月の第1号発生から約1年6カ月 コロナ破たん累計2,000件【8月31日15:00 現在】 東京商工リサーチ
    • 新型コロナ関連の経営破たん(負債1,000万円未満を含む)が8月31日、全国で累計2,000件(倒産1,899件、弁護士一任・準備中101件)に達した。
    • 2020年2月に第1号が判明して以降、約1年後の2021年2月には1,000件、同年5月に1,500件に達したが、その後も月間100件を超える高いペースが続いている。
    • 8月も31日時点で137件が判明するなど高水準で推移し、コロナ関連破たんは2020年2月に第1号が発生して以来、約1年6カ月で2,000件に膨らんだ。
      • 都道府県別:最多は東京都の466件、最少は山梨県と鳥取県の4件
        業種別:最多は飲食業の366件、建設、アパレル、食品卸、宿泊が続く
 
  • 「新型コロナから空気感染の定義を根本的に見直すべき」と専門家が提言 2021年08月30日 12時04分 Gigazine
    • 世界保健機関(WHO)やアメリカ疾病予防管理センター(CDC)が「新型コロナウイルスが空気感染する可能性」を認めました。さらに、専門医や大気化学者などの専門家で構成された研究チームが、「これまで使われていた空気感染の定義を根本的に見直し、新型コロナウイルスを含めた呼吸器症候群への対策を強化するべきだ」と主張する論文を発表しました。
    • WHOは空気感染を「長距離および長時間空気中に浮遊したときに感染性を維持する飛沫核の拡散によって引き起こされる感染性病原体の拡散」としていますが、一般的には「感染者から1~2m以上離れた場所で、5μm以下の感染性エアロゾルや飛沫核を吸引して感染すること」と定義されており、これまで液滴とエアロゾルの差は、「直径が5μm以下であればエアロゾル」というように区別されてきました。飛沫の直径が5μmより大きい場合は液滴となり、空気感染の定義には含まれないため、空気感染する病原体は非常に少ないとされていました。
    • しかし研究チームによれば、新型コロナウイルスやSARSコロナウイルス、中東呼吸器症候群コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヒトライノウイルス、RSウイルスなどは空気感染することを裏付けるエビデンスがすでに存在しているとのこと。研究チームは、飛沫感染や付着物感染だけでは、新型コロナウイルスのパンデミックでみられるような「スーパースプレッド」や、屋内と屋外での感染の差を説明できないと指摘しています。
    • 研究チームは研究チームはエアロゾルの定義を刷新し、「1.5mの高さから静止した空気中に5秒以上浮遊する」「放出者から1~2mの距離に到達する」「最大の粒子径は100μm」とするべきだと主張しています。ウイルスを含むエアロゾルの移動は、エアロゾル自体の物理化学的特性や温度、相対湿度、紫外線量、気流などの環境因子に大きく影響を受け、吸入されたエアロゾルは大きいと上気道辺りまで、小さいものだと肺胞の奥深くまで入り込むと研究チームは述べています。
    • 飛沫でも新型コロナウイルスの感染は十分あり得ますが、飛沫は数秒以内に地面や物体表面に速やかに落下するので、飛沫感染が猛威を振るうのは20cm以内の距離で会話をする時に限られる、と研究チームは論じました。
    • 新型コロナウイルスだけではなく、すべての呼吸器感染症の病原体について、エアロゾルによる感染経路を再評価すべきだと主張し、換気・空気清浄機などによる空気のろ過、紫外線消毒、マスクの装着に注意し、短距離と長距離の両方でエアロゾル感染を軽減するための予防措置を講じるべきだと述べました。
 
  • 「コロナは空気感染が主たる経路」 研究者らが対策提言 新型コロナウイルス 野口憲太2021年8月27日 20時24分 朝日新聞DIGITAL
