参考情報 [2022年7月~12月]
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コロナワクチン 接種後に死亡して解剖されたのは1割程度…人員不足など体制に課題 2022/12/30 11:28 読売新聞オンライン
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新型コロナウイルスワクチン接種後、副反応の疑いがあると国に報告された死亡例約1900件のうち、死因を調べるために解剖されたのが、1割程度にとどまることが分かった。医療機関や遺族の意向に委ねられ、解剖を行う体制も不十分なことが大きい。接種が始まって約1年10か月。専門家は「新しいワクチンであり、死因を究明して知見を集める仕組みが必要だ」と指摘する。(手嶋由梨)
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国の公表資料によると、副反応の疑いがあるとして医療機関などから報告された死亡例は、接種開始当初の昨年2月17日から今年11月13日までで1919件。読売新聞が資料を詳しく調べたところ、死因を判断するために解剖したとの記載があったのは約220件だった。
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死亡例については、厚生労働省所管の「医薬品医療機器総合機構」が情報を集約。複数の専門家がワクチンとの因果関係を評価し、厚労省の「副反応検討部会」が検証する。全1919件の99%が「情報不足などで評価できない」とされ、解剖が行われた約220件を含め、因果関係が認められた事例はまだ一例もない。
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解剖以外では、CT(コンピューター断層撮影装置)などを利用した画像診断や血液検査が行われていた。ただ、5割近くの約920件は、死因をどう判断したかが「不明」で、死亡時の状況や経緯などの詳しい情報がないものも多かった。死因は虚血性心疾患や心不全、肺炎などが目立った。
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病理解剖の費用(1件約25万円)は原則として病院の全額負担となる。家族を失ったばかりの遺族から同意を得にくいという事情もある。解剖数自体が20年前の年間2万5000件から、近年は同1万件前後まで減少。コロナ禍での感染対策の難しさも影響している。
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オミクロン株対応2価ワクチン「高い発症予防効果」を確認 国立感染症研究所の調査結果 公開日:2022/12/27 Medical DOC
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オミクロン株の流行が続く中、厚生労働省は感染や発症、重症化予防の目的で、2022年9月12日にオミクロン株対応2価ワクチンを薬事承認し、同年9月20日より順次接種が開始されています。
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2価ワクチンの接種が開始された9月20日~11月30日時点で、関東地方におけるオミクロン株BA.5系統が占める割合は75~90%以上とされています。
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今回の国立感染症研究所の調査は、2022年9月20日~11月30日の期間で、関東地方の10医療機関の発熱外来などを受診した16歳以上の患者のうち、4040名を対象におこなわれました。今回の調査では、「ロジスティック回帰モデル」を用いて、オッズ比と95%信頼区間(CI)を算出しています。
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対象者をワクチン接種歴で17分類して、PCR検査の陽性者と陰性者とで比較しました。その結果、オミクロン株対応2価ワクチン(BA.1かBA.4,5を問わない)接種後14日以降で、発症予防効果が71%であることが分かりました。今回の調査結果から、「オミクロン対応2価ワクチンには高程度の発症予防効果がある」と結論付けられました。ただし、本報告は接種~検査までの期間が非常に短期間であったため、免疫の減退については今後のさらなる検討が重要であると言われています。
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コロナ致死率、60、70代は0.18% 昨夏以降低下 厚労省公表 12/21(水) 21:00配信
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厚生労働省は21日、新型コロナウイルスのオミクロン株が流行した今年7、8月の60、70代の致死率が0・18%だったと公表した。デルタ株が流行した第5波(2021年7~10月)が1・34%、オミクロン株に変異した初期の第6波(22年1、2月)は0・70%だったが、致死率は大きく下がってきている。
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コロナの致死率が下がった要因としては、ウイルスの変異やワクチン接種率の上昇があげられる。資料によると、60、70代ではデルタ株が流行した第5波(21年7~10月)が1・34%だったが、オミクロン株に変異した初期の第6波(22年1、2月)は0・70%、7、8月には0・18%になった。
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新型コロナはインフルと違う感染症、と専門家チーム 2類から5類への見直し議論に影響も 2022.12.16 Science Portal
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厚生労働省に新型コロナウイルス感染症対策を助言する専門家組織の脇田隆字座長(国立感染症研究所長)ら専門家チームは、新型コロナと季節性インフルエンザは明らかに違う特徴をもった感染症で、同じような感染症になるまで相当な時間を要する、などとする見解をまとめた。
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2つの感染症を「同等」と判断するためには「毎年流行しても感染者数と死者数が一定範囲に収まる」「流行期間は限定的でその時期を予測できる」「流行時期には医療の負荷は増えても一般医療を制限するようなひっ迫は起きない」といった条件を満たす必要があるという。
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従来株ワクチン、オミクロン株派生型の感染予防効果低く 研究発表 毎日新聞 2022/12/14 16:32(最終更新 12/14 22:53)
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最初に中国で確認された新型コロナウイルスを基に作られたワクチンを4回接種してから1~2カ月後、オミクロン株の派生型「BQ・1・1」と「XBB」の抗体量は著しく低かったという研究結果が明らかになった。東京大医科学研究所などの研究チームが、英医学誌ランセットの姉妹誌に発表した。
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現在の第8波ではオミクロン株の派生型「BA・5」が主流だが、BQ・1・1やXBBへの置き換わりが懸念されている。研究チームは「オミクロン株対応のワクチンを接種することで、感染を防ぐ抗体が増えると考えられる。今後は、オミクロン株対応のワクチンの接種が望ましい」という見方を示した。
