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解説・報告・提言・メディア [2024年]

​[10月]
  • 20代は友人を増やした方が、30代は友人を減らした方が後の幸福度が高くなる ナゾロジー10/26(土)17:00 dmenu
    • 多くの友達を持つことと質の高い人間関係を保つことのどちらがより重要なのでしょうか。

    • 米ニューヨーク大学のカーマイケル・シェリル(Charmichael Cheryl)氏らは、30年間にわたる追跡調査を行い、友達の数と質が幸福度に与える影響を調べました。

    • 結果として、若いときに友人が多かった人は50代における幸福度が高いことがわかりました。

    • しかし50代の幸福度が最も高くなったのは、30代の頃に友人の数が減った人だったのです。

    • このことから、20代には交友関係を広げ、30代には友人の数を絞り、人間関係の質を高めることで、その後の幸福度が高まる可能性が考えられます。

    • 研究の詳細は、2016年3月1日付の心理学雑誌『Psychol Aging』に掲載されました。

 

 
  • Facebookの友達500人、リアルでは友達3人…焦る人に伝えたいこと クレア・コーエン:ジャーナリスト 安齋奈津子:翻訳家 2024.10.13 7:00 DIAMOND online
    • 本稿は、クレア・コーエン著、安齋奈津子訳『女友達ってむずかしい?』(河出書房新社)の一部を抜粋・編集したものです。

    • 友達の人数は比較する対象となった。私はフェイスブックの友達が500人超に達して、得意になっていた時期があったものの、あのころ現実世界でつきあいのあった友達は3人だけ。オンラインの世界の「友達」とどこかですれ違っても、きっとほとんど気づかなかっただろう。

    • スマートフォンが本当の友達じゃないことも、もうみんな知ってる。

    • チャンスを逃すのではという恐怖心を煽るSNS

    • 友人とのつながりが平面的になる理由.臨床心理士のリンダ・ブレアは、こんな意見を語ってくれた。

      • 「SNSは友達づきあいにとって悪だと思います。自分の一面だけを見せることがすべての世界ですからね。それも、いい面だけを。自分にとってプラスのことでなければ投稿しないので、相手の劣等感を刺激しやすいんです。だから、親密さを感じさせることもありませんよね。親密さというのは、悪い面といい面のバランスがあってこそ生まれるものなのに、SNSではいい面しか見せていない。あらゆる意味でバランスが崩れているんです。相手との関係でも、自分自身のなかでも」。

    • 思い込みやタブーを打ち破るという、SNSの持つ一面を楽しんでいる。インスタグラムの裏で繰り広げられている本当の暮らしぶりや姿を見せるというのは、大胆で勇気ある、そして往々にしておもしろいことなのだ。こうした投稿が威力を発揮することがあるかもしれない。ここから、オンラインの世界でも、現実世界と同じくらいの信頼が築かれるのだ。

 

  • 関係を維持することが大変に 「孤独のエピデミックが起きている」が、人々の友人の数は減っていない 2024.10.9 COURRiER
    • 「友達」と呼べる人はいるのに、関係が希薄で孤独を感じてしまう──そんな人もいるかもしれない。米誌「アトランティック」によれば、そうした孤独を感じている人が米国に大勢いるという。

    • 2つの新しい調査によれば、平均的な米国人は、ソファでひとりでTikTokを見る前に「集まろうよ!」と数人に連絡し、そのまま寝落ちしているらしい。つまり、米国人には友達がいる。ただし本当に会うことはない。

    • 7月に発表された研究のために、コロラド州立大学のナタリー・ペニントン教授と論文の共著者たちは、米国の成人約6000人を対象に、友人関係に関する調査をおこなった。これに対し、人々は平均して4〜5人の友人がいると答えており、それは過去の結果とそれほど変わらなかった。友達がいないと答えた人はごくわずかで、4%以下だった。

[9月]

 

  • <孤独・孤立はあなたのすぐそばに>問題本格化はこれから、誰かとつながるために誰かが「お膳立て」することが必要な時代へ 石田光規( 早稲田大学 文学学術院 教授)2024年9月30日 Wedge ONLINE
    • 第一期は、高度経済成長を通じ日本社会に大きな構造変動が生じた1970年代初頭である。「地縁」を解体し、地方に残された高齢世帯を孤立させた。