    • 空気感染は、ウイルスを含む微細な粒子「エアロゾル」を吸い込むことで感染することを指す。エアロゾルの大きさは5マイクロメートル(0.005ミリ)以下とされ、長い時間、空気中をただよう。
    • 厚生労働省のウェブサイトでは、新型コロナの感染経路として、くしゃみなどで出る大きなしぶきを介した「飛沫(ひまつ)感染」や、ウイルスの付着した場所に触れた手で鼻や口を触ることによる「接触感染」が一般的と説明されている。
    • 一方、世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)はそれぞれ、ウイルスを含んだエアロゾルの吸入についても、感染経路だと明記している。
    • 声明は、空気感染が新型コロナの「主たる感染経路と考えられるようになっている」と指摘。考えられている以上に距離が離れていても感染リスクはあり、逆に空気中のエアロゾルの量を減らすような対策で感染抑制ができるとした。
    • そのうえで、国や自治体に対して、ウレタン製や布製のものよりも隙間のない不織布マスクなどの着用徹底の周知▽換気装置や空気清浄機などを正しく活用するための情報の周知▽感染対策の効果を中立な組織によって検証することを求めた。声明は、内閣官房、厚労省や文部科学省に送付したという。
    • 国立病院機構仙台医療センター長の西村秀一・ウイルスセンター長の西村氏は「人流と(感染拡大という)結果の間にはいくつものプロセスがある。その一つ一つをつぶしていくことがとても大事。そのためには、『入り口』のところの空気感染への対策をきちんとやらなければいけない」と述べた。
 
  • どうして緊急事態宣言は効かないのか? ~ゲーム理論の発想~ 2021.08.27 第一生命経済研究所
    • ゲーム理論で言えば、ゲームが繰り返されることで、自粛の効果がないという認識が人々に共有されたという理屈になる。繰り返しゲームでは、自分が行動を変えても、相手は行動を変えない、となる。相手が行動を変えないから、自分は勝手に行動させてもらう、となる。繰り返しゲームによって、協力関係が、非協力関係に変わったと解釈できる。これは、「慣れた」ことの意味を論理的に説明するものでもある。
    • 結局、人々が自粛に非協力となる場合、感染は拡大して、皆が不幸になる。これは、「囚人のジレンマ」の例えで語られる協調の失敗ケースである。現在の菅政権は、国民が自粛する意味が継続的にあるのかという問いに答えることに失敗している。
    • 人々の非協力関係を変化させるには、政府がコミットメントを設定することが有益だ。皆が自粛に協力すれば、政府は継続的な感染収束を達成できると約束することである。自粛によって、その後、政府が感染収束に成功すると皆が思えば、その予想(期待形成)に従って人々の行動変容が促される。
    • 問題解決の焦点は、こうしたコミットメントの実現可能性である。政府は、集団免疫の獲得に向けたロードマップを示し、その対策の実効性を高めなくてはいけない。例えば、接種を義務化しないまでも、もっと積極的に接種率を高めるアクションプランが必要だ。
       
  • 東京都医師会がコロナ医療に総力戦、方針転換の背後にある「不都合な真実」 窪田順生:ノンフィクションライター 2021.8.26 4:20 DIAMOND online
    • 東京都医師会の尾崎治夫会長が8月13日の定例会見で、都内全域で、自宅療養者・待機者に対して「地区医師会・往診専門医・在宅専門診療所・訪問看護」などで24時間見守り体制を導入すると発表した。
    • 日本医師会も、大規模イベント会場や体育館を利用した「野戦病院」設置を提言し、医療従事者の派遣などで協力をする考えを示している。
    • 医師会らが急に「方針転換」し始めた理由。まず大きいのは、2月に成立した改正感染症法であることは言うまでもない。この改正によって、厚生労働大臣や知事が、医療機関に必要な協力を求めることができ、正当な理由なく応じなかった場合には勧告した上で、従わなかった場合は、医療機関名を公表できる規定が盛り込まれている。