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新型コロナの後遺症深刻、米国で3500人余り死亡-CDC分析 Immanual John Milton
2022年12月14日 16:25 JST Bloomberg-
米疾病対策センター(CDC)の人口動態統計部が10月7日時点で実施した死亡証明書分析によれば、コロナ感染後の症状が長引いた影響で米国で3544人が死亡していたことが分かった。
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後遺症には倦怠(けんたい)感や「ブレインフォグ(脳の霧)」と呼ばれる思考・記憶への影響など中程度のものから、呼吸器や心臓の問題など深刻なものなどさまざま。長引く症状で亡くなった人の大半は高齢者で、4分の3ほどが65歳以上だったとしている。
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COVID-19 パンデミックに関連する過剰死亡率の WHO 推定値 公開:2022 年 12 月 14 日 nature
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2020 年と 2021 年の超過死亡数を月ごとに推定することにより、COVID-19 パンデミックの影響を包括的かつ一貫して測定した結果を報告します。
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全世界で 1,483 万人の過剰死亡が推定されており、この期間に COVID-19 が原因であると報告された 542 万人の死亡者数の 2.74 倍です。
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超過死亡率は、「通常の状況下で予想されるものと比較した、危機における総死亡者数の差」と定義されます。過剰死亡率は、ウイルスに直接起因する死亡の総数と、重要な医療サービスの中断や旅行の混乱などの間接的な影響による死亡の両方を占めています。超過死亡率は、何世紀にもわたって確立された概念であり、過去の健康危機や 1918 年の「スペイン風邪」などのパンデミックの被害を推定するために広く使用されてきました。この措置は、報告と検査における国間のばらつきと、死亡診断書の死因の誤分類を克服します 。また、予想される死亡者数を確定するために、健康危機中およびそれ以前の死亡者数の合計に関する情報のみが必要です。
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関連:新型コロナによる全世界死亡者数は1500万人で公式記録の約3倍、WHO発表 2022/12/21 10:00 Forbes JAPAN
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関連:高齢化社会日本におけるコロナ禍超過死亡率 2022/12/13 (公財)東京都医学総合研究所
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世界保健機関(WHO)が算出した160カ国の2020~21年の超過死亡率を解析し、COVID-19流行前の60歳平均余命が、この期間におけるコロナ禍超過死亡率と強く逆相関していたことを見出しました。
著者らは、我が国のコロナ禍超過死亡率の低値は、平時における質の高い医療システムとパンデミックを含む医療脅威からのレジリエンス(自発的治癒力)による高齢者の長い平均余命に関連していると考えた。
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参考:データが欠落しているということは、COVIDで何人が亡くなったのか、おそらくわからないことを意味します 2022 年 12 月 14 日 nature
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2020 年から 2021 年にかけて、超過死亡率が公式の死者数の約 2.7 倍、1,320 万から1,660 万人の間であり、最も可能性の高い値は 1,480 万人であることを示唆しています。
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関連:ワクチン接種によって「超過死亡」が起きていたのは本当か? データを改めて検証する 髙橋 洋一 2022.11.28 現代
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超過死亡数と相関がありそうなのは、3回目ワクチンだけのようだ。ただし、データを仔細にみると、ややピーク時でずれがあり、本当のところは分からない。1・2回目、4回目ワクチンでは相関はありそうにない。
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コロナの各波はウイルス変異の推移だ。ただし、致死率については、波が改まるにつれて低下していく傾向がある。1〜4波は1.5〜1.8%程度だったので、決して「風邪並み」とは言えない高さだった。しかし、5波は0.4%程度だった。さらに、6波が0.2%程度、7波が0.1%程度だ。
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超過死亡の原因の究明は詳細な研究によらなければいけないが、5波ではたまたま3回目のワクチン接種が重なったのに、国内医療体制が脆弱で、本来死ぬ必要ない人が多く亡くなった可能性も排除できないだろう。
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関連:高橋洋一 twitter
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関連:【更新】なぜコロナ死者の2.5倍も「超過死亡」が出たのか 池田 信夫 2022.11.28 15:30 アゴラ 言論プラットフォーム
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国立感染症研究所が発表した今年8月の超過死亡は、1万~1万8000人と、超過死亡統計史上で最大だった。 8月最終週は最大4472人で、過去最多だった今年2月とほぼ同じである。こうなることは8月の死亡数が前年比1万8000人増えたことから予想されていたが、その原因ははっきりしない。8月のコロナ死者数は7000人だから、超過死亡数はその2.5倍。残りの1万人がコロナ陰性の死者である。
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コロナ以外の死因の内訳は、8月についてはまだわからないが、1月から3月までの第6波については、日本経済新聞が分析している。死因別で最大なのは、心不全などの循環器系疾患で、前年比10%増えた。それに次いで多いのが老衰で、21%も増えた。この内訳が問題である。
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もう一つ考えられる要因は、自宅で死亡する高齢者が増えたことである。次の図のように自宅で亡くなる人は、昨年1年で3万人ぐらい増えた。 その原因の一つとして、救急車が間に合わなかったこともあるだろうか、本人が入院を望まないケースも多いという。
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病院がコロナ患者を隔離する厳戒態勢になっているため、入院すると家族と面会できなくなるので、自宅で最期を迎えたいという高齢者が多い。これは単なる風邪になったオミクロン株をいまだに感染症法の2類以上の「死の病」として扱っている過剰医療が原因である。