    • 次に国民の関心が高まったのは、阪神・淡路大震災が発生した95年である。仮設住宅の入居は、もともとあった地域のつながりを考慮せずに行われてしまったため、域内では「孤立死」が頻発した。

    • 第三期の90年代後半から2000年代に入ると、終身雇用の企業体制も、皆婚社会と言われた婚姻状況も、徐々に過去のものとなってゆく。

    • コロナ禍では、つながりは不要不急のものと見なされ、淘汰されていった。私たちは自らにとって必要なつながりを検討し、選別したのである。

    • もう一つ重要な要因としてあげられるのが、2000年代の第三期に普及した情報通信端末である。端末同士で人を結びつける携帯電話・スマートフォンは、つながりにおける物理的な場の必要性を縮減し、つながりをより選別的にする。

    • つながりを補償する「場」の機能が弱くなった社会では、端末を駆使しつつ、ある程度積極的に「外の人」と連絡をとる必要が生じてきた。しかし、誰もが積極的に誰かと連絡を取り、交流を始められるわけではない。むしろ、日本社会では誰かから声をかけられるのを待つ「誘い待ち型」の人のほうが多いだろう。

    • これらの人に対するコロナの影響は決して小さくなかった。コロナ禍による接触の選別により、組織での懇親会は不要と見なされ、見直し対象となった。懇親会は、負の側面が取りざたされがちだが、「誘い待ち型」の人に安定的なつながりを提供する機能もあった。

    • 「問題」が本格化するのはこれからだと言わざるを得ない。とくに注目したいのが団塊ジュニア以降の世代である。国立社会保障・人口問題研究所が国勢調査のたびに発表している、日本に住む50歳の人の未婚率(50歳時未婚率)は上がり続け、20年には男性28・3%、女性17・8%に達した。もはや日本はほぼすべての人が結婚していた皆婚社会ではない。

    • つながりは急にできるものではない。むしろ、自己責任論の強い日本では体調不良や経済的な困難など、つながりが必要な時ほど、人に迷惑をかけまいとつながりから遠ざかる傾向にある。だからこそ、健康なときに誰かとつながることを意識する必要があるのだ。

 
  • <最も孤独感が強いのは20代>子ども時代を“置き去り”にした若者たちが増える理由 駒澤大学総合教育研究部・萩原建次郎教授インタビュー 2024年9月27日 Wedge ONLINE
    • 総務省が毎年実施している「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」では最も孤独感が強いのは20代であり、一昨年、昨年ともに孤独感が「常にある」(間接質問)と答えた20代の割合が10%を超えている。

    • 子ども時代を〝置き去り〟にしてしまった若者が増えています。彼らは子どもの時にするはずだった原体験をしないまま、そのまま大人になるから、結局、次の世代にも同じことが引き継がれていく。様々な要因が考えられますが、私は、大都市を中心に子どもたちにとっての〝放課後の世界〟が大きく変容し、遊び空間が急激に減少したことに注目しています。

      • 環境デザイン研究家の仙田満氏の『こどものあそび環境』(鹿島出版会)によれば、横浜市域では、1955年頃から2003年頃までの約50年の間に、子どもの遊び空間が、「自然スペース」で1000分の1、工場跡地や原っぱのような「オープンスペース」が20分の1まで減少しています。

      • モータリゼーションが進んだことで車道となり、道は遊んだり、自然を観察したり、子どもたちがコミュニケーションを取ったりする場所ではなくなりました。

      • 近代合理主義の象徴でもあるニュータウンの団地では、40%近くの子どもが公園で遊んでいると「警察に通報されたことがある」という経験をしていました。団地は、基本的に二世代までしか住むことができないので、祖父母と孫の世代が断絶し、「子ども=よその子」になる。そんな子どもたちが遊んでいて、少し騒いだりすると「うるさいからなんとかしてほしい」と警察に通報するのです。結果として子どもにもフラストレーションがたまるばかりでなく、遊び場は自然と失われてゆく運命にあるのです。