    • 規制・監督下に置かれる業界のもっとも有効な規制対策というのは、規制を先回りして「業界団体などによる自主ルール」を設けることだ。 お上からゴチャゴチャうるさいことを言われる前に、「ほら、我々もちゃんとやってるでしょ」と示すことで、国や自治体から厳しい規制が敷かれることや、社会からの批判をそらすのだ。東京都医師会の「180度方向転換」もこれと同じなのではないか。
    • このような「政治的駆け引き」に加えて、個人的には「救急車のたらい回し」の増加も影響を及ぼしたのではないかと思っている。総務省消防庁によれば、8月16日から22日で全国の消防本部から報告された「救急搬送困難事案件数」は3207件で、コロナ以前の令和元年同期比で+222%となっている。
      • 「救急搬送困難事案件数」とは医療機関への受け入れ照会4回以上で現場滞在時間30分以上
    • しかし、今はコロナで膨れ上がっているが平時から起きている構造的な問題なのだ。では、なぜこのようになってしまうのかというと、「医療資源の偏り」という指摘がある。
    • 日本は医療従事者数も看護師数も人口比で見ると他国とそれほど大きく変わらない。しかし、病床数が桁違いに多すぎる。病床は医療従事者がいないと機能しないので、多すぎる病床に振り分けると、一つひとつの医療機関の人員が少なくなる。つまり、限りある医療資源を薄く、広く伸ばしてしまっているせいで、「脆弱な医療体制の病院」が全国に溢れるという状況を招いているのだ。
    • 「救急車のたらい回し」という構造的な問題を突きつめていくと、どうしても「医療資源の偏り」に突き当たり、これを是正していくためには「医療資源の再編」という議論にならざるを得ないのだ。
    • こういう再編・改革をよろしくないとする人も、医療界には少なくない。その代表が、病院経営者の利益を守る業界団体・医師会だ。こういうクリティカルな議論を避けるには、「救急車のたらい回し」を減らすしかない。それが、医師会が「コロナ総力戦」に積極的に参加するようになった最大の理由ではないか。
 
  • コロナ禍と医療イノベーションの国際比較⑦(収束しないコロナ禍に耐えうる医療提供体制) 松山 幸弘 マッコーリー大学オーストラリア医療イノベーション研究所 名誉教授2021.08.23 キャノングローバル戦略研究所
    • 1.はじめに
    • 2.コロナ禍が収束しないことを前提に医療提供体制を再構築する
       全国民にワクチン接種しても集団免疫は実現しない
       コロナ医療提供体制を巡る日本の常識の誤り
        ① 病院毎の最適化の寄せ集めでは広域医療圏全体最適を実現できない
       ② 経済的インセンティブがなければ動かない医療機関はラストリゾートたりえない
        ③ 海外のコロナ自宅療養者は急変時の入院先が事前に決まっている
       規制緩和しても日本でオンライン診療が普及しない理由
        ① 最重要インフラである医療情報共有プラットフォームが存在しない
       ② 問診単品サービスの発想に留まっている
       ③ 初期投資コスト負担者が定まっていない
       ④ 日本の医療界は変革を嫌う茹でガエル
       国公立病院を地域統合すればコロナ病床補助金、臨時医療施設は不要になる
    • 3.デルタ変異株との闘いで敗戦濃厚な中、新常態を目指す米国
       COVID-19 患者の増減に応じてコロナ病床数と通常病床数が柔軟に変化して全体最適
       ワクチン接種の義務化を巡る論点
       巨大な医療情報プラットフォーム企業が誕生
    • 4.感染者急増の中でフリーダムデイに踏み切った英国
       一見無謀なフリーダムデイという賭けに出たジョンソン首相の勝算は?
