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災害・防災 [2024年1月~]

[11月]
  • 令和6年能登半島地震における自治体間の支援体制に関する実態調査 2024/11/01 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
    • ​大規模災害発生時には、被災自治体だけでは物資やマンパワーが不足し、災害対応が進まないケースが多々生じる。そのため、1995年に発生した阪神・淡路大震災以降、全国知事会による相互応援協定等の自治体による支援体制が整備されてきた。2011年に発生した東日本大震災では、広域的な被害が生じたことから、関西広域連合が被災自治体と支援自治体とを割り振り、支援を行う対口(たいこう)支援が行われた。2016年に発生した熊本地震では、関西広域連合や全国知事会、総務省等の連携による対口(たいこう)支援が行われ、近年の災害では自治体による支援の枠組みは一定の整備がなされていると言える。

    • 令和6年能登半島地震の自治体からの支援では応援職員の派遣が多く行われていることが把握できた。

    • 応援職員は主に被害認定や避難所運営など災害対応業務の中で比較的人員が必要となる業務に従事していた。

    • 支援に関して事前に想定していたこととして、「特にない」が約半数であったが、過去の災害対応時の資料の整理や応援に適する人材のリストアップは約3割の自治体が行っていた。

    • 支援における課題として、「組織・人員・体制」が最も多く、被災自治体、応援自治体双方の職員の災害対応スキル不足や人員不足が大きな課題となっている。

    • 「組織・人員・体制」以外では、今回の地震で課題となった道路の寸断などの「インフラ」や断水といった「ライフライン」の課題も見られる。加えて、地理的条件から、「道路寸断による支援の遅れ」や「応援職員の宿泊先の不足」といったことも課題として挙げられている。

  • 令和6年能登半島地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会 中間とりまとめについて 令和6年11月1日 国土交通省

    • ​国土交通省国土技術政策総合研究所(国総研)及び国立研究開発法人建築研究所(建研)により合同開催された令和6年能登半島地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会において、中間とりまとめが行われました。

    • 1.本委員会設置の目的・経緯

    • 2.地震及び地震動の特徴

    • 3.被害状況・被害要因等の分析

      • 木造建築物の年代ごとの被害状況については、新耐震基準導入以前の木造建築物の倒壊・崩壊は19.4%、新耐震基準導入以降では、2000 年の接合部等の基準の明確化以前の木造建築物の倒壊・崩壊は 5.4%、2000 年以降の木造建築物の倒壊・崩壊は 0.7%(608 棟のうち 4 棟)であった(図 2 参5 照)。これらは、平成 28 年(2016 年)熊本地震の際に益城町において実施した悉皆調査の結果と同様の傾向を示している。国総研・建研 RC 調査)

      • 旧耐震基準の鉄筋コンクリート造等建築物については、過去の震災で確認された被害と同様に柱のせん断破壊や柱はり接合部の破壊などの構造部材の被害や、方立壁の破壊などが確認された。

      • 一社)日本免震構造協会が、石川県・富山県・新潟県に存する免・震構造の建築物のうち、建築物管理者等から承諾が得られた 38 棟の被害状況の調査を行った。一部の建築物においてエキスパンションジョイント等の損傷が確認されたが、全ての建築物で構造躯体の損傷は確認されなかった。

    • 4.調査結果を踏まえた総括

[10月]
 
  • 原発事故時「屋内退避」の目安は3日間、生活に必要な一時外出は可能…規制委検討チームが見解 2024/10/18 19:10 東京新聞オンライン
    • 国の原子力災害対策指針では、原発から半径5~30キロ・メートル圏内を「緊急時防護措置準備区域」(UPZ)とし、原発事故時に住民は自宅や避難所に退避すると定めている。ただ継続期間や解除する基準が明記されていないため、外部有識者らによる検討チームが4月に発足した。

    • 原子力発電所の事故時に半径5~30キロ・メートル圏内の住民が行う屋内退避について、原子力規制委員会の検討チームは18日、継続期間の目安を「3日間」とすることや、支援物資の受け取りなどの際には一時外出が可能とする見解を示した。

[9月]
  • 地震襲った能登地方に記録的豪雨、沖合の高い海面水温が極端雨量の要因に 「複合災害」へ備えを 2024.09.27 内城喜貴/科学ジャーナリスト、共同通信客員論説委員  Science Portal
    • 防災関連の63の学会、協会が参加する「防災学術連携体」は23日、「2024年夏(秋)の気象災害・要因と対策」と題したオンラインの「速報会」を実施した。

    • この中で気象学の専門家は、能登半島沖の高い海面水温が水蒸気を増やして極端な雨量をもたらした一要因と指摘。防災や土木工学の専門家は地球温暖化に伴う気候変動が今後も豪雨、水災害を頻発させる恐れがあるとして、能登地方を相次いで襲った地震と時間差がある水災害による「複合災害」だと強調する。