    • 現代の日本社会は、サービス化が行き届いた快適な社会です。例えば、「地域で除雪や草むしりをしましょう」となっても、「業者に頼めばよい」となるのはその典型です。その結果、「共同の世界」が失われてしまいます。ちょっとしたことでもいい、何かをみんなで手作業をすれば、そこには顔の見える共同の世界、相互性が生まれます。

    • 「共同の世界」とは、完全にプライベートでも、パブリックでもない、いわば「中間の世界」です。 現代は、「機能性重視の生産性・有用性の世界」が中間世界を侵食し、「生命性・存在性の世界」が小さくなっていると言えます。大人社会の目的志向、効率志向はますます強まり、子どもにもその(悪)影響が及んでいるのは明らかです。

    • 子ども・若者の居場所には大人社会の有用性と機能性、規範性重視の世界から少しはずれて、羽を休めるような場が必要なのです。そこで大切になるのが、「偶発性」です。仕組まれた体験ではなく、友達と遊んだり、会話をしたりしている中で、偶発的に未知な世界と出会い、これまでの自己が揺さぶられ、新たな意味を発見したり、今ここに生きていることの充足感を得たりするような体験です。

    • これは、冒頭に述べたように、子ども時代にしておくべき原体験、あるいは野生的な体験とも言い換えることができるでしょう。

    • 親も自分たちができることをしなければなりません。「ワーク・ライフ・バランス」の重要性が叫ばれていますが、ワークとライフの間に「コミュニティー」の視点が抜け落ちています。

    • SNSなど非対面でのコミュニケーション、記号的なやりとりが増えた結果、身体性あるいは身体感覚を失い、他者の表情や声色をうかがったり、自分の感情を言葉で表現したりすることができなくなっている表れだと思います。

    • 現代における「自立」の実態は「孤独」と同義とも言えるほどやせ細り、子ども・若者にとっては、希望よりも無理やり押し出されるような、〝強いられた自立〟へと変貌しています。もっと自由に、失敗しながら子どもたちには様々な体験をさせたいものです。​

 

 

  • 社会的孤立で記憶力は低下する、孤立していなくても「孤独感」で衰える【最新研究】 2024年9月6日(金)11時15分 Newsweek
    • 加齢に伴う記憶力の衰えは、本人が孤独感にさいなまれていると加速されるらしい。

    • ​ウォータールー大学(カナダ)の研究チームが5月に学会誌「老年学・老年医学研究(Archives of Gerontology and Geriatrics)」に発表した論文によると、社会的孤立や孤独感は記憶力の衰えにも関与している可能性がある。
    • 「社会的孤立と孤独感の両方が認められる人は記憶力の低下が最も著しく、調査対象の6年間で状態が一段と悪化していた」。

    • 一方、社会的に孤立していても孤独感を抱いていない人の場合は、1人でも行える読書やパズルなどの「脳トレ」でメンタルな能力を維持している可能性があるという。

    • 研究チームはいわゆる「使わなければ失われる」仮説に注目している。「この仮説では、社会的ネットワークとの交流が減ると記憶力の衰えにつながると考える。メンタルな能力の刺激に欠かせない物理的、心理的ないし社会的活動への関与が薄れるからだ」と、論文は記している。

    • いずれにせよ、加齢に伴って記憶障害のリスクが高まっている人に対しては地域社会で支援する取り組みが必要だと、カンは言う。

    • 「孤独を感じている高齢者はたいてい低所得で、構造的な壁や健康上の問題で地域社会とつながれなくなっている場合が多い」と、彼女は語る。「彼らが孤立を深めないような対策、例えば移動支援や家庭訪問などが必要だ」

  • 40代にとって「ぼっち」は全然ネガティブではない 「孤独」ではなく「単独」を楽しめるのが大人 齋藤 孝 明治大学教授 2024/09/04 14:00
    • ​齋藤氏によれば、一般に、ネガティブなイメージで捉えられがちな「孤独」な状態は、実は人生を豊かにするための大切な時間だといいます。

