影響分析・提言等 [発生~2020年4月末]
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マスクも医療機器も輸入依存、“コロナ戦争”で露呈した「医療安全保障」の弱さ 荒井寿光:元通商政策審議官 DOL特別レポート 2020.4.30 4:55 DIAMOND online
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戦時体制で対応する各国政府 医療安全保障の意識も体制も弱い日本
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「ウイルス対人類の第3次世界大戦」 グローバル化で感染速度、早まる
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輸入依存でマスク不足 医療が安全保障に直結
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感染症などの脅威から国民を守る「医療安全保障」が、「軍事安全保障」「経済安全保障」と並んで、国家の存続・繁栄に直結するようになった。
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米中は「医療覇権」を巡る争いを始めている。医療は単なる公衆衛生の問題としてではなく、安全保障問題としても国家を挙げて取り組む必要がある。
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時間がかかり過ぎた特措法改正や緊急事態宣言
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行動基準や連携体制を定める「感染症対策基本法」が必要
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防災対策基本法を参考に、次の内容の基本法を制定すべきだ。
(1)法律の対象を感染症一般に拡大する。
(2)防災の避難勧告などの警戒レベルを参考に、レベル1から5までの行動基準を決める。
(3)厚生労働省だけでなく、政府の経済活動、国民生活、文教、治安、外交などの担当省庁が初期の段階から連携する体制を作り、官邸に危機管理センターを設置する。
(4)国民生活安定措置法や買い占め・売り惜しみ防止法との連携を規定する。
(5)自衛隊に感染症対策の任務を付与する。
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「医療自給率」を高める医薬品備蓄やバックアップ施設
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産学官で開発競争に対応 特許独占防ぐ国際ルール作り
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する提言 令和2年4月28日
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提言1:長期戦であると言う認識
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提言2:医療崩壊を止める
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提言3:現状把握と情報共有
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提言4:最悪の事態を想定した出口戦略の策定
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提言5:今後の危機管理のありかた
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ニューノーマルを見据えた「デジタル社会資本」の整備を進めよ ~ポストコロナ禍に向けた産・官・学・市民のパラダイムシフト~、野村総合研究所、2020/04/28
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ウイルス感染拡大阻止と経済・社会活動維持のトレードオフ
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このトレードオフを乗り越えるべくフル活用されているのが、デジタル技術である。新型コロナウイルス感染拡大後、日本人のテレワーク、オンラインショッピング、オンライン学習、デジタルツールを使ったコミュニケーションは顕著に増加している。さらに足元ではオンライン診療や公共サービスのデジタル化も急ピッチで進められている。
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否応なく変化した日常生活と生活者の意識の変化
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人々の行動変化に伴って、意識や価値観も変化している。我々は新型コロナウイルスがいったん終息した後も、テレワークなどの行動変容は「ニューノーマル(新常態)」として定着すると考えている。そのため企業、自治体、学校、病院、そして市民1人1人によるデジタル投資は、新型コロナウイルス対策と、その後のニューノーマル対応という2つの意味で活発化するとみている。
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「ニューノーマル」を見据えたデジタル投資が活発化する 産・官・学・市民による「デジタル社会資本」の整備を
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今こそ「都市イノベーション」に舵を切るべき訳 「元には戻らない世界」で私たちがすべきこと 4/22(水) 11:01配信 東洋経済ONLINE
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2008年のリーマンショックでは、供給側が需要側に過剰に貸し付けて信用破綻が起きた。経済システムはその後、大きな犠牲を払いつつも復元した。しかし、今回私たちが経験しているのは、需要側も供給側も麻痺し、全システムが止まってしまった状態だ。
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イノベーションはリセッションを好む。歴史が語っている。さらに、危機は進化のための協調を生み出す。今、私たちが経験している現在から未来へのシナリオはいくつもあるだろう。その1つが、これまで経済を動かしていた競争戦略的な経済倫理が、協力や協調の倫理にシフトする、というものだ。