    • 多くの専門家は日本近海の「海洋熱波」と呼ばれる高水温は簡単には下がらず、昨年、今年と続いた猛暑や各地の豪雨傾向は、温暖化が影響して今後も続く可能性が高いとの見方で一致する。全国各地で複合災害も想定した備えが必要だ。

    • 輪島市の記録的豪雨が観測された当時、沖合の海面水温は28度以上あり、平年比より4度も高かったことを明らかにした。雨量は21日から22日午前にかけての24時間で412.0ミリを記録。これは9月の平年雨量の約2倍にも達したという。この高い海面水温が水蒸気量の増加に寄与した可能性が高いと指摘。

    • 2023年までの最近の10年間の「時間雨量50ミリ以上」の大雨の平均年間発生回数は約1300地点あたり約330回で、統計開始初期の1976~1985年の10年間の同226回と比べて約1.5倍に増加したという。

    • また中村氏によると、1日の降水量が300ミリ以上の大雨の最近10年の年間発生回数は1980年代より2倍以上増加し、その要因はやはり温暖化による気温上昇や日本近海の海面水温の長期的な上昇傾向に伴う大気中の水蒸気量の長期的増加にあるという。

    • 土木工学に基づく防災が専門の池内氏は気候変動を踏まえた水災害対策の見直しが必要と強調している。具体的には、河川や下水道、砂防、海岸などの管理者が主体のこれまでの治水対策に加えて河川区域だけでなく氾濫域も含めて一つの流域として捉える「流域治水」の重要性を説いた。

    • 今回、能登地方の豪雨被害により再び避難生活を余儀なくされている人々に対して「避難生活による疲労や体調不良、栄養不足は熱中症のリスクを高くする」と注意を呼びかけた。災害支援の人々にとっても高温、多湿の過酷な環境は危険だという。今後も「いつどこで起きても不思議ではない」地震に加えて猛暑や豪雨のリスクは高まる一方のようだ。

 

 
 
  • 能登半島地震 新たに石川県の16人災害関連死認定を 審査会答申 2024年9月5日 5時46分 NHK
    • ​能登半島地震のあと亡くなった石川県内の16人について、専門家による審査会は災害関連死と認定するよう答申を出しました。県によりますと、このうち1人は自殺した人で、能登半島地震で災害関連死と認定するよう答申されたのは初めてです。

    • 前回答申された21人も含めて、市や町から正式に認定されれば、災害関連死の人数は新潟県の2人を含めて149人となり、直接死もあわせた能登半島地震の死者の数は376人となる見通しです。4人が不認定となりました。

    • 石川県内の自治体にはさらに180人ほどについて遺族から申請が出されていて、審査が進むと、能登半島地震の死者が今後も増える可能性があります。

【8月】

 

  • 南海トラフ臨時情報の疑わしさ…地震学者が語る「科学的にあまり意味はない」とデータごちゃまぜの内実 2024年8月15日 16時30分 東京新聞
    • 「不確実な情報を防災に生かす」として議論が重ねられた臨時情報。社会に大きな影響を与える情報にもかかわらず、それを支える根拠があまりにも薄弱なことから、2019年に運用が始まってからも、専門家からは同様の疑問の声が上がっていた。

    • 科学的にどこがおかしいのか。名古屋大の鷺谷威教授(さぎや・たけし、地殻変動学)に聞くと、臨時情報の根拠となっている統計がそもそも問題だという。「内閣府が検討のために寄せ集めたデータ。学術的意義はほぼない」
      臨時情報は政府が情報を出すだけの立場で、対策を講じたことによって実際に生じるコストや損失は自治体、企業、個人が責任を負う。「科学に基づいた確度の高い情報ではない」ということもセットで伝えることは、それぞれの主体が的確な判断をする上で不可欠だ。

 
 
  • ​「絶望です」避難所でついに死亡者も 弁当は1日1食のみ、住民の直訴を市長が遮り…能登半島震災から約7カ月、現地が明かす行政の怠慢 2024.08.03 17:35 最終更新日:2024.08.03 17:35 Smart FLASH
    • ​珠洲市で被災した40代男性は、肩を落としながら現状を語る。

      • 「珠洲市では、在宅の方はいまだに水道も通っていないお宅が大半です。中には電気すら通っていないお宅もあります。私の自宅も両方通せておらず、家で過ごすのが危険なほど暑い日や、炊き出しのボランティアをするときは、避難所に泊まる日もあります。

      • 避難所に設置されたダンボールで仕切られた空間に、ダンボールで作られた即席ベッドがありますが、枕の感覚は全くなく、畳で寝た方が柔らかいレベルです。たった数日でも辛くて涙が出そうになります」