    • この「孤独」についても、これからの40代がしっかりと向き合うべきテーマであろうと思います。人生の中で自分にとっての「孤独」の場を用意しておくことはとても有意義なことです。40歳が近づいたら孤独を楽しめる大人になろうということです。1人の時間を楽しめる人は、喜びを自分で生み出せる人です。そもそも、孤独でいること自体が寂しいのではなく、「孤独感」が人の心を寂しくさせるのです。

    • 40歳にもなったら基本は単独で行動をし、1人でいる時間を楽しめるのが大人というものです。一般にブレない自分を持っているという人は単独でいることがストレスになりませんし、むしろ楽しむことができます。

    • 誰かとの繋がりがないと社会と関われない人は、依存と同じで自己肯定感をすり減らしていくことになりがちです。自分だけの軸で生きられないため、他者からの評価も必要以上に気にしてしまいます。

    • 日常の中で他者とのコミュニケーションは何よりも大事ですが、最後は自己完結できる単独のメンタルを持ちつつ、40代からの日々を送りたいものです。

    • 人の脳というのは、このようにぼんやりしているときに活性化する神経回路があり、これを「デフォルトモード・ネットワーク」(DMN)と呼ぶそうです。

    • 脳科学研究の第一人者である東北大学教授の川島隆太先生によれば、この働きが活性化しているときに、脳内では蓄積された情報の整理が行われ、これによりクリエイティブな発想が生まれやすくなることがわかっているのだそうです。

    • のんびりと散歩や日向ぼっこをしたり、公園や川辺などでボーっとしたりしてみることは、禅の悟りを開く行為と地続きにあると考えてもいいのかもしれません。

    • 実際、瞑想や座禅に集中できている人の脳を分析すると、デフォルトモード・ネットワークが活性化しているといいます。

[8月]
 
  • 社会的孤立・孤独問題へのアプローチ 芝原靖典 仕組みの群像 2024-08-04
    • 社会的孤立・孤独の定義

    • 全国実態調査が描く社会的孤立・孤独者像

    • 社会的孤立・孤独に対するWHOの見解

    • 社会的孤立・孤独問題への社会システムズアプローチ

    • 社会的孤立・孤独問題における情報工学・モビリティ的側面について

    • 社会的孤立・孤独問題におけるリスクマネジメント的側面について

    • 社会的孤立・孤独問題におけるまちづくりアプローチ

    • おわりに

 
[7月]
  • 「1人で食事が常態化」現役世代の孤食という問題 コミュニティーディナーを始めた会社の意図 阿古真理 : 作家・生活史研究家 2024/07/29 11:00 東洋経済ONLINE
    • 「われわれが孤独を問題視するのは、人と話す機会が減ってしまうと、精神的にいいコンディションになりにくい傾向を感じているからです。悩みが肥大化し、解決も遅くなる」と話すのは、コーチングを手がけるはぐくむの小寺毅社長(大学講師や企業研修の仕事も行う)だ。

    • 「今は人とのつながりが、どんどん薄くなっている気がします」と小寺社長。はぐくむでは、他者、自分、そして自然との3つのつながりが人生を豊かにする、とコーチングを実践してきた。

    • 2020年10月、東京・世田谷区にコミュニティーカフェ「はぐくむ湖畔」を開業し、コミュニティーディナーと呼ぶ「他人同士が交流できる」食事会を始めた。創作料理のコースで1回3500円。2時間の会の定員は15人でほぼ初対面同士だが、スタッフが1人ファシリテーターとして参加し、活動の主旨を説明し、4人ずつのユニットでテーマを設定して語り合うなど、打ち解けやすい仕掛けをする。

    • はぐくむが志すのは、多様なライフスタイル、価値観を持つ人たちが自分らしく生きられる環境を整えること。

    • 孤食の問題は、家族や職場以外で人と気軽に接する場が減って深刻化したとも言える。つながりを回復する試みとして、コミュニティーディナーは注目する価値があると言えるのではないか。

 