       デジタル接触追跡アプリへの不満
       NHSAPR の利用者数が急増
    • 5.コロナ対策優等生オーストラリアが遂に COVID-19 ゼロ戦略を放棄
       COVID-19 ゼロ戦略は全世界が参加しなければ成功しない
       オーストラリアはコロナ禍前からワクチン接種を薬剤師に認めていた
       PHR のデータ蓄積量がコロナ禍で飛躍的に増加
    • 6.COVID-19 と共生する新常態に近づいたカナダ
       ワクチン接種完了者の人口割合で米国を追い抜いたカナダ
       バーチャルケアが患者と医師から高い評価を得た 
 
 
  • マスク不足で生産参入→今や「赤字」 「突然のハシゴ外し」も...1.8億投じた企業が明かす1年の奮闘 2021年08月21日09時00分 J-CASTニュース
    • 異業種からマスク業界に新規参入した企業が今や「赤字8000万」だとツイッター上で拡散され、「応援したくなる」などと話題となっている。   注目されているのは、国産マスクを販売する業務用洗浄機メーカーのショウワ(兵庫県尼崎市)だ。
    • マスクの生産を始めたのは2020年4月。当初は国内の素材が手に入らなかったことから中国産の不織布を使っていた時期もあった。しかし現在の生産体制は、「国内の工場で作っている、検品も国内でやってる、素材も国産品を使う」「100パーセント・メイドインジャパン」と強調。
    • ショウワのマスクはAmazonやBaseなど通販でも手に入れることが出来る。基本商品の「3層仕様サージカルマスク(30枚入り)」は税込み2200円。
    • 設備投資分が回収できれば後は細々と生産、コロナ禍の収束にあわせ2、3年でマスク事業を畳む心積もりでいたという。しかし感染状況が落ち着かず、今後数年間は生産を続けるつもりだとする。
    • 参入当初は伸び悩むも、20年8月に大手メーカーの受託製造(OEM)が始まると急激に売り上げが伸びた。30万枚だった請負が、220万枚ほどまで膨らんだ。「機械を自動化する、もしくは機械をもう1台購入する。そうしないと追いつかないような状況だった」として、更なる設備投資と自動化を進めたという。21年2月には、「大手メーカーが突然ハシゴを外した」。
  • 自粛要請はもう限界 ワクチン後の〝出口戦略〟示せ 川崎隆司 (Wedge編集部員) 2021年8月20日 WEDGE Infinity 
    • 膠着状態が続く日本のコロナ対策で求められる次の一手はあるのか。感染症対策コンサルタントの堀成美氏は「もはや『外出自粛』というメッセージを発し続けるだけでは国民の意識は変わらない。新たな情報や方針が示されない状況が長引くほど、ローカルルールが乱立し、一人歩きしていく。国は将来に向けたロードマップを示す時期にきている」と述べる。
    • そのロードマップの柱となりうるのが、ワクチンの普及に応じて新たな日常を取り戻していく〝出口戦略〟だ。ワクチン接種を踏まえた行動制限の緩和の動きは今や、世界各国に広がっている。一方日本では、国内でのワクチン接種者に対する行動制限の緩和や特典付与について、政府の腰は重い。
    • ワクチン接種者に対しても未接種者と同様の自粛要請を行うことに対し、医療関連の法律に詳しい田辺総合法律事務所の吉峯耕平弁護士は「差別とは本来、特定の属性の人々を、合理的な理由なく区別し、不利益を与えることを意味する。ワクチンの有効性・安全性が科学的に示されていることが前提だが、これまで同様の一律の行動制限は、接種者に対し不必要な人権制限を課すことになり、むしろ問題だ」と指摘する。
    • 公衆衛生を専門とする慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室の坂元晴香特任助教は「制限を緩和する場所と時期は必ずしも一律である必要はない」とする。
 
  • No.345 コロナ禍における人口変動と国内労働供給 2021年8月19日発行
    • 日本の人口は2020年に1億2623万人となり、年間の減少幅は過去最大の46万人となりました。コロナ禍の人口動態を米国や欧州、中国を含めて確認し、世界的に人口下押しがみられたこと、死亡者数が米欧で増加する一方、少子化傾向が各国で共通して強まったこと、特に中国の人口減少が目前に迫ることを示します。続いて、人口減少が進む日本の労働供給について、近々減少に転じるとの試算とともに、近年の日本が世界有数の移民受入国となっていることを示します。
 
  • 「多い・薄い・長い」?! コロナで一層あらわになった日本の医療の特異性 2021/08/19 15:00 読売新聞オンライン