      • 問題なのは、仮設住宅への申請というのは、1世帯1回限りということです。仮に広い仮設住宅が空いたとしても、もうその家庭は申請する権利を失っているので入ることができない。残された家族は、“全壊判定”を受けた自宅で今も生活しています。

      • 行政からは、未炊飯の米しか届かず、この状況を知った民間の方が食材を支援してくださり、被災者同士が無休で数十名分の炊き出しをおこなっている状態です」

      • さらに、配給されるお弁当は原則として、避難所限定だと言う。

 
【7月】
  • 【「令和6年能登半島地震からの復興」レポート vol.2】「地域ブランド」としての輪島塗の確立を ~「輪島塗再興会社」設立の提案~ 2024年7月 日本政策投資銀行
    • 本稿では、輪島塗の再興に向けて、豊富な地域資源を「地域ブランド」に育て上げ、稼ぐ力の源泉とするための方策を提示する。

    • 「地域ブランド」とは、商品・サービスのブランドと地域そのもののブランドの相乗効果によって経済の好循環が創出されている状態である。「地域ブランド」の構築のためには、「潜在力」、「企画力」、「組織力」、「販売力」の 4 要素が必要である。特に、地域認証や認定基準などにより地域としての品質を保つ仕組みとして、「組織力」が重要である。「今治タオル」では、独自の品質基準が消費者の期待を想起し、地域の知名度と相俟って市場の認知を高め、期待に応えることで付加価値が向上し、リピーターの獲得にもつながっている。

    • 「地域ブランド」の根源である地域の資源や特徴の代表の一つに「伝統工芸」がある。国が指定する「伝統的工芸品」の市場は減少傾向にあるが、国の要件を満たさないが伝統的技法を用いる「伝統工芸品」やより広義の「工芸品」の市場は、新たな商品開発や海外展開などで拡大している。また、今後さらなる伸びが期待される観光産業との相乗効果を生み出している。「伝統的工芸品」の存在及びそのブランドは伝統工芸業界全体のインフラであり、地域一体となって「伝統的工芸品」の維持・活性化に取り組む必要がある。

    • 輪島塗の生産額は「伝統的工芸品」と同様に減少し続けてきた。その中で、年初の地震により 8 割超の事業者が被害を受け、現在、仮設工房設置など復旧復興に向けた取り組みが進められている。輪島塗が産業として持続可能な市場規模は 50 億円と試算され、高付加価値な市場を新たに創出する必要がある。

    • 輪島塗の産業としての復興・再興に向けて「地域ブランド」を構築するためには、輪島塗の工房見学や IC タグ利用による「①工程の見える化」、輪島塗従事者全員での消費者ニーズの共有による「②垂直統合の推進」、これらを進めていくための「③幅広いステークホルダーによる推進主体の創設」の3点が必要と考える。

    • 推進主体として、輪島塗の原材料から仕掛品、完成品までを垂直に管理し、高付加価値販売を実現する「輪島塗再興会社」設立を提案する。輪島塗関係者が一丸となり、地域内外の知見/人材/“志”金を活かし、新たな市場を獲得することで、輪島塗を持続可能な産業として再興する契機となりうるのではないか。

 
  • 災害時のドローン活用に向けて ~能登半島地震と大分県の事例から~ 2024.07.31 SOMPOインスティチュート
    • 応急対策の各段階と、ドローンの用途から考えられる災害時の活用をまとめた図表

    • 能登半島地震時の時系列の緊急用務空域の指定とドローンの活動状況図表

    • ドローンの運用を飛行経路の確認等の準備段階と実際の運航の二段階に分け、それぞれについて平常時と災害時の違いを確認する図表

    • 災害時のドローン活用に向けた準備の流れ

    • 災害時のドローンの活用に向けては、事前に地域のドローン資源を把握し、災害協定等を締結して訓練を実施しておくことが重要となる。発災後は、ヘリコプターと行政のドローン、民間のドローンの飛行空域・時間や役割を調整し、効率的かつ安全に運航することが求められる。今後、地域防災計画等を通じて体制づくりが進むことが期待されるとともに、運航管理技術等の開発や、連絡調整の在り方の議論をさらに進める必要があるだろう。

 
  • 阪神・淡路被災地、震災石綿禍の発症本格化か 阪神間の男性、労災認定6人目 潜伏30年超、被害拡大の恐れ 2024/7/22 05:30 神戸新聞
    • 1995年1月の阪神・淡路大震災の直後、瓦礫(がれき)撤去などの業務に携わった阪神間在住の男性(67)が、当時吸ったアスベスト(石綿)が原因で悪性胸膜中皮腫を発症したとして、神戸西労働基準監督署が労災認定していたことが21日、分かった。阪神・淡路の建物解体や復旧作業に携わった人で、労災や公務災害に認定された人は6人目。中皮腫の発症には石綿を吸い込んでから平均30~40年かかるとされ、被災地でこれから発症が本格化する恐れがある。