  • スティグマを根絶するために Lundbeck Japan K.K. 2024年7月閲覧
    • 精神疾患の最大の障壁の一つが、精神疾患にかかわるスティグマ(偏見・差別)です。精神疾患に対するスティグマは世界共通の課題であり、文化や状況を問わず全世界に存在しています。

    • スティグマは、社会的孤立や差別を招き、生計を立てることや質の高いケアを受けたりする能力や、コミュニティの一員となったり精神疾患を治したりする能力に影響を及ぼします。Lancetが実施した研究では、回答者の80%が、精神疾患そのものによる影響よりもスティグマや差別のほうが深刻である可能性があることに強く同意しました。

    • スティグマを減らす取り組みを進めていく第一段階となるのが、パブリック・スティグマ(特定のコミュニティや社会の人たちによる精神疾患を抱える人たちに対する見方や行動)の理解です。

    • 「The Lancet Commission on Ending Stigma and Discrimination in Mental Health (2022)」では、スティグマによる影響を4領域(「個人的な影響」、「構造的な影響」、「保健医療や社会的ケアにおける影響」、「社会的および経済的な影響」)に分けています。

    • スティグマを生み出すような言葉は、精神疾患を抱える人たちに向けた否定的な態度や行動を生み、増幅します。有害な会話を改善するための第一歩は、精神疾患を抱える人たちと率直かつ丁寧に話をすることです。

    • 「The Lancet Commission on Ending Stigma and Discrimination in Mental Health」では、精神疾患を抱える人と会話したりそのことについて話したりする際には、person-first language([障害ではなく]人を最初に示す言葉)を使用するよう奨励しています。

    • person-first languageを使用すれば、その人が抱える障害ではなくその人個人を中心に置いて考えることができます。

  • 孤独・社会的孤立に係る統計、言葉の定義と社会的影響力 2023-07-20 pwc
    • 「孤独」や「社会的孤立」について、世界の公的機関がその言葉を定義していますが、実は世界共通の確固たる定義があるわけではありません(整理図表あり)。それでも、各定義にはいくつかの共通概念が含まれており、ゆえに、これら2つの言葉は概ね以下のようにまとめることができるのではないでしょうか。

      • 孤独(Loneliness)とは:その人が希望するよりも社会的接触が少ないことによって生じる主観的状態

      • 社会的孤立(Social isolation)とは:社会的な接点の数によって判断できる、測定可能な客観的状態

    • つまり、「社会的に孤立している人は全員、孤独を感じている」もしくは「孤独な人は全員、社会的に孤立している」わけではない、と考えられています。

    • 孤独や社会的孤立は、今後さらに世界で注力される研究テーマだと言えます。近年はさらに幅広い学問分野で孤独や社会的孤立の研究が始まっており、例えば、孤独や社会的孤立が引き起こす経済的損失を算出する研究や記事も発表されています。

  • 血縁、地縁、社縁… しがらみから解放された先に「孤独」の副作用 毎日新聞 2024/7/19 06:00(最終更新 7/22 13:22)
    • 孤独・孤立の問題に詳しい早稲田大の石田光規教授(社会学)へのインタビュー記事

    • 8050問題は、孤独がもたらした最悪の帰結の一つといえるでしょう。地域のつながりが薄くなり、何らかの事情で仕事に就けない人たちが孤立してしまう。生活するには親の年金と貯金を頼りにするしかないのですが、親が亡くなったら八方塞がりになります。

    • 2025年には「団塊の世代」(1947~49年生まれ)が全員75歳以上の後期高齢者になり、「団塊ジュニア世代」(71~74年)も50歳以上になります。現状を放置すれば8050問題はより深刻化し、「9060問題」に移行するケースも増える恐れがあります。
       

  • シングル高齢者の増加とその経済状況-未婚男性と離別女性が最も厳しい 2024年07月17日 ニッセイ基礎研究所
    • 未婚化や離婚の増加等により、配偶者のいないシングルの高齢者が増加している。1980年代には、未婚や離婚は少数派で、中年以降は、一部の死別を除けば「有配偶」が大半だった。ところが2020年には、「未婚」や「離婚」が大きく増加し、男女いずれも、65歳の4人に1人はシングルという状況になっている。