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関連:日本人は「超過死亡増加」の深刻さをわかってない 科学的に合理的でないコロナ対策を続けていいのか 上 昌広 医療ガバナンス研究所理事長 2022/10/26 16:30 東洋経済ONLINE
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わが国の「超過死亡」が多いのは、今に始まった話ではない。半年以上前に世界のメディアが指摘している。
きっかけは、3月10日に、アメリカ・ワシントン大学の研究チームが、イギリス『ランセット』に74カ国と地域を対象に、2020年1月から2021年12月までの超過死亡を推定した論文を発表したことだ。この研究で、日本の超過死亡数は11万1000人と推定され、確認されたコロナによる死者1万8400人の6.0倍だった。この数字は、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中で最大だった(図1)。つまり、日本の超過死亡の多さは、2021年末の段階ですでに問題だったのだ。 -
共同通信が超過死亡の原因として、真っ先に「医療逼迫の影響で医療機関にアクセスできず新型コロナ以外の疾患で亡くなった」ことを挙げているが、これも考えにくい。局所的に病床が逼迫した病院はあっただろうが、医療逼迫が死者を増やすレベルでなかったのは明らかだ。
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もっとも考えられる原因は、長期の自粛により持病を悪化させた高齢者が多かったことだろう。日本経済新聞は10月16日の記事「コロナ以外の死因大幅増 1~3月、高齢者の在宅死影響か」の中で、「死因別では、最も増加したのは心不全など『循環器系の疾患』で約1万人(10%)増えており、「老衰」も約8000人(21%)増えた」と論じているが、遅きに失したと言わざるを得ない。
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特記すべきは、3月10日の『ランセット』や『ネイチャー』の論文、記事での日本に関する情報を、国内のマスコミは、一紙も報じなかったことだ。今回のように、厚労省や国立感染症研究所が発表すれば、大々的に取り上げるが、世界的学術誌の記事は「無視」する。これでは国民は堪らない。コロナ対策での過剰な自粛が国民の命を奪っているのだから、新しい事実が判明すれば、早急に対応を変えねばならないが、マスコミが報じないのだから、国民は自粛を続けるしかない。
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昨年12月、スポーツ庁は全国の小学5年生と中学2年生を対象とした2021年度の全国体力テストで、男女とも全8種目の合計点の平均が調査開始以来最低だったと発表した。小中学生の体力がこれだけ落ちるのだから、高齢者の健康が害されるのもむべなるかなだ。
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さらに、今年7月29日、厚労省は「簡易生命表」を発表し、2021年の日本人の平均寿命は女性87.57歳、男性81.47歳で、いずれも過去最高だった前年を下回ったことを明かした。平均寿命が前年割れするのは、東日本大震災があった2011年以来だ。この事実も、ワシントン大学の研究結果と一致する。
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長期にわたる自粛が、高齢者の健康を蝕み続けているのだろう。コロナ対策での緊急事態宣言や蔓延防止措置は、高齢化した我が国では諸刃の剣になることを認識すべきだ。
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福島県で被曝が原因で亡くなった人はいないから、死亡者の増加は原発事故後のストレスと生活習慣の変化が原因と言っていい。これこそが、福島第一原発事故の教訓だ。
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なぜ、この教訓が、わが国のコロナ対策で活かされなかったのか。百歩譲って、なぜ、3月の『ランセット』や『ネイチャー』の論文・記事が反映されなかったのか。これこそ、わが国のコロナ対策の宿痾を象徴している。科学的に合理的でないのだ。もし、3月の段階で、高齢者の自粛を方向転換していれば、その後の超過死亡は、ある程度予防できていたはずだ。コロナ対策見直しの好機を逸してしまった。
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なぜ、世界の一流科学誌・医学誌に発表された研究成果を「無視」するのか、その原因を分析し、適切に体制を整備しなければならない。
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関連:なぜコロナ大流行で「老衰」の死者が激増したのか コロナを「普通の風邪」として扱うとき 2022.10.14(金) 池田 信夫 JBpress
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世界保健機関(WHO)が感染症の流行状況を国際比較するとき使う客観的指標である。感染症の「死因」の判定にはバイアスがあるが、「死亡数」にはほとんどないので、死亡数が平年の予測値からどれぐらい増えたかを基準にして、感染状況をみるのだ。
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これはすべての死因による死亡数の増減をみているので、東日本大震災のような大きな災害があった場合にも増えるが、普通は感染症が超過死亡の最大の原因である。2020年以降は世界的には、超過死亡数はほとんどコロナ死者数と一致している。
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ところが日本では、2020年の超過死亡数は平年に比べてマイナスの過少死亡だった。厚労省はその原因を説明できなかった。
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2021年の超過死亡数は最大4万6000人だったが、今年は6月まででそれと同じだ。これは一見、コロナ第6波(オミクロン株)による死者の激増だと思うが、その7割以上はコロナ以外の死因だった。
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2022年1-7月の死亡数が前年同時期と比べて5%以上の増加であり、かつ、絶対的な死亡者数増が10000人以上である死因に絞ると、
①09000循環器系の疾患(6.23%増、13015人)
②18000症状,徴候及び異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの
(14.96%増、15043人)
の2つのみが該当し、明確な超過死亡を認める。 -
現時点では、残念ながら超過死亡のデータから、未観察の致死率と関連死について分離をして単純計算することはできない。しかし、少なくとも、観察情報のみに頼る場合は常に過小評価の可能性があり、特に超過死亡者数が積み上げられて人口レベルの流行インパクトが看過できない規模である場合にはデータ生成過程に関して細心の注意を払いつつ致死率の計算について議論することが求められる。
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関連情報:日本の「超過死亡」急増の実態 6日のコロナ死者数が過去2番目の476人 「医療逼迫」で治療受けられず?「ワクチンの副反応」指摘の声も 2023.1/8 10:00 zakzak