    • 今年1月の能登半島地震でも民家やビルが倒壊。男性は「解体が進む中で、また同じことが繰り返されないか」と懸念する。ひょうご労働安全衛生センター(神戸市中央区)の西山和宏事務局長は「行政は災害時の石綿問題に真剣に向き合ってほしい」としている。

 
  • 「令和6年能登半島地震を踏まえた港湾の防災・減災対策のあり方」をとりまとめ ~交通政策審議会の答申を公表~ 令和6年7月8日 国土交通省
    • 【答申に示された「今後の大規模災害リスク等を見据えて取り組むべき施策」のポイント】
      (1)施策推進にあたっての基本的な考え方
         ・既存ストックや他機関・民間のリソースも活用しながら、ハード・ソフトの施策を推進
      (2)ハード面の施策
         ・海上支援ネットワーク形成のための防災拠点(地域防災拠点・広域防災拠点)
         ・施設の耐津波性の確保
         ・迅速な施設復旧に向けた体制の構築
         ・幹線物流の維持
      (3)ソフト面の施策
         ・港湾BCP・広域港湾BCPの実効性向上
         ・災害発生時の点検・利用可否判断の迅速化・的確化
         ・関係機関・民間との連携体制の強化
         ・情報共有ツールの推進・高度化によるソフト面の各施策の更なる円滑化

 
  • 「このままでは見殺しだ」能登地震から半年、無策で進まない復興と被災地の現実 2024/07/06 ビジネス+IT
    • ​半年たった今なお、輪島市では、給水活動や支援物資の配布、入浴支援などが行われている。「復興」どころか「復旧」すら進まず、いわば“ほったらかし”の被災地。高齢化が急激に進む一方で、若者は仕事を求めて外へ出て行ってしまう。

    • 2024年6月21日現在、輪島市では22の避難所に、441人の避難者が生活している(被災地全体では1143人に加え、2次避難の県避難所に1291人の避難者がいる)。

    • 遅々として輪島の復旧・復興が進まないのは、県庁の責任ではあるが、それを放置する官邸にも責任がある。

 
  • 能登半島地震 携帯不通の原因 “通信ケーブル切断”が6割近く 2024年7月2日 18時47分 NHK
    • 能登半島の6つの市町のサービスエリアのうち

      • ▽KDDIは1月3日に※最大54%で

      • ▽NTTドコモは1月4日に最大70%で

      • ▽ソフトバンクは1月3日に最大45%で

      • ▽楽天モバイルは1月3日に最大38%で

      • 携帯電話が使えない状態になったということです。

    • 総務省が基地局ごとの原因をまとめたところ、外部からの電気の供給や非常用電源が止まる停電が起きたケースが68.5%、土砂崩れなどにより通信ケーブルが切断されたケースが57.8%にのぼり、停電が主な原因だった東日本大震災や熊本地震と比べて、通信ケーブルの切断による割合が大きかったことがわかりました。

    • 携帯電話やインターネット回線が復旧するまでのあいだ、能登半島各地の避難所などで通信手段の確保に活用されたのが、アメリカの企業が手がける衛星通信サービス「スターリンク」です。

    • 民間企業と国から、利用に必要なアンテナなどの機器あわせて600台以上が貸し出されました。ただ、使い方がよくわかっていなくてもったいないと思うこともあったので、事前に訓練して資格を持つ人が、設定やチェックに回るような仕組みも必要。

      • 無線の資格を持つ人や通信技術に詳しい人に事前に訓練を受けてもらったうえで、災害時に避難所の通信環境の確保や、通信インフラの被災情報の収集にあたってもらうということです。

      • 国が自治体や通信事業者などと連携して、全国の地域ブロックごとに「情報通信災害対応計画」を策定し、その計画に基づいて必要な機器を整備するとしています。

​[6月]
 
  • 【奥能登現地ルポ】復旧したくてもできない…圧倒的な労働力不足が映し出す日本の近未来 2024年6月20日 Wedge ONLINE
    • 建物の解体・撤去を公費でやるにしても、申請を受け付ける自治体職員が足りず事務作業が進まない、実務を担う解体業者も不足しており、作業ができないケースもある。事実、5月31日時点で奥能登の4市町の全申請数のうち、解体・撤去が完了しているのはわずか2.6%だ。

    • 「東日本大震災の時と違い、今回は労働市場に全く働き手がいないという新たな課題に直面しています」と菅野さんは言う。その意味で、奥能登は日本の近未来を映し出しているのかもしれない。