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台湾の「マスクマップ」アプリが世界で称賛されている。実は、100以上のアプリがある「マスクマップ」は、すべてプログラマーがオープンソースのツールで草の根的に立ち上げている。彼らはそれをデータ・コラボラティヴ(データ協業)という。
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企業が単に集まってオープンイノベーションとか、ソーシャルイノベーションなどと叫んでも、自社利益が根底にある限り、絵に描いた餅にすぎない。また、政府がイノベーション政策を掲げても、結局、生活世界を変えるには社会と協業・協調・協創するしかない。
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製品に意味的価値で付加価値づけする(ブランドやソリューション)、といった発想から、人間・社会・地球にとって本質的な価値を持つ領域でのイノベーション 、製品・サービスの開発への転換。将来の存在意義や本質的価値提供のための自己変革がカギだ。
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今、世界の優良企業が、ある一点をめざして大きく舵を切っている。それは、効率性や利益で経営を基礎づけるのでない、目的と社会のイノベーションに基づく「経営の人間化」である。知識社会・経済のイノベーションは、主観的な人間の知識創造の力が組織や社会をつなげることから起きるだろう。
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人間のポテンシャルをいかに引き出すかが焦点になる。そのエッセンスとして挙げたのが4つのPである。私たちや組織のPerspective(観点)の変革を下地に、Purpose(目的)、Passion(共感・情動)、Place(場所)の3つを綜合する。
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日本のインテリジェンスが問われている
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インテリジェンス活動は、感染症のパンデミック(世界的大流行)をはじめとして、気候変動などの環境問題、グローバルな経済危機など、多様で大きな「危機管理」の全体をカバーするものでなくてはならない。インテリジェンス活動の弱さこそが日本の危機対応の遅れに直結することを、今回の新型コロナウイルスにおいても肝に銘じる必要がある。
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「中程度脅威」への対策が不十分だった
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新感染症に対する危機感の欠如
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強権的な対策を嫌うメディアと世論
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トリアージ体制への移行が必要
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健康や流言へのリテラシー向上を
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オールハザード・アプローチを実践せよ
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日本の自治体や企業の(Business Continuity Plan:業務継続計画)は、自然災害対策に偏重している傾向があり、感染症に対するBCPの構築が求められている。
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こうした危機事態を克服するために必要なテクノロジーとして、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、ビッグデータ、ドローン、ロボティクスなどのイノベーションを活用した感染症対策も必要だ。危機管理におけるイノベーション・テクノロジーの活用が喫緊の課題である。
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新感染症パンデミックに対して①感染症学などの医学だけでなく、②公衆衛生学、③公共政策学の三つの学問領域が連携して対応して初めて、新感染症の医学的、感染症学的分析や、社会における公衆衛生学的な対策の構築、自治体や企業、学校などの対応を公共政策学的に連動させることができる。
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日本の感染症対策について考えるとき、感染症学などの医学は国際的に見ても発展しているが、公衆衛生学はまだ発展途上であり、さらにいえば感染症対策の公共政策学は未発達であるといわざるをえない。
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今回設置された新型コロナウイルス感染症対策専門家会議において、感染症学研究者として優秀な専門家が多数招集されているが、このなかに公共政策学、危機管理学の専門家はほぼいないという状況である。そのため、専門家会議において学校の休校措置や社会政策に関する議論はなされていない、という実態も明らかとなった。
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新感染症に対応する危機管理学も、危機管理学を構築する五つの機能である、①インテリジェンス、②セキュリティ、③ロジスティクス、④リスクコミュニケーション、⑤イノベーションのそれぞれについて具体的政策化が求められる。
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1月24日の『ランセット』誌には、中国から新型コロナウイルスの41症例の臨床症状の詳細が報告された。
病院に運ばれた症例であるために重症者が多いのだが、それでも重症例は人工呼吸器などを用いた集中治療が必要であり、場合によっては急速に呼吸不全を起こし、死に至ることが記されていた。さらに、死亡者が急増すること、防護服が必要なこと、疑わしき症例には検査を徹底すること、そしてパンデミックの可能性が高いことなどが警告されていた。-