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中国 武漢での“最初の感染者”から3年 コロナ ウイルスの起源は? WHOメンバー語る 2022年12月8日(木) 18:19 TBS NEWS DIG
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新型コロナウイルスの起源調査について、停滞しているという認識を示すのは、札幌市の西條政幸医療政策担当部長。WHOが新設した、新しい感染症の起源を解明するための科学諮問グループのメンバーの1人です。
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起源について、西條氏は中国国内である可能性が高いと改めて指摘します。
「この病気の特徴や病原体の特徴を考えると、いわゆる動物由来ウイルスとして、例えばコウモリなどから人間社会に入り込んできた。これはベリーライクリー(可能性が高い)と思っている」 -
WHOの国際調査チームがようやく武漢に入れたのは1年後でした。その後、2回目の調査を提案したものの、中国が拒否。3年が経つ今も起源は分かっていません。西條氏は、新型コロナの起源解明は中国政府が調査に協力しない以上、難しい。
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コロナ後遺症の4割が苦しむ「脳の霧」、脳内伝達の破壊が一因か 神経細胞のつながり「シナプス」が過剰に刈り込まれる、「ミニ脳」使った研究 2022.12.07
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スウェーデンのカロリンスカ研究所の科学者たちが、脳オルガノイド(実験室で培養した小型の脳組織)に新型コロナウイルスを感染させたところ、神経細胞(ニューロン)間の結合部である「シナプス」の破壊が促進されることが分かった。2022年10月5日付けで学術誌「Molecular Psychiatry」に発表された。
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その結果、ニューロン同士をつなぐシナプスが過剰に刈り込まれることが、新型コロナ後遺症患者のブレインフォグを引き起こしている可能性があるとの結論が出た。「おそらくこのことは、新型コロナから回復してしばらく経過しても様々な神経症状がみられる理由の一つかもしれません」と、カロリンスカ研究所の博士研究員で、この研究を主導したサムディアタ氏は言う。
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セルグレン氏の研究室の神経科学者で論文共著者のアナ・オゾーリオ・オリベイラ氏は、「ごくわずかな量のウイルスが脳オルガノイド内で急速に広がり、極めて多くのシナプスが除去されたことは実に衝撃的でした」と話す。
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シナプスは、記憶や運動制御、感情など脳の全ての機能に関わっており、接続のしかたが常に変化している。「私たちはそのようにして学んでいるのです」と氏は言う。
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「シナプスが過剰に除去されると、新たな記憶を形成したり、既存の記憶を思い出したりする能力に影響がでると予想されます。また、ブレインフォグでみられる脳機能の低下の説明になる可能性があります」とランカスター氏は言う。
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2022年3月7日付けで学術誌「ネイチャー」に掲載された英国の研究では、軽度の新型コロナ感染症でも、灰白質の減少を通じて脳が損傷し、10年分の老化に相当する変化が起こりうることが示されている。灰白質は大脳や小脳の表層(皮質)にあり、運動・記憶・感情の制御に必要不可欠な部位だ。
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脳オルガノイドは胎児や新生児の未熟な細胞に似ているため、この結果を成人の成熟した脳細胞に当てはめることには限界があるのだ。
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第7波、高齢者66%入院できず 東京の養護施設、17人死亡 2022/12/04 共同通信
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新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るった今夏の流行「第7波」で、東京都内の高齢者施設に入所中に感染し、施設側が入院を要請した人のうち66%は病床逼迫などで受け入れ先が見つからなかったことが4日、東京都高齢者福祉施設協議会の調査で分かった。入院調整中に計17人が死亡。外部医師の往診を利用した施設は14%にとどまった。
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日本に住む4人に1人、沖縄県の2人に1人はすでに新型コロナに感染している 抗体調査から分かることは? 忽那賢志感染症専門医 2022/12/3(土) 15:36
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今回の調査は、2022年11月に日本赤十字社で献血した16歳〜69歳の8260名を対象に、N抗体という抗体が測定されました。
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新型コロナの抗体には大きくS抗体とN抗体の2種類があり、S抗体はワクチン接種をした人と感染した人のいずれも陽性になるのに対し、N抗体は感染した人だけが陽性になるものです。
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今回は「過去に新型コロナに感染したことがある人」を調査することを目的にN抗体の測定が行われています。
献血者のN抗体の調査の結果、26.5%、つまりおよそ4人に1人が過去に新型コロナに感染したことがあると考えられました。これらの結果は、基本的には、これまでに報告されている各都道府県の人口あたりの感染者数と相関しています。 -
30代未満では3人に1人が、40代以上では4〜5人に1人が新型コロナに感染したことがあると考えられます。
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なお男性と女性との間に陽性率に差はありませんでした。
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概ね4人に1人が感染しているとすると、日本では3300万人が感染していることになります。2022年12月3日までに、日本では2500万人が新型コロナと診断されていますので、一部の人は再感染していることを差し引いても、感染しても診断されていない人が数百万人はいると推定されます。
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海外の報告では、オミクロン株に感染した約半数は感染したことを自覚していなかった。
日本の約4人に1人が2022年になってから新型コロナに感染したことになります。いかにオミクロン株の感染力が強いかよく分かります。
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従来のmRNAワクチンを接種した人はオミクロン株に感染しにくくなりますが、完全に感染を防ぐことは困難になってきています。一方、オミクロン株に感染した人は、同じオミクロン系統の新型コロナウイルスには感染しにくくなることが知られており、この24%の方は少なくとも短期的には再感染しにくい状態と考えられます。