    • 建物の解体・撤去を公費でやるにしても、申請を受け付ける自治体職員が足りず事務作業が進まない、実務を担う解体業者も不足しており、作業ができないケースもある。事実、5月31日時点で奥能登の4市町の全申請数のうち、解体・撤去が完了しているのはわずか2.6%だ。

    • 「東日本大震災の時と違い、今回は労働市場に全く働き手がいないという新たな課題に直面しています」と菅野さんは言う。その意味で、奥能登は日本の近未来を映し出しているのかもしれない。

 
 
 
  • 全都道府県、孤立集落対策を再考 能登教訓、1.8万カ所 2024/06/08 共同通信
    • 能登半島地震直後、道路の寸断などで被災地支援が滞ったことを受け、47都道府県全てが災害時に孤立が予想される集落への対策の見直しを検討していることが8日、共同通信の調査で分かった。検討内容は飲料水や食料などの備蓄強化、ドローンによる物資輸送や孤立状況把握、衛星インターネットを活用した通信確保が目立った。都道府県が把握している集落数は計約1万8700で、対策への国の関与強化を求める声が上がった。

      • 14年の内閣府調査で孤立可能性があるとされたのは1万9145集落だった。

 
  • 「能登半島地震からの産業復興・再生ビジョン ~2035年を見据えた能登地域の創造的な復興に向けて~」2024/06/05 北陸経済連合会
    • ​ビジョン:復興の柱となる産業とポイント

      • (1)価値化による稼ぐ観光地「能登」の実現(観光資源のブランド化)

      • (2)高付加価値産業が育つ「能登」の実現(技術や産業の高付加価値化)

      • (3)脱炭素を起点とした新しい「能登」の実現(ポテンシャルを活かした新しい成長軸での地域づくり)

    • ウェルビーイングとの好循環(ありたい姿)

      • ビジョンの実現に関わるすべての人々が、社会貢献や自己実現の達成によりウェルビーイングを実感する地域となることで、創造的復興とウェルビーイングの好循環が生まれる地域を目指す

    • 能登一体の視点 

      • 一定の機能集約やネットワーク化は、能登に集積する豊富な人材・産業・地域資源の「創造的な結合」の土壌となり、産業成長の強みにも繋がる

 
  • 農機具失った農家が米作りを断念、4市町の作付け面積6割程度か…能登半島地震5か月 2024/06/02 11:27 読売新聞オンライン
    • ​石川県の奥能登地域で、自宅や農機具を失った農家が米作りを断念するケースが相次いでいる。高齢などを理由に農地の管理を委託された農業法人も被災し、珠洲、輪島、能登、穴水の4市町で水稲の作付面積は前年の6割程度にとどまる見通し。離農や農地の荒廃につながる懸念もある。

    • 宮城大の森田明教授(農業経済学)は「高齢農家が何とか維持してきた農業構造が災害で崩れると、自力復興は難しく意欲も失われる。速やかなインフラ支援と並行し、将来の目標設定が必要だ」と指摘する。

    • これまでに4市町で確認されている農地や農業施設の被害は、少なくとも計3400か所以上で被害額は277億円超。馳浩知事は復興策に情報技術を活用した効率化、農地の集約化を見据える。

  • 能登半島地震発生から5か月 災害関連死や孤立を防ぐ対策が課題 2024年6月1日 5時46分 NHK
    • ​元日に発生した能登半島地震で、石川県ではこれまでに260人の死亡が確認され、3人が行方不明となっています。

    • 260人のうち30人は、被災後の避難生活によるストレスや疲労などを原因とする災害関連死で、認定される被災者は今後の審査でさらに増えるとみられます。

    • 被災地では今も3,319人(石川県調べ)が避難所での生活を余儀なくされ、安心して暮らせる住まいへの入居を待っています。

​[5月]
 
 
  • 30人を災害関連死と認定 県などが初の審査会―能登地震 2024年05月14日19時16分 時事通信 
    • 関連死について政府は「災害による負傷の悪化、または避難生活などにおける身体的負担による疾病」での死亡と定義している。

    • 能登半島地震の災害関連死を認定する初の審査会が14日、石川県と関係市町の合同で開かれ、30人を関連死と認定した。100人超の遺族が申請しており、同地震の死者は現在の245人から大幅に増える可能性がある。

    • 自治体の正式決定を経て、遺族には500万円(非生計維持者の場合は250万円)の災害弔慰金が支給される。

 
 
  • 「令和6年能登半島地震」関連破たん状況 2024/05/09 東京商工リサーチ
    • 地震発生から4カ月が経過した。これまでに判明した「能登半島地震」の影響による破たん(倒産1件、破たん3件)は、全国で4件だった。県別では、石川県3件、富山県1件。