しかし、欧米の研究者たちはこの中国からの警告をなぜか無視し、2月後半から3月前半に欧米で感染が拡大するまで適切な手段を講じなかった。
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新型コロナウイルスを含めてパンデミックへの対応は特別なことはなく、ほぼやることが決まっている。過去何十年もの経験に基づいて、WHOは初期から同じことを言い続けている。つまり、「検査」、そして「感染者とその接触者の隔離」である。その後は適切な「社会的隔離」だ。つまり、外出禁止、在宅勤務、休校、イベント中止、レスランの営業停止などである。
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しかし、今回の新型コロナウイルス対策においては、各国のリーダーたちは感染フェーズを考慮せずに、渡航制限、国境封鎖や休校などの目に見えやすい施策を行ない、かえって社会経済状況を混乱させてしまううえに、感染対策に大きな効果をもたらさない場合が散見されている。
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イタリアの医療崩壊は「検査を拡大し患者が医療機関に殺到したから起こった」という説が日本で広がっている。しかし、それは全く逆である。検査を拡充せずに国内蔓延に対して早期に対応できなかったために、医療体制の整備が間に合わなかったことこそが原因である。
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クラスター対策が有効なのは流行初期であり、ある程度国内で流行してしまったら、さまざまなルートで感染は拡大し、その効果はかぎられてしまう。
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日本の専門家会議のメンバーは「検査を抑えていることが日本が踏み止まっていることに繋がる」と発言しているが、国際的な論調は全く逆である。感染状況を把握できなければ、何をすべきか、そして、どの介入が効果があったのかを知ることはできない。日本でも同様の大規模な抗体検査を早急に実施することが必要だ。
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十分な集団免疫をもたないかぎり、新型コロナウイルスが終息することはない。十分な集団免疫を獲得するには、ワクチンあるいは自然感染で人口の70%程度が感染して抗体をもつ必要がある。ワクチンは既にいくつかのものが臨床試験へと進んでいるが、実用化には最低でも一年以上かかると考えられる。また、アフリカなどの開発途上国への蔓延の可能性、そして、自然感染による集団免疫の獲得にも数年かかると考えられるために、新型コロナウイルスの終息にはかなりの時間がかかるであろう。
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世界の主な国では、保健医療が開発や国家成長の重要戦略であるのみならず、外交安全保障戦略の主な対象となっている。こうした観点はわが国の保健医療界ではあまりないものである。筆者も2014年に「日本版CDCの設立を」と題したコメントを発表した。
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日本の役所は「想定内の調整」は完璧にこなすが、想定外の事態には対応できない。米国CDCはまさに軍隊的組織形態になっており、幹部は制服を着ている。日本には感染症研究所があるという議論があるが、研究所では国を守ることはできない。感染研スタッフの大半は基礎研究者であり、CDCのように健康危機対応のためのインテリジェンスや感染制御を担当するスタッフはほとんどいない。
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日本版CDCが機能するためには、三つの条件がある。まず、自己完結した軍隊的組織であること。次に、ガバナンス的に独立したプロ集団であり、科学が政治に左右されることなく提言ができること。そして、インテリジェンスとロジスティックスにおいて圧倒的なリソースをもつこと、である。この三つを満たす組織は、日本には存在しない。
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筆者が一番恐れることは、厚労省の付属機関になり、役人の天下り組織になってしまうことである。組織で肝心なことはハコではなく、人である。
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政治と科学の分離も必要であろう。米国CDCは保健福祉省に属しているが、科学的提案のための意思決定は独立している。
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英国の首相会見では、右に医務技監、左に首席科学顧問を並べて、記者からの厳しい質問にも真摯に答える。科学を尊重する姿勢と想定外の質問に丁寧に答える姿勢が、国民への安心感を与えている。
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パンデミックには国際的協調が欠かせない。
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なぜならば、グローバル化した世界ではウイルスから逃れることはできないからだ。一国が封じ込めに成功しても他の国が封じ込めに失敗したら、いつ何時、感染の再流行をもたらすかわからない。また、ワクチンや治療薬の開発はすべての国に裨益する。
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各国がエゴ丸出しの施策をし続けることは得策ではない。『ネイチャー』誌によると世界のリーダーと科学アドバイザーがいまやるべきことは、①WHOのアドバイスに従うこと、②エビデンスの論文化とオープンな研究を推進すること、そして、③国際協調、の三つだ。いまこそ、この基本を各国のリーダーたちは思い出してほしい。
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「日本は抑え込めた」「日本は大丈夫」という根拠の無い安心感がもっとも危険だ。