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新型コロナ、かかるとほかの感染症リスクも増大 腸内細菌のバランスかく乱 2022/12/03 12:30 Forbes JAPAN
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学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に最近発表された研究によると、新型コロナウイルスへの軽度の感染でも腸内細菌叢の多様性が低下し、ほかの感染症に感染しやすくなる可能性があることがわかった。
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論文の共同上級著者であるニューヨーク大学の細菌学者、ケン・キャドウェルは「研究結果からは、新型コロナウイルスへの感染は腸内に生息する細菌の健全なバランスを直接妨げ、その過程で患者をさらに危険にさらすことが示唆される」と説明。「腸内細菌のバランスを崩す原因が突き止められたので、医師たちは今後、二次的な血流感染のリスクが最も高い新型コロナ患者を特定しやすくなるだろう」と述べている。
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研究チームは「データからは、新型コロナ患者における体内の動態はがん患者にみられる動態と似たものであることが示唆される。血流感染を引き起こす細菌は、化学療法ではなく、ウイルスに対する免疫の下流での組織損傷によって腸のバリアの完全性が失われた結果、腸から血液へ転移するのかもしれない」と結論づけている。
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ファイザー 「BA.5」対応ワクチン ほかの変異株にも効果確認 2022年11月19日 11時16分 NHK
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製薬会社のファイザーなどは18日、新型コロナウイルスのオミクロン株「BA.5」に対応するワクチンが、ほかの変異株にどれくらい効果があるのかを調べた試験結果を発表しました。
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試験では、ウイルスの働きを抑える中和抗体の値が、追加接種の前後でどう変化したか測定しました。
その結果、欧米で感染が広がっている変異株「BQ.1.1」に対しては、
▽「BA.5」に対応するワクチンでは8.7倍、
▽従来のワクチンでは1.8倍となり、
「BA.5」対応ワクチンのほうが効果が高くなっていました。
また、変異株の「BA.4.6」でも「BA.5」対応ワクチンのほうが効果が高まることを確認したということです。 -
ファイザーは「このワクチンは感染者が増加している新しい変異株に対しても、より感染を防ぐ効果がある可能性がある」としています。
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「BQ.1.1」は現在、欧米で感染が広がっていて、CDC=疾病対策センターによりますと、アメリカ国内では19日までの1週間で全体の24.2%が感染したと推定されています。
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参考:コロナ「第8波」到来!一度感染した人は“4回目ワクチンをいつ打つべきか”専門医に聞く 2022.11.17 bizSPA!フレッシュ
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第一三共 開発中ワクチン ファイザーやモデルナと有効性同程度(11/15) 2022年11月15日 NHK
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開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、製薬大手の第一三共は最終段階の臨床試験の結果、3回目の接種用としては、ファイザーやモデルナのワクチンと同じ程度の有効性が確認できたと発表しました。追加接種用のワクチンとして、2023年1月に国に承認申請を行えるよう準備を進めるとしています。
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第一三共は、独自の技術で国産の新型コロナウイルスのメッセンジャーRNA=mRNAワクチンを開発しています。
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会社の発表によりますと、18歳以上のおよそ5000人を対象に、3回目の接種を想定した最終段階の臨床試験を行ったところ、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンを2回接種したあと第一三共が開発中のワクチンを接種した人では、接種から4週間の時点で、ウイルスの働きを抑える中和抗体が上昇した程度が、ファイザーやモデルナのワクチンを追加接種した人より高かったということです。
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新型コロナ、再感染で死亡率や後遺症のリスク増大=米研究 2022年11月11日12:05 午後UPDATED REUTERS
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新型コロナウイルスに再感染すると、ワクチン接種状況にかかわらず、最初の感染時と比べて死亡、入院と深刻な合併症のリスクが著しく増えることを示唆する研究結果が10日、医学誌「ネイチャー・メディシン」で発表された。
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再感染患者は、感染1回の患者と比べて死亡リスクは2倍以上、入院リスクは3倍以上それぞれ高かった。また肺、心臓や腎臓疾患、糖尿病、精神疾患などを発症する割合も増えた。感染回数が多いほどこうしたリスクは高まった。
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アビガン、新型コロナ感染症対象の開発を中止=富士フイルム 2022年10月14日3:41 午後UPDATED Reuters
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富士フイルムと富士フイルム富山化学は14日、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」について、新型コロナウイルス感染症を対象とした開発を中止すると発表した。
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アビガンについては、富士フイルム富山化学が2021年に新型コロナ感染症患者に対する重症化抑制効果の確認を目的に国内臨床第3相試験を開始していた。しかし、ワクチン接種率の向上や重症化率が低いオミクロン株流行などの環境変化を踏まえ、今年3月に被験者の組み入れを終了していた。それまでの被験者のデータ解析でも有意な結果は得られていなかった。
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関連:コロナ治療薬「アビガン」開発中止 重症化抑える効果得られず 2022年10月14日 20時14分 NHK
関連:アビガン」開発中止 かつて対応した加藤厚労相「検証必要ない」 市野塊、村井隼人2022年10月18日 14時00分 朝日新聞アピタル