    • 今回の「能登半島地震」では、東日本大震災時の不渡報告への掲載猶予や裁判所の債権者からの破産申立への開始決定の猶予など、過去の震災で破たん抑制に効果のあった対応策がとられたことも寄与しているとみられる。さらに、コロナ禍で劇的な効果をみせた「ゼロゼロ融資」などの支援策で企業の手元流動性が高い状態にあることも寄与したようだ。

    • 業種的にも倒産の数字だけでは深刻な被害実態が見え難い構図になっている。地域の振興のためにも、資金支援にとどまらず、将来の展望を描きながら高いモチベーションを維持できる包括的な支援策の実行が急がれる。

 
 
  • 能登半島を襲った2つの地震と来る地震への課題 金沢工業大学工学部准教授 高原利幸 第570号(2024.05.07発行) 海洋政策研究所
    • 土木工学的な観点からすると、令和6年能登半島地震では震源断層付近では自然斜面の崩壊が多発しているものの、多くの道路盛土の崩壊が救援活動に大きな支障をきたしたほか、震源から120km離れた金沢市などでも宅地盛土や埋土の崩壊、液状化による被害が見られた。

      • 継続時間の長さから、盛土と地山の境目に溜まっていたと思われる水による液状化(に近い)現象により、摩擦力を失った盛土部分が地山の傾斜に沿って崩壊したものと考えられる。金沢以南の盛土、埋土での被害は、多くの造成地を抱える太平洋側ではより深刻な事態につながる可能性があることを示唆している。

    • 公共事業として下水網事業が推進されてきたが、少し前の簡易浄化槽であれば個別復旧も可能であり、改めて災害対応力を含めたまちづくりが求められる

  • 高機能コンテナ、能登で活躍 トイレ完備、発電・浄水も―防災活用、道の駅に設置 2024年05月06日07時36分 時事通信
    • 1月12日に道の駅「あなみず」(石川県穴水町)に設置されたコンテナトイレは、微生物による浄化処理機能と太陽光発電を備える。一度の給水で1000回以上循環利用できる自己処理型

    • 穴水町にあったコンテナはもともと、道の駅「うきは」(福岡県うきは市)の増設トイレとして稼働していた。

    • 国交省によると、地震後約2カ月で石川県には民間や自治体からコンテナ44個が送られ、トイレやシャワー、診療所に活用された。コインランドリーや仮設住宅として使われている例もある。

[4月]
  • 能登地震、ボランティア7万人超 発生4カ月、要望把握が難航も 2024/04/30 KYODO
    • 石川県は今回の地震で、交通事情が悪いことを理由に個人での被災地入りを控えるよう呼びかけた。ボランティアは県が受け付け、4月23日までに延べ2万2203人を派遣。市町が受け付けた延べ4万8718人も活動し、被災地に入ったボランティアは計7万921人に上る。

    • 自治体が所有者に代わって損壊家屋を解体する「公費解体」の申請前には、被災者自身が家屋内の家財を運び出す必要があり、ボランティアに頼むケースも多い。

 
 
  調査と情報―ISSUE BRIEF― 第1276号 No.1276(2024.4.25) 国立国会図書館 
 
 
 
  • 自衛隊災害派遣、「阪神」超え=過去2番目、異例の長期化―水道被害大きく・能登地震 2024/04/12 リスク対策.com
    • ​能登半島地震に伴う自衛隊の災害派遣期間が11日で阪神大震災(101日間)を超え、東日本大震災(174日間)に次いで過去2番目となった。水道の復旧が進まず、給水や入浴の需要が根強いことが主な要因。

    • 元日の発生後、自衛隊は延べ約91万人の隊員を投入。不明者捜索やがれき撤去は既に終了し、現在は約1600人が給水・給食支援や、石川県内4市町に10カ所ある風呂の運営に当たっている。

    • 能登地震では現在も6000人超が避難生活を送り、各地で断水が続く。風呂の利用者は延べ約40万人に上り、今も毎日約2000人が訪れる。県の担当者は「断水被害は過去最悪規模で、当面風呂は自衛隊に頼るしかない」と話す。

    • 吉田統幕長は「こうした支援は被災地域が狭かったから続けられた面もある」。南海トラフ地震などを念頭に「極めて広い地域で被害が起きれば、支援密度は低下し、各自治体が自衛隊を活用できる範囲は小さくなる。自立してやる部分を増やさないと同じようにはいかない」。

  • 石川 馳知事 国の財政制度等審議会の提言に不快感示す 2024年4月11日 18時48分 NHK
    • 能登半島地震からの復旧・復興をめぐり、財務大臣の諮問機関が9日、住民の意向を踏まえつつ集約的なまちづくりを検討すべきだと提言したことについて、石川県の馳知事は「復興のプランを検討している時に最初から『上から目線』でものを言われているようで、大変気分が悪い」などと述べ、不快感を示しました。