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日本に求められる感染症対策「司令塔」 =米国はCDCとカリスマ所長が主導= リコー経済社会研究所 2020年04月15日
- 米疾病対策センター(CDC、本部ジョージア州アトランタ)は、米保健福祉省の下部組織。有事が起こると、24時間・365日情報収集に当たり発信を続け、感染拡大の防止策まで立案する。まさに「司令塔」を務める。
- CDCの力の源泉は豊富な財力と人材だ。年間予算は約8000億円を誇り、世界54カ国に職員約1万4000人を抱える。一方、よく引き合いに出される日本の国立感染症研究所は2020年度当初予算で62億5600万円、研究者は306人。段違いなのは一目瞭然だろう。
- そのCDCさえも米国内の新型ウイルス感染爆発を防止できず、死者が世界最大を記録するなど苦戦を強いられている。そんな状況を一変させたのが、国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長(79)である。NIAIDはCDCと同じく保健福祉省が所管する国立衛生研究所(NIH)の一部門。ファウチ氏は1984年にNIAID所長に就任。以来36年間にわたり、感染症対策の第一人者としてレーガン氏からトランプ氏まで6人の大統領に仕え、エイズウイルスやエボラ出血熱などの感染症対策で助言してきた。今回も、楽観論を振りまいたトランプ氏とは対照的に、科学的データに基づいて事態の深刻さを淡々と伝える語り口が信頼を集め、多くの国民が耳を傾けるようになった。
- 事前審査なしの現金給付を - ただし、所得連動課税条件付きに 独立行政法人経済産業研究所 2020年4月14日掲載
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1世帯30万円という前例のない大きな金額で現金給付が行われることは評価したいが、問題はスピードである。また、コロナとの闘いが年単位で続くと予想されている中で、30万円を1回給付するだけでは、収入を失った家計の生活再建は難しいだろう。
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本稿での提案は、「所得連動課税条件付きの現金給付」と呼ぼう。自己申告だけで、生活困難に陥った人に毎月生活資金として15万円ずつ1年間、総額180万円の現金を給付する(もし1000万人が給付を受けるとすると、18兆円の支出になるが、財源は赤字国債の発行で調達する)。事前の審査はなく、受給申請者は、自分の名前とマイナンバーカードを自己申告するだけで、無審査無担保で給付を受けられるようにする。そして、3年後の2024年4月から所得税に上乗せして追加課税するかたちで、給付金を実質的に回収することとする。
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現金給付をマイナンバーと連動させることで、追加課税は容易に実施できるはずである。一定の所得以下の人には追加課税はゼロとし、それ以上の所得のある人には追加課税の税率を累進的に上げる。税率を適切に設定することにより、給付した現金を20年程度で回収できるように設計できる。
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所得連動型ローンまたは「所得連動課税条件付きの現金給付」という方法は、
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給付の手続きの簡便性と迅速性
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返済額が所得に連動することで給付の公正性が確保されること
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財政の負担の少なさ、すなわち、国民負担の少なさ
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景気変動に対する自動安定化の効果(オートマティックスタビライザー)
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など、いくつもの利点がある。
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コラム 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight 休業補償の問題をどう決着させるか 野村総合研究所 2020年4月14日
- 国の補償とは、適法な行為によって生じた損害を補填するものである。そうであれば、「補償」という言葉を使わないことによって、事実上、政府が休業補償に近いものを実施するハードルを、下げることができるのではないか。
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政府は追加の補正予算で早急に臨時交付金を増額し、7都道府県で休業要請を受け入れた企業に対して、「協力金」等の名目で現金を支給することを検討すべきではないか。
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具体的な枠組みは、統一の基準とせずに、地域の特性を熟知する都道府県に任せても良いだろう。
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コロナ禍を乗り切る長い旅、目の前の一歩に専念せよ 封鎖は必要だが短期でなければならない――マーティン・ウルフ 2020.4.9(木)Financial Times
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平常を取り戻すには、少なくとも治療薬かワクチンの誕生を待たなければならない。経済的、社会的なダメージは、それ以上長く続くだろう。そのコストは不平等に分担される。
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「一日の労苦は一日にして足れり」で、将来を心配すべきではない。戦時と同じく、生きる価値のある未来を迎えるには、人は現在を生き延びなければならない。
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働くことができないのであれば、すべての人に基本的な経済保障を与えることが肝要だ。一時的な「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI、全国民向けの最低生活保障)」が明白な選択肢になるだろう。