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オミクロン株感染者の呼気中のウイルス量は多い Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 10 | doi : 10.1038/ndigest.2022.221010 原文:Nature (2022-08-17) | doi: 10.1038/d41586-022-02202-z |
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新型コロナウイルス変異株の感染者は、起源株感染者よりも呼気に排出するウイルスRNA量が多く、あるオミクロン株感染者は、アルファ株やデルタ株感染者の1000倍多く排出していた。
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分析の結果、アルファ株、デルタ株、オミクロン株に感染した参加者の呼気に含まれるウイルスRNA量は、中国の武漢で最初に検出された起源株や、伝播力の高さと関連付けられていない他の変異株(2020年末に出現したガンマ株など)に感染した参加者のウイルスRNA量に比べてはるかに多いことが明らかになった。さらに、デルタ株やオミクロン株に感染した参加者が排出する直径5µm以下の微細なエアロゾルには、それよりも大きいエアロゾルの平均5倍のウイルスRNAが含まれていた。
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この研究は、感染者がウイルスを排出する量には個人差がかなりあり、検出不可能なレベルから「スーパースプレッダー」と呼べるレベルまで幅広いことも明らかにした。
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コロラド州立大学(米国フォートコリンズ)の公衆衛生エンジニアであるJohn Volckensはこの研究を、「新型コロナウイルスの中で優勢となった3種類の変異株の全てが、感染者が喋ったり叫んだりしたときに、ごく初期の株よりも効率よく体外に排出されることを示したものです」と説明する。彼はこの研究には参加していない。
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論文共著者の1人で、メリーランド大学カレッジパーク校(米国)で新興感染症を研究しているKristen Colemanは、今回の知見が意味するところについて、「市民は政府に働きかけて、換気システムとろ過システムを改良して屋内の空気質を改善するための投資を促すべきです」と主張する。
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新型コロナ、再感染で死亡率や後遺症のリスク増大=米研究 2022年11月11日12:05 午後UPDATED REUTERS
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新型コロナウイルスに再感染すると、ワクチン接種状況にかかわらず、最初の感染時と比べて死亡、入院と深刻な合併症のリスクが著しく増えることを示唆する研究結果が10日、医学誌「ネイチャー・メディシン」で発表された。
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再感染患者は、感染1回の患者と比べて死亡リスクは2倍以上、入院リスクは3倍以上それぞれ高かった。また肺、心臓や腎臓疾患、糖尿病、精神疾患などを発症する割合も増えた。感染回数が多いほどこうしたリスクは高まった。
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新型コロナ感染禍での回顧バイアス~人の記憶は容易に歪む~ 2022-11-9大阪大学 社会科学系 人間科学研究科教授三浦麻子
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新型コロナウイルス感染症禍(以下、「新型コロナ感染禍」)の社会心理について「回顧」という観点から考察した
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新型コロナ感染禍に接した直後(2020年1月)の心理を1年後に回顧させると、過小評価する傾向が顕著に見られた
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長期的かつ変化が大きい出来事について「あの頃は確かこうだったはず」という回顧にもとづく意思決定を行うべきではない
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新型コロナの頭痛は何が違うのか、約2割は3カ月続くという報告も 痛みの種類や継続時間によって3タイプ、適切な治療法を 2022.10.05 NATIONAL GEOGRAPHIC
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2022年5月11日付けで医学誌「Headache」に発表された総説論文によると、急性期の新型コロナ患者の約半数が頭痛を発症しており、約4人に1人は最初に現れた症状が頭痛だったという。新型コロナは呼吸器系疾患に分類されるが、同1月3日付けで医学誌「The Journal of Headache and Pain」に発表された論文によれば、中等症から重症の患者の約5人に1人は、最もつらかった症状として、頭痛、頭の中に霧がかかったようにぼんやりする「ブレインフォグ」、味覚・嗅覚障害などの神経症状を挙げている。
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上記の割合は、実際よりも少なく見積もられている可能性が高い。
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新型コロナの急性期患者が訴える頭痛は、次に述べるように主に以前から存在する3つのタイプの頭痛と似た症状を示し、「片頭痛類似型」「緊張型」「持続性連日性」に分けられる。
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興和 新型コロナウイルス感染症患者を対象とした「K-237」(イベルメクチン)の第Ⅲ相臨床試験結果に関するお知らせ 2022.09.26 プレスリリース 興和㈱
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興和株式会社(以下、「興和」)は、軽症の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症を対象疾患として、「K-237(開発コード)」(一般名:イベルメクチン、以下、「本剤」)の第Ⅲ相臨床試験を進めておりましたが、今回の臨床試験につきましては、主要評価項目において、統計的有意差が認められなかったことをお知らせいたします。
オミクロン株が主流と考えられる今回の対象患者においては、本剤およびプラセボともに投与開始4日前後で症状の軽症化が認められましたが、本剤の有効性を見出すことができませんでした。 -
関連:イベルメクチン コロナ治療薬の承認申請を断念 有効性見られず 2022年9月26日 19時15分 NHK
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新型コロナ 死亡の20歳未満 半数が基礎疾患無し 感染症研究所 2022年9月15日 4時49分 NHK
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ことしに入って新型コロナウイルスに感染して亡くなった子どもなど、20歳未満の人について国立感染症研究所が調べたところ、詳しい調査ができたおよそ30人のうちのほぼ半数には基礎疾患がなかったことが分かりました。意識障害やおう吐などが多くみられ、呼吸器以外の症状にも注意する必要があるとしています。