    • 日本の医療提供体制、とりわけ病院の「特異性」だ。 どこが特異なのか。他の主要先進国と何が違うのか。主な特徴として、以下が挙げられるのではないかと思う。
    • (1)病院や病床数が多い
    • (2)医師や看護師が「薄い」
      • 1病院、1病床あたりの医師数、看護師数が極めて少ない、つまり「薄い」
    • (3)入院している期間が長い
      • この「(ベッドが) 多い ・(人が) 薄い ・(入院期間が) 長い 」の 3点セット が、日本の医療の特徴といえるだろう。各地に病床と医療人材が散らばった 分散型の「低密度医療」 とベッドを埋める入院期間の長さが、緊急かつ集中的にベッドと医療者を必要とするコロナ禍で病床確保を難しくしているのは、今、私たちが見ている通りだ。
    • (4)民間(私立)が多い
      • 政府は人、物、資金を使うことなく、民間の管轄指導を行うことで病院整備をしていった。なお、医療の提供主体は「民」が中心だが、それを賄う財政は「公」が担っている点も、日本の医療の特徴の一つといわれている。
    • (5)外来がある
      • 欧米では病院は外来機能を持たず、入院治療に専念するのが一般的だ。病院(ホスピタル)と診療所(クリニック)の機能が分かれていて、患者は診療所などで総合医(ホームドクター)や専門医の診療を受け、必要があれば病院に入院して手術などの治療を受ける。日本は病院と診療所の役割分担が明確ではない(病床数が20床以上あれば病院になる)。だから、「外来部門を持つ病院とか、入院病床を保有する有床診療所という、欧米からみると奇異なハイブリッド型医療機関が日本には存在している」
 
  • 最新の知見に基づいたコロナ感染症対策を求める科学者の緊急声明 2021年8月18日 世話人:本堂 毅(東北大学大学院理学研究科) 平田光司(高エネルギー加速器研究機構) 賛同者:西村秀一(国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター)他
    • 感染経路への理解が進み,空気感染が主たる経路であると考えられるようになっている現在,対応すべきことは明らかである.すなわち,最新の知見を踏まえれば,対策が尽きてしまったと言うほどのことはなされていない.未だ様々な方法が残されており,それらによる感染拡大の阻止は可能である.
    • 空気感染は主に感染者の口腔から空間に放出されるウイルスを含んだエアロゾルが空間に滞留する量(濃度)に応じて起こる.理論的にもエアロゾル滞留濃度を下げることで感染抑止は可能なはずであり,少なくとも以下に挙げる2つ方向において対策の余地は大きい.
      1)ウイルス対応マスクによる,口腔から空間に放出されるエアロゾルの量と,他者からのエアロゾル吸入の抑制
      2)滞留するエアロゾルの機械換気による排出,エアロゾル濃度抑制
    • 以上から,私たちは国や自治体が以下の対策を速やかに検討するよう提起する.
      A)ウイルス対応マスク装着[2]についての市民への速やかな周知と必要な制度的措置
      B)熱交換換気装置や空気清浄機,フィルター等の正しい選択と有効な活用についての行政の理解と市民一般への十分な周知
      C)効果の科学的証明には時間を要するため,最新の知見から有効と予想できる対策は,中立的組織による効果の検証[3]を平行しつつ,公平性や安全性に配慮して実施する
    • 私たちの手には現在,感染抑制に活用できる不織布素材,熱交換換気装置,空気清浄機,扇風機やエアコンに付加する形でのフィルター等,科学技術の成果がある.室内空気環境を専門とする建築学分野は,シックハウス症候群を端緒とし,医学界との共同研究の歴史を持つ.本声明で指摘した項目と,狭義の医学に留まらない科学知を総合した対策の検討と実施が,いま速やかに必要である.
    • 関連:38人の科学者が提言「空気感染」から身を守る方法 緊急事態宣言が明ける今後こそ要注意 2021/09/28 6:00 東洋経済ONLINE
  • 「脅しのメッセージ」は効かない…リスクコミュニケーションの専門家が語る今後の新型コロナ対策 2021年8月17日 火曜 午後6:00 FNNプライムオンライン
    • メディア論の分野ではオリンピックや戴冠式、ロケットの打ち上げなどは事前に準備されフォーマット化された「メディアイベント」として研究されてきました。一方で地震・津波などの災害やアメリカ同時多発テロ、オウム真理教事件などは「破滅型のメディアイベント」と言われています。