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コロナ危機のような非常事態は、支配力を強めるために独裁者予備軍によって利用される。同時に、ある程度の自由は一時的にあきらめざるを得ない。このような辛いトレードオフをうまく管理できるかどうかは、市民からの厚い信頼と政府の信用性にかかっている。
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本庶佑有特別教授(京都大学大学院医療研究科 免疫ゲノム医学)
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新型コロナに対する緊急提言2 2020年04月16日
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感染症は緊急事態宣言による外出自粛でもゼロにはならない
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大切なのは免疫不全による重症化を防ぎ死者を出さない治療法の早期確立
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国は緊急研究費100億円を投入し、全国の研究者が一丸となって状態解明と治療薬開発の研究を支給開始すべき
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新型コロナに対する緊急提言 2020年04月06日
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1.感染者を検出するPCRを毎日1万人以上に急速に増やす
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2.東京圏、大阪圏、名古屋圏の1ヶ月の完全外出自粛により満員電車での通勤をやめる
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3.治療法として外国で有効性が示されているものを実地導入する 野戦病院での戦いであることを自覚
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科学的事実を直視 (重視) せず直近の経済的損失を恐れて対策を後に延ばした指導者はすべて失敗した
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科学の価値は経済利益を生み出すことだけではない 命・社会・国家を守る基本
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提言1 自分を、周囲の大切な人を、そして社会を守る行動を、自らとろう
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提言2 感染者受入れ体制を整備し、医療従事者を守ろう
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提言3 検査体制の強化
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提言4 国民への長期戦への協力要請と適切な補償
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提言5 ワクチンと治療薬の開発に集中投資を
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2020年3月31日におこなった「5つの提言」
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提言1 今すぐ強力な対策を開始する
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提言2 感染者の症状に応じた受入れ体制の整備
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提言3 検査体制の強化(提言2の実行が前提)
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提言4 国民への協力要請と適切な補償
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提言5 ワクチンと治療薬の開発に集中投資
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「コロナは貧しい人から犠牲に」ハーバード大教授が不都合な真実を警告 イチロー・カワチ・米ハーバード大学公衆衛生大学院教授(社会疫学)インタビュー DIAMOND online 2020.4.5 5:45
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同氏は「社会的弱者から犠牲になる。彼らへの支援策こそが、新型コロナ対策の肝だ」と訴えている。
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パンデミックの出口を考えよう 加藤秀樹 | 構想日本 代表4/2(木) 15:00
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(1)日本政府は昔から出口戦略が不得意である。
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第二次世界大戦、福島原発事故、アベノミクス、共通するのは最終目標ではなく目の前のことを目標にして、後追い的にそのための策や資源を小出しにする(逐次投入)ことを繰り返すこと。
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今回のことに関して、日本政府や東京都の今回の対応はやはり後追いの逐次投入的に見えてしまう。
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(2)感染拡大防止のため国民の行動が極度に抑えられ、経済的に余裕のない個人、企業、団体ほど早々に「食べていけなく」なる。
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(2)の観点からは、この逐次投入的対応は最悪だ。
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日本は、感染を拡げないことを目的にして、そのための自粛要請を次々と出している。これでは終わりが見えなくて不安になる。