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発症した日が分かった26人のうち、亡くなるまでの期間が1週間未満だった人は73%を占めていて、発症後1週間は特に症状の経過観察が重要だとしています。
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大阪大発の製薬ベンチャー、アンジェスがコロナワクチン開発中止 毎日新聞 2022/9/7 19:45(最終更新 9/7 21:26)
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大阪大発の製薬ベンチャー「アンジェス」(大阪府茨木市)は7日、新型コロナウイルスワクチンの開発を中止したと発表した。2020年3月から開発を進めてきたが、臨床試験で効果を確認できなかったという。
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これまで、厚生労働省などから約75億円の補助金を受けた。20年4月に吉村洋文・大阪府知事が「(20年)9月にも実用化したい」と発言したことで注目を集めた。
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モデルナ、コロナワクチンの特許巡りファイザーなど2社を提訴 2022年8月27日 0:10 JST Bloomberg
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米モデルナは米ファイザーとドイツのビオンテックを提訴した。両社が新型コロナウイルスワクチン開発で使用した技術はモデルナの特許を侵害していると主張しており、ワクチン有力企業による大規模な法廷闘争に発展しそうだ。
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モデルナはファイザーとビオンテックが新型コロナウイルスワクチン「コミナティ」の開発で、メッセンジャーRNA(mRNA)テクノロジーの主要な要素に関するモデルナの知的財産権を侵害したと指摘。モデルナは2010年から16年に保持していたmRNAテクノロジーに関する特許でコロナワクチンの開発が可能になったが、2社はこの技術を無許可で複製したという。
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米マサチューセッツ州の連邦地裁にモデルナが26日提出した訴状によると、ファイザーとビオンテックは「異なる4つの候補を治験にかけ、その中には非修飾mRNAを使いモデルナの革新的な手法を避ける選択肢もあった。だが、2社は最終的にこれらの選択肢を選ばず、モデルナが特許を持つ技術を複製した」という。
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日本の感染症対応力は世界18位 2022年08月15日 大和総研
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ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センター(JHCHS)等が作成する「グローバル・ヘルス・セキュリティ指数」では、「予防」「追跡」「対応」「医療システム」「キャパシティ・ビルディングや規範」「リスク」の6つの視点から195カ国の感染症(生物学的脅威)への対応力(制度の有無など)を評価しているが、感染拡大を受けて2021年の公表時に構成指標を見直した。
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具体的には、予防措置や備蓄、接触追跡に関する指標が拡充されたほか、非医薬品介入(NPI:国民への効果的な情報発信やロックダウンなどの制限措置)に関する項目が追加された。これは、感染症対策には医療体制だけでなく、行動制限措置を可能にするための経済的な支援や政府に対する国民の信頼感等が不可欠であることが教訓として得られたためだ。
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グローバル・ヘルス・セキュリティ指数の世界平均は38.9点、最高でも米国の75.9点。
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日本のグローバル・ヘルス・セキュリティ指数は100点満点中の60.5点で、順位は195カ国中18位(前回の2019年では21位)だ。「対応」において公衆衛生と政府当局間の連携が図られていることなどが評価された。
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一方、「予防」や「医療システム」が課題だ。予防については生物学的脅威に対するトレーニングが不足しているのに加え、日本は人口当たり獣医師数が少ない。動物由来の感染症リスクが高まる中で動物疾病の専門家が感染症を発見・予防することが求められる。医療システムについては政府が緊急事態の間に医療対策を取りやすくするための制度や国家備蓄を年次でレビューする体制の構築が不足していることなどが課題の背景にある。
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「全数把握」の廃止求める提言、声明相次ぐ 新型コロナの「行動制限なき第7波」で専門家ら危機感 2022.08.04 Science Portal
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医療現場や保健所が再び逼迫(ひっぱく)している。こうした実態を前に、感染症の専門家が感染者の「全数把握」の段階的廃止など、医療・保健体制の見直しを求める提言を発表した。関係学会や全国知事会も同じような趣旨の提言や声明などを出している。背景には、政府が行動制限を求めない方針を堅持する中で感染者が急増し、重症者や死亡者が増えている現実に対する強い危機感がある。
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感染者の激増に伴い、全国の医療機関の病床使用率は高まっている。例えば東京都の8月2日の病床使用率は55.0%、重症者用病床使用率は30.5%だが、医療スタッフの不足などから、事実上患者の受け入れができない医療機関は多い。全国的な連日の猛暑で熱中症患者の救急搬送要請も増え、救急搬送できないケースが増えている。総務省消防庁によると、7月25~31日の1週間の「救急搬送困難事案」は全国52消防統計で6307件に上り過去最多になった。
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「『感染拡大抑制の取り組み』と『柔軟かつ効率的な保健医療体制への移行』についての提言」と題した提言は、まずBA.5を中心とした第7波が拡大し、感染者のこれまでにない急増に伴い、重症者・死亡者数が増え、医療逼迫がさらに深刻化する懸念があるとした。その上で国が医療逼迫の深刻化を抑えながら社会経済活動の継続を選択する場合は、一人ひとりが感染拡大を招かない主体的感染対策を徹底し、現在の医療や保健所の対応をオミクロン株の特徴に合わせて移行していく必要があると明示している。
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提言のポイントは、感染法改正による抜本的な対策の切り替えも視野に、医療の逼迫を抑えながら社会経済活動も続ける仕組みへの2段階移行だ。「医療機関対応」「保健所・行政対応」「感染状況の把握」「高齢福祉施設対応」「旅行者(インバウンド)」の5項目について、地域の実情に応じて早急に実施する「ステップ1」と法改正による全面的な見直しを目指す「ステップ2」の2段階に分けて移行することを求めている。ステップ1は現行感染法や厚労省の通知の範囲で実施可能との考えだ。