    • 新型コロナはスロー・ディザスター、ゆっくり型の災害です。1年半以上にわたる災害の中で「慣れ」が生まれ、有効な対策が取れていません。そこに矛盾したメッセージが加わることで、さらに緩んでしまったと感じています。
    • 普通に考えてもオリンピックの祭典と新型コロナの感染対策という異なる種類のイベントを同時に行うことは、政府にとってもメディアにとっても、そしてその矛盾したメッセージの影響を受ける市民にとっても、「あぶはち取らず」になる可能性が非常に高い選択でした。率直に言えばメディアイベントの両立という意味で日本は失敗したと思います。
    • 「日本は結局、何をしたいのかが見えない」ということは海外の専門家からもよく言われます。今回のような状況でトップから出して欲しかったのは、安全安心という精神論や、ワクチンという個々の施策よりも「この矛盾にどう向き合うのか」ということでした。結局分からないまま、なし崩し的な状況が政府から市民まで通底していました。
    • いわゆる「脅しのメッセージ」は効かない、というのはリスクコミュニケーションの原則です。瞬間的には効いても慣れてしまう。
    • 専門家が示しているデータが示す大きな将来予測を丁寧に伝えることももちろんですが、いま足りていないのは、人々が自分ごととして考えられるエピソードです。メディアには「後遺症を経験している感染者の現状」や「ワクチンを打てない、打たないという葛藤」などの事実に即した、具体的で多様なエピソードをドキュメンタリーなどでしっかり伝えてほしいと思っています。これらは多数には届きにくくとも、届いた人には深く刺さり、考えるきっかけになるからです。
    • 公的機関による情報収集と公開は、社会の議論を落ち着かせる意義もあります。例えば以前のホテル療養について、ネットでは食事などへの不満が目立ちましたが、東京都が療養者に聞き取りを行ったら「周囲に気を遣わなくて良かった」「いざとなったらワンコールで医療につながる安心感があった」など満足している回答も多かったのです。こうした肯定・否定も含めた声を集めての情報公開も、人々のより良い判断につなげるチャンスです。
    • 対話を通して互いが学んでいくことがリスクコミュニケーションの基本です。
      「ワクチン一点突破」という考え方はやめたほうがいい。科学に限らず、あらゆる問題がそうですが、一つの要素だけでの解決はありません。テクノロジーに限らず、社会や法制度、倫理も含めた広い議論がますます必要になっています。

       
  • 新型コロナ禍でエコシステムはどう変わる?(世界) 2021年8月17日 JETRO
    • 2010年代半ばごろから世界的にスタートアップが勃興し、投資バブルとの指摘もあったが、コロナ禍で企業価値が適正水準に近づいた今、投資家は投資実行のチャンスと捉えている。
    • スタートアップが集まるピッチイベントは、コロナ禍でオンライン開催に移行した。その中で、コロナ禍で求められる新サービスを提供する、いわゆる「コロナテック」をテーマとするものが数多くみられるようになった。
    • 医療分野では、遠隔医療などのサービスが注目を集めている。動画診察プラットフォームを提供するドクトリブ(フランス)や、自宅で測ったデータを医師と共有できる端末の開発を行うタイトーケア(イスラエル)など、病院に行かずにさまざまな医療サービスを受けられるシステムが構築され、恒久化を目指している(表参照)。非接触や自動化への対応も進む。人流の管理や3密(注1)回避を可能にする人工知能(AI)を搭載したカメラやセンサーの普及や、キャッシュレス決済なども各地で進んだ。
    • 躍進が目立ったのはEコマース(EC)だ。コロナ感染の拡大で外出制限が厳しくなる中、店舗に行かずに商品が購入できるECの売り上げは一気に増加した。世界的に見ても市場規模は2020年には前年比25.7%増で4兆ドルに達し、2025年には7兆ドルを超えると予想されている(eMarketer推計値)。特に中国では、ライブコマース(注2)が新たなECツールとして急成長しており、大手プラットフォームの淘宝(タオバオ)や京東(JD.com)などが相次いでライブコマースの専用ページを開設した。その後、SNS上でもライブコマースのプラットフォームが実装されるなど、ツールが多様化している。
    • 世界のエコシステムを資金調達やネットワークなどから総合的に調査するスタートアップ・ゲノム社が2020年6月に発表したエコシステムランキングでは、東京が初めて15位にランクインした。近年は特にアジアのスタートアップ・エコシステムが躍進しており、アジアで掲載される都市は上位30都市のうち9都市を占めるまでに成長している。東京の順位は、シンガポール(17位)や深セン(22位)より上位となり、海外から日本のスタートアップへの関心が高まっている。