 
  • 能登半島地震の特徴と原因は?最大震度7の揺れと津波(随時更新) 2024.04.01 NHK
    • 石川県で初の震度7

    • 揺れ」 “阪神・淡路大震災の地震に匹敵”

    • 建物被害・火災」 相次ぐ揺れで耐震性低下か

    • 断層の動き」 “150キロの活断層ずれ動いたか”

    • 津波」 珠洲市や能登町で4m超に達したか

    • 地盤変動」 能登半島の陸域広がる 4メートルの隆起確認

    • 土砂災害」“警戒区域”で被害相次ぐ 盛土の崩落も

    • 液状化・河道閉塞」

    • 地震の原因」 “地下に流体流れ込んだことが原因の一つ”

    • 今後の地震活動」

    • 活断層のリスク評価」

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  • 難航した救援 能登地震発生から2カ月、自衛隊が果たした役割は――派遣を担当する参事官が明かす 3/3(日) 15:36 Yahoo!ニュース オリジナル
    • 防衛省統合幕僚監部の田中登参事官「過去の大災害のときと比べても、能登半島地震はものすごく素早い対処ができたと感じています」

    • 「『逐次投入だ』という批判もありましたが、それは違います。投入すべき人員、装備品はこれまでになく早く入ることができました。発生翌日から陸海空自衛隊による統合任務部隊を約1万人の態勢で編成し、初動は約1000人を投入しました。そこから約2000人、約4000人、約5000人、そして最大で約7000人。現地の状況を把握しつつ適切に現地部隊を連続増強して対処しました。能登半島という狭小なエリアに、発災翌日には1000人、その翌日には2000人が入っている状態を想像していただきたいです」

    • 「能登半島先端部に甚大な被害が及ぼされ、道路がほとんど寸断されてしまったことで陸路でのアクセスは非常に困難でした。能登半島には空路の拠点として『のと里山空港』がありますが、滑走路にひびが入って段差が発生するなどして飛行機も使える状況になかった。また、能登には輪島港や珠洲市の飯田港もありますが、港付近の海底が断層のずれで盛り上がってしまい、船も近づけませんでした」

    • 「自衛隊は発災当初から『ヘリコプターを集中的に使っていく』というオペレーションを考えました。それと並行して、道路啓開し、車が通れるようにする作業にも注力しました。

    • 能登半島付近の洋上では、輸送艦を海上基地として活用する「シーベーシング」を行い、ヘリコプターの拠点にもした。

    • 陸上自衛隊は、国交省等とも連携して発災翌日から3日未明にかけて輪島市内に通じる県道1号の土砂等を除去し、開通させた。一方、海上自衛隊は1月4日に海岸から重機を上陸させた。海岸には非常に狭いものの砂浜があったため、そこからエアクッション艇により陸上自衛隊の重機を上陸させ、内側からも道路啓開を進めた。1月10日早朝には珠洲市に通じる県道6号の通行も可能にするなど、国交省等と連携し、そこからくしの歯状に復旧を進めていき、主要な幹線道路の通行を確保していった。

    • 発災当初の1月8日までに救助した約480人のうち、約64%は空路によるものだった。2016年熊本地震のときには救助した約1280人のうち空路は約7%。比較すると、能登での救助活動が特殊な状況にあったことがわかる。
      今回、人命救助をはじめ、道路啓開や生活支援など、迅速に対応することができたのは、事前に相応の訓練や想定を重ねていたからだという。

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  • 南海トラフ巨大地震、国内半導体工場の想定震度を可視化してみた 大下 淳一 日経クロステック/日経エレクトロニクス 2024.01.31 日系XTECH
     
  • 「理解不能」馳浩・石川県知事の“2週間待機”災害対応に「3・11」を指揮した2人が怒り「自衛隊との連携に疑問」 2024.01.31 06:00 Smart FLASH
    • 火箱芳文(ひばこ・よしふみ)元陸上幕僚長と、北澤俊美元防衛大臣に話を聞いた。

    • 「能登半島の地形は特異なうえに、地震による道路寸断が多数箇所で起きており、部隊の車両進入ができなかったものと思います。

    • 結果的に時間を要した地域もあったと思いますが、そのなかで、2日には中部方面総監を長とする陸海空で1万人態勢の災統合任務部隊を編成しているのですから、自衛隊としてまったく遅い動きではなかったでしょう」

    • 「今日現在の救助活動態勢・人数の広報や、現地のニーズに応じて対応する旨を丁寧に国民に説明していれば、批判は抑えられたはず。政府のアナウンスがうまくなかったと思います」

    • 北澤氏は自衛隊の動きについて、「小出しで部隊運用として最悪の対応だった」「そして、全体像をつかもうという努力がなかったように感じました。東日本大震災では、菅直人総理が3月12日に、私が14日に被災地に行き、総理とともに10万人派遣を政治決断。さらに仙台を拠点に災統合任務部隊を編成しました」