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尾身氏らが提言を発表した2日、日本感染症学会や日本救急医学会、日本プライマリ・ケア連合学会、日本臨床救急医学会の4学会の代表が東京都内で記者会見し、「65歳未満で持病がなく、軽症の場合はあわてて検査や受診する必要はなく自宅療養を続けられる」などとする声明を発表した。
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関連:<新型コロナ>感染者の全数把握、見直すとどうなる?「終わるのは深夜」の現場負担は?課題は? 2022年8月13日 06時00分 東京新聞
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「パソコンでの発生届の入力には2時間程度かかる。毎晩診察を終えてから取りかかるので、終わるのは深夜になる」。発熱外来を担う「いとう王子神谷内科外科クリニック」(東京都北区)の伊藤博道院長は負担が非常に大きいと話す。
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感染症法では、医師は診断した全てのコロナ患者の情報を発生届で保健所に伝えると定める。発生届は、政府の情報共有システム「HER―SYS(ハーシス)」に入力する。一部の医療機関はファクスで保健所に情報を送っており、保健所にも入力業務の負担がかかっている。
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厚労省は、全数把握に代わる新たな流行把握の手法の検討を始めている。有力な選択肢が、一部の医療機関を定点医療機関に指定して報告を求める「定点把握」。現在は、季節性インフルエンザやRSウイルスなど流行時に多くの患者が出る感染症が対象だ。メリットとしては、定点医療機関以外は報告義務がなく、現場の業務負担は減る。一方で、全感染者数は推計値でしか分からず、流行状況をとらえる精度も下がる。
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東京都墨田区保健所の西塚至所長は、定点把握では定点以外でコロナと診断されても保健所には情報が届かないため、「高齢者や基礎疾患がある重症化リスクが高い患者の把握が難しくなってしまう」と話す。
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墨田区は、自宅療養中に体調が悪化するなどした人を対象にした電話相談窓口を設けたり、往診態勢の充実を図ったりしている。西塚所長は、定点把握への移行には、このような自宅療養者への支援体制の充実が欠かせないと指摘する。
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関連:感染対策「優良県」3知事が専門家の“コロナ愚策”をバッサリ!尾身会長に「まず反省の弁を」 公開日:2022/08/08 13:55 更新日:2022/08/08 15:13 日刊ゲンダイDIGITAL
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コロナは感染回数が多いほど死亡率上昇、後遺症にもなりやすい 560万人超の米退役軍人の医療記録を分析、再感染について分かっていること 2022.08.02 NATINAL GEOGRAPHIC
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再感染は本当にリスクをもたらすものなのだろうか。「答えは明らかにイエスです」と言うのは、米退役軍人省(VA)セントルイス・ヘルスケアシステムの研究開発主任で、米ワシントン大学の臨床疫学者でもあるジヤド・アルアリー氏。
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560万人以上の退役軍人の医療記録を分析した結果、感染回数が増えるごとに単純に死亡率が高まっていた。
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また、再感染によって、糖尿病、慢性疲労、新型コロナ後遺症などの病気や、心臓疾患、血液疾患、脳疾患による健康リスクが発生する割合も増えていた。
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新型コロナの再感染の深刻さについて結論を出すためには、まだデータが足りていない。
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第7波初頭での国内のCOVID-19の集団免疫割合の推計 〜パンデミック期からエンデミック期への転換に向けて〜 July 28, 2022 東京財団政策研究所
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自然感染とワクチン接種によって国民の免疫獲得が進んでおり、現在の状況においては、感染拡大が長期に継続することは想定しにくく、一律の行動制限を課す必要性は低い。
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自然感染による免疫保持者の割合はオミクロン株の流行で顕著に増加し、実際に捕捉されている数の2倍以上に達し、人口の2割を優に超えている。ワクチン由来の免疫も含めた部分免疫を持つ者の割合は接種後の免疫力低下を勘案しても9割近い。
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こうした状況を踏まえれば、現在の第7波の流行のピークは8月中であり、今後急速に収束するものと考える。
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第7波の流行の被害を抑える上で有効なことは、発症したハイリスク者への迅速な検査と陽性者に対する迅速な治療薬の投与に加えて、3・4回目のワクチンの未接種者に対する接種をできるだけ進めることである。
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オミクロン株のように、非常に感染性が高いが病原性は低い変異株に対して、医療・介護体制及び社会経済活動を維持するために、迅速抗原検査の大幅な供給、現行の隔離期間の更なる短縮(特に医療介護従事者)や濃厚接触者の扱いも変更する必要がある。また、治療薬が迅速に供給される仕組みの整備が不可欠と考える。
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感染拡大の都内で「経路不明」急増 20代は8割超 2022/7/16 19:05 産経新聞
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オミクロン株の派生型「BA・5」への置き換わりが進むと、急速に感染が再拡大。1日当たりの新規感染者数は連日1万人を超え、感染経路不明者も7月13日時点で約6978人に上った。
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感染経路不明者の内訳は20代が最も多く、30代、10代と続く。新規感染者に占める感染経路不明者の割合(7月5日~11日)は80代以上を除いて全ての年代で50%を超え、20代が80・8%と最も高かった。
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感染経路不明が多い20代は、3回目のワクチン接種率が高齢者に比べて低い状況が続く。7月14日時点で、65歳以上の高齢者が88・5%に上るのに対し、20代は45・5%。
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