    • 日本のマザーズ市場も活況が続く。2020年の新規IPO数は50となり、うち31社がマザーズへの上場だった(図2参照)。2020年3月以降、新型コロナ感染拡大の影響から一時的に上場を見合わせる企業が多数あったものの、同年6月ごろから徐々に上場が増え始め、2020年全体では前年を上回る上場数となった。日本ではベンチャーキャピタル(VC)の資金の動きが比較的少ないため、マザーズに上場することで早期に資金調達ができるメリットがある。2021年には台湾のエイピア・グループ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、シンガポールのオムニ・プラス・システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますがマザーズに上場するなど、アジアスタートアップの受け皿としても存在感を増している。
    • 日本でも東京を中心に拡大を続けてきたスタートアップ・エコシステムだが、少しずつ各地でエコシステムが形成されつつある(2019年11月26日付地域・分析レポート参照)。国内各地にエコシステムの裾野が広がることで、多様な人材やスタートアップが創出・育成され、イノベーションが加速する契機となる。
       
  • CR検査と緊急事態宣言はどちらがコスト高か コロナ対策の費用対効果分析③ 原田 泰 (名古屋商科大学ビジネススクール教授) 2021年8月12日 WEDGER Infinity
    • 前回(『オリパラ代表受け入れがカギ握る空港での検疫』)に引き続きコロナ対策の費用対効果分析を行う。今回のテーマは、PCR検査(抗原検査を含む)とクラスター対策である。
    • PCR検査の進め方には、むやみに拡大すべきではないという抑制派と、拡大すべきであるという推進派がいる。それぞれの主張は様々な論点があるのだが、ここではどちらがより効果的に感染者を発見し隔離できるかという観点のみで考える。
    • PCR検査抑制派の主張は3つの主張からなっている。第1は、PCR検査を受ける人が病院に殺到すればそこが感染の発生源になるという主張である。第2は、偽陰性者は、むしろ安心して自由に行動し感染を広めるという主張である。第3は、「80%の人は誰にも感染させていない」から、クラスター対策だけをすれば良いという主張である。この主張は、20%の人はクラスター対策で追跡できていることを前提としている。私の疑問は、本当に追跡できているのか、ということである。
    • 推進派は偽陽性者も含め徹底隔離。2020年8月ごろ1日1000人程度の感染者が2021年1月には6000人程度に増加した。5カ月150日間で6倍、毎日1.2%ずつ増加したということである。1.2%増えるところを毎日0.1%(1.2-1.3)ずつ減少させるために2.5兆円かかるということである。150日後の感染者数は0.999(1-0.001)の150乗で0.86倍、感染者数は860人に収まる。これを繰り返していれば、緊急事態宣言は必要ないことになる。
    • 私の考える2000円が間違いで、すでにできている1万円での検査を前提とすれば、検査費用は、1万円×1.26億人=1兆2600億円である。これに前述の隔離費用3625億円を足して1兆6225億円となる。これを4回繰り返すと年に6兆4900億円かかる。
    • 6.5兆円でも緊急事態宣言を出すより良いのではないかと思うが、これを費用対効果が悪いという人もいるかもしれない。もちろん、北海道大学が主張するように、PCR検査の精度が高ければ、費用対効果は高くなる。
 
  • ファミレス主要11社、コロナ前から約800店減少 第2回上場主要「レストラン」店舗数調査 公開日付:2021.08.12 東京商工リサーチ
    • 大手レストランチェーンの退店が止まらない。レストラン運営の上場主要11社の2021年3月末の店舗数は8322店で、2020年12月末の8437店からわずか3カ月間で115店(1.3%減)減少した。コロナ前は9115店だったが、新型コロナ感染拡大で793店が減少している。
      • 主要11社のうち、店舗が増加したのはサイゼリヤのみ。コロナ前の1085店から7店舗増え、1092店だった。
      • 集計対象の11社のうち、半数の6社(構成比54.5%)が直近決算期で赤字だった。黒字はゼンショーHD、サイゼリヤなどの5社(同45.5%)。