    • 「やはり、責任ある人がヘリや飛行機で現地上空から全体像を見て、戦略的に災害派遣の判断をしないとダメでしょう。今回、石川県の馳浩知事の現地入りが総理と同じタイミングになったことは理解不能ですよ。先に知事が被災地を見たうえで、総理に『この支援をお願いしたい』というのが普通です」

    • 東日本大震災で模範となるのは、県庁内に第9師団現地指揮所を置き、毎日ミーティングをおこない情報共有し、被災地の問題に対処されていた岩手県の達増拓也(たっそ・たくや)知事。しかし映像を見る限り、馳知事の近くには迷彩服の自衛官が見当たらず、自衛隊との連携に疑問が残る印象でした」
       

  • 実は公表されていた能登半島の地震リスク なぜ無視されたのか 2024年01月28日 デイリー新潮
 
  • 能登地震で自衛隊を「後手後手」「逐次投入で遅い」と批判した政治家の無知 災害派遣は国家安全保障の要、ほかの組織にはない自衛隊のサステナビリティ力 深川 孝行 2024.1.18(木)JBpress
    • 自衛隊はすぐさま動き、まず「自主派遣による災害派遣」に基づいて、地震発生(16時10分)から20分後には、航空自衛隊のF-15戦闘機2機が千歳基地(北海道)から発進。被害状況を上空から偵察し、情報を司令部に伝達した。「まずは情報収集から」は軍事・災害時共通の鉄則だ。

    • 「自主派遣による災害派遣」は、阪神・淡路大震災の教訓から1995年に定められた“伝家の宝刀”である。都道府県知事の要請を受けてから自衛隊が動くのが災害派遣の大原則だが、知事と連絡が取れなかったり、大災害で今まさに人命に危険が迫り、悠長に要請を待つ時間がなかったりする場合は、自衛隊の部隊長などが自主的に判断して派遣できる。

    • 1月1日16時45分に石川県知事は自衛隊に災害派遣を要請。これを受けて翌2日午前中に、陸海空3自衛隊を統括する「統合任務部隊(JTF)」が編制され、「1万人動員」が示された。

 
  • 能登半島地震でも急行! 自衛隊の即応部隊「FAST-Force」奮闘 暗闇の飛行がその後の“道”を拓く 武若雅哉(軍事フォトライター) 1月3日14時00分 乗りものニュース
    • 大地震に、防衛省・自衛隊は即座に対応を開始しました。
    • 最初に動かしたのは航空機です。地震発生の20分後となる16時30分以降に、早くも航空自衛隊の戦闘機や救難機が能登半島の上空に飛来しています。出動したのは、北海道の千歳基地からF-15戦闘機が2機、宮崎県の新田原基地から同じくF-15が2機、そして福岡県の築城基地からF-2戦闘機が2機、さらに茨城県の百里基地からU-125A捜索救難機が1機の計7機で、これらを使って被災地の状況を偵察して回りました。
    • 石川県内にある航空自衛隊小松基地は震源地から近かったため、滑走路や飛行場設備の点検をする必要があり、すぐに離陸させることができませんでした。
    • 陸上自衛隊では、東京都の立川駐屯地に所属するUH-1J多用途ヘリコプター(映像伝送機)や、千葉県の木更津駐屯地に所属するCH-47JA輸送ヘリ2機とLR-2偵察連絡機1機が、さらには大阪府の八尾駐屯地に所属するUH-1J(映像伝送機)、宮城県の霞目駐屯地に所在するUH-1Jもそれぞれ出動しています。
    • 海上自衛隊も神奈川県の厚木航空基地に所属するP-1哨戒機や、京都府の舞鶴基地に所属するSH-60K哨戒ヘリ、青森県の八戸航空基地に所属するP-3C哨戒機が能登半島まで状況偵察のため飛び立っています。
    • これから暗くなる時間帯でも航空機を飛ばす理由は、暗いからこそわかる情報があるからです。それが「停電」と「火災」です。
    • 今回の地震では、発災から1時間以内に、陸海空自衛隊の12個部隊が動きだしていて、翌朝からの救出作業に活用できる情報を収集するため出動しています。彼らこそ自衛隊の災害対応における初動部隊「FAST-Force(ファスト・フォース)」です。
    • これは「F=First(発災時の初動において)」「A=Action(迅速に被害情報収集、人命救助及び」「S=Support(自治体等への支援を)」「Force(実施する部隊)」の略で、2013(平成25)年9月から自衛隊内で使われています。
       
  • 令和6年能登半島地震の評価 令和6年1月2日 地震調査研究推進本部地震調査委員会
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