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(3)パンデミックはいずれ終息するとして、その時「元に戻ってよかった」で終わらせてはいけない。
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私たちの生活や社会の「断捨離」であり、SDGsに近づくことだ。
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今回のことを経済成長頼みの幻想を捨て、豊かな成熟社会への転換の大きなきっかけにすべきだし、きっとなると思う。
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(4)さらに、パンデミックという大ピンチだからこそ、身につく知恵もある。政治家にすべてを委ねるのではなく、みんなのことを「自分ごと化」して私たち自身の「政治能力」をアップしたい。
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政策を見る眼 No.90 < 2020. 3. 31> 新型コロナウイルス感染拡大と基本構想・総合計画 宮脇 淳 北海道大学大学院法学研究科・公共政策大学院教授 図書館総合研究所
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新型コロナウイルスの感染拡大は、政治に対して新たな課題を投げかけている。それは、単にリスクマネジメントの重要性を問いかけるだけではなく、地域とそこで求められる住民間・官民間の新たなネットワークのあり方、具体的には、第 1 に自助・共助・公助の新たな姿、第 2 に復旧・復興の新たな姿を政治に問いかけるものであり、その具体的実現に向けた基本構想・総合計画など自治体経営の指針が求められているのである。
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第 1 の点は、地方自治の基本である自助・共助・公助の再構築である。新型コロナウイルスの感染拡大、地域社会に対して都市封鎖や人と人との接触制限、在宅要請など共助の姿を支える構図を強く制約する結果をもたらしている。平時のコミュニティの姿が危機時の地域のセーフティネットとして必ずしも十分には機能しない構図が生じているのである。
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第 2 の点は、復旧・復興という概念の再構築である。いま問われているのは、復旧・復興の前提となる経済社会の仕組み自体をどのように再形成するかである。なぜならば、観光や物流等も含めた内外両面でのグローバル化の流れ、自然環境問題、世界的圏域化の流れを再構築し、今後めざすべき経済社会システムのあり方として議論していく必要が生じているからである。従来の枠組みの中での再構築ではなく、従来の経済社会システム自体の強靭化が地域においても求められているのである。
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以上の点は、地方自治体が取り組んでいる基本構想・総合計画の策定や見直しにも密接に関係する。それは、自然災害に対して強靭な国家、強靭な地域とは何かを改めて問いかけることであり、この点は地域社会の今後のあり方をも大きく左右するからである。
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「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年3月19日) 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議
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専門家会議としては、現時点では、社会・経済機能への影響を最小限としながら、感染拡大防止の効果を最大限にするという、これまでの方針を続けていく必要があると考えています。そのため、「①クラスター(患者集団)の早期発見・早期対応」、「②患者の早期診断・重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保」、「③市民の行動変容」という3本柱の基本戦略は、さらに維持、必要に応じて強化し、速やかに行わなければならないと考えています。
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市民や事業者の皆様に、最も感染拡大のリスクを高める環境(①換気の悪い密閉空間、②人が密集している、③近距離での会話や発声が行われる、という 3つの条件が同時に重なった場)での行動を十分抑制していただくことが重要です。
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関連:窓を開けて世界を救おう!新型コロナウイルス集団感染を防ぐシンプルな方法 榎木英介病理専門医&科学・医療ジャーナリスト 2020/3/24(火) 12:32
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新型コロナで日本を襲うサプライチェーン危機、中国リスクとは? 細川 昌彦 中部大学特任教授(元・経済産業省中部経済産業局長) 日経ビジネス 2020年2月20日
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効率を追求して集中型の生産体制にするか、分散型にしてリスク管理を重視するかはトレードオフの関係にある。
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米国は日本企業による中国の半導体製造への協力も技術レベル次第では「利敵行為」とみなしてストップをかける可能性も否定できない。こうした“安全保障リスク”も「中国リスク」として認識しておくべきだろう。
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企業は中国におけるあらゆるリスクをもっと精緻に分析しなければならない状況にある。そのリスクによるダメージを最小限におさえ、レジリエンス(復元力)を高めることを今まで以上に重視すべきだろう。
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