    • コロナ禍で、家族連れや多人数のグループでの入店が減少し、外食各社の店舗スクラップにつながっている。
    • 東京商工リサーチが7月12日に発表した上場14社を対象にした「大手居酒屋チェーン」店舗数調査では、コロナ前に比べ14.5%減の1048店が閉店している。酒類提供を前提とする居酒屋に比べ、レストラン事業は酒類提供への依存度は大きくない。しかし、集客が従来見込めていた繁華街やオフィス街での夜間営業ができなくなったことに加え、それ以外の出店地でも長引く外出自粛や、滞在時間の制限も影響し、厳しい店舗運営を強いられている。
 
  • どう終わる?コロナのパンデミック 過去の感染症からわかること 世界中が期待する「パンデミック終息宣言」、どんなシナリオが考えらえれるのか 2021.10.13​ 文=JILLIAN KRAMER/訳=ルーバー荒井ハンナ 荷系ビジネス
    [ナショナル ジオグラフィック日本版サイト2021年8月12日掲載]
    情報は掲載時点のものです。

     
  • 新型コロナと生きる令和の日本(その 6) ―始まった官製トリアージ― 京都大学名誉教授 公益財団法人 国際通貨研究所 上席客員研究員 村瀨哲司 2021年8月10日
    • 緊急事態宣言の拡大・延長にあわせて、政府は、新型コロナ関係閣僚会議を開き、従来「原則入院・宿泊療養」の方針を「原則自宅療養」に転換し、入院要件を厳格化した。
      • その後、批判を受けて、説明は一部修正されたが、自治体あて厚生労働省の事務連絡(8 月 3 日付「現下の感染拡大を踏まえた患者療養の考え方について(要請)」)は変わっていない。
    • 今回の「原則自宅療養」は、事実上すでに医療崩壊(必要な時に適切な医療が提供できない、必要な時に適切な医療を受けることができない状態)にある現状を、医療壊滅(必要な時に医療自体が提供、受診できない状態:中川俊男日本医師会会長)にまで進行させないための方針転換と考えられる。治療優先順位を決める官製トリアージである。
      • 自宅療法とは事実上ただ安静にしているだけである。病状が悪化すれば、本人か同居者が保健所(センタ-)、かかり付け医に電話し、すべての連係プレーがうまくいって首尾よく入院できない限り有効な治療は受けられない。
    • もう一つ自宅療養の大きな問題点は、日本の住宅事情である。今後、家庭内感染が爆発的に広がる恐れがある。
    • 菅首相や閣僚は、「先手先手」が好きなようだが、新型コロナ対策としてどのような手を打ってきたのだろうか。
      • ワクチン開発については、米国、英国共に兆円単位の政府資金を投入して、驚異的なスピードでビオンテック・ファイザー、モデルナ、アストラゼネカなどワクチン開発・製品化に成功した。ビオンテックは新型コロナワクチンの開発に成功したドイツのスタートアップ企業で、米国のファイザー社と提携したことで知られる。
      • 医療体制に関しては、新型コロナがパンデミック化した昨年春~夏には、米国や南欧諸国で一部混乱に陥り、フランスなどでは高齢者を後回しにするトリアージに追い込まれた。しかしその後、各国とも大病院へのコロナ患者の集中と病院間の役割分担、重症者用集中治療室(ICU)の抜本的拡充と感染症専門医以外の医師、スタッフの訓練、地域間の病床融通など医療体制を立直し、昨冬の感染第 2 波以降は医療体制が逼迫あるいは崩壊に瀕したという話は聞かない。
      • 他方、わが国の取り組みを振り返ると、安倍政権から菅政権を通して、ワクチンに関しては、自国開発はもとより、米英で開発されたワクチンの確保においても後手後手に回った。
      • 緊急時におけるわが国の医療体制の弱点については、司令塔の不在と縦割り官僚機構の弊害、民間病院中心の既得権益などが絡み合って、欧米のような実効ある対策が講じられないまま、無為に1年7ヶ月が過ぎてしまった。
    • いまや空前の規模の感染第 5 波が日本列島を襲い、官製トリアージが始まった。
  • 全国的な感染再拡大を受けた緊急提言 令和3年8月1日 全国知事会
    • 1.第5波の抑え込みに向けた徹底した感染拡大防止策について 
      2.デルタ株をはじめ変異株に対応した検査・医療体制及び水際対策の充実・強化について 
      3.全国の事業者への支援及び雇用対策について 
      4.ワクチン接種の円滑な実施について
      5.誰ひとり取り残さない社会の構築について ​
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