    • 男性では「未婚」、女性では「離別・死別」が、各指標において、概ね最も厳しい状況にあることが分かった。また、男女間で同じ配偶関係同士を比較すると、女性の方が、非正規雇用や低年収の割合が大きいなど、よりリスクが高いことが分かった。

    • 特に女性は、これまでの筆者のレポートでも述べてきたように、男性に比べて低賃金であり、結婚・出産を機に退職した場合、再就職時には非正規雇用となることが多いことから雇用条件が悪くなりやすい。「女性の活用・活躍」は企業にとっても課題であることから、今後は企業においても、中高年女性の労働条件改善や再就職支援の取り組みが広がることを期待したい。

    • また、国を挙げて少子化対策が推進される中で、男性の就業条件の低さが未婚につながっている可能性についても、より検討されるべきだろう。​

  • エリクソンの8つの発達段階について解説 2024.07.15 まちびと
    • ​エリクソンの発達段階論(心理社会的・漸成的発達理論)とは

    • 乳児期(生後)|0〜17ヶ月

    • 幼児前期|18ヶ月〜3歳

    • 幼児後期|3〜5歳

    • 学童期|5〜13歳

    • 青年期|13〜20歳

    • 成人期|20〜40歳

    • 壮年期|40〜65歳

    • 老年期|65歳〜​

    • 関連:エリクソンの発達段階に応じた年齢別発達課題とは 2023.09.15 ロボ団

      • 乳児期(生後〜) 心理社会的危機:基本的信頼vs不信 得られる要素:希望

      • 幼児前期(18ヶ月〜) 心理社会的危機:自律性vs疑惑 得られる要素:意思

      • 幼児後期(3歳〜) 心理社会的危機:積極性vs罪悪感 得られる要素:目的意識

      • 学童期(5歳〜) 心理社会的危機:勤勉性vs劣等感 得られる要素:有能感

      • 青年期(13歳〜) 心理社会的危機:自我同一性vs同一性の拡散 得られる要素:忠誠心

      • 成人期(20歳〜) 心理社会的危機:親密性vs孤立 得られる要素:愛

      • 壮年期(40歳〜) 心理社会的危機:生殖vs自己吸収 得られる要素:世話

      • 老年期(65歳〜) 心理社会的危機:自己統合vs絶望 得られる要素:英知​

[6月]
  • 上級国民と下級国民…日本の格差や「忖度文化」「社会からの孤立」はがんじがらめになった〈絆〉のせい? アフターコロナの人とのつながり方の処方箋 山口 揚平 2024.6.10 THE GOLD ONLINE
    • 絆からそろそろ卒業しよう。絆とは硬直的なつながり、紐帯(ちゅうたい)とは柔軟性のあるつながりである。その紐帯を大事にしよう。

    • 平成から令和への最大のシフトは、論点が空間(距離)から時間へと移ったことだ。平成時代はとことん距離の概念をなくすことがビジネスだった(インターネットやLCC)が、トドメを刺したのがコロナ・ショックだ。世界から完全に距離が消えた。これからは時間が論点になる。世界は同時多発的に展開される。事件・テロ・産業・そして今回のパンデミックも。新興企業は生まれたときから多国籍だ。空間(平成)、時間(令和)が克服される(ゼロになる)とその次の時代、ようやく光が焦点になる。

    • コロナ・ショック最大のインパクトはつまり、「本当に一緒にいたい人の価値」が明らかになったことだ。これからの仕事(プライベートも)は、あの人とはコールで、その人とはZoom(遠隔テレビ)でいいけども、この人とは一緒にいたいという「臨在価値(ピアバリュー)」が明確になるし、そうして選ばれた人の価格は競り上がる。

    • 2040年には家族の平均構成人数が2.1人となる予測がある。おひとりさま世帯およびグループが増加傾向にあるのだ。世帯構成人数が減少し、地域のつながりが弱まっている中、孤独を感じる人たちが増えており、社会的コストが問題になっている。日本はOECD諸国の中でも、孤独を感じている人の割合がとくに高い。孤独は日本において今後取り組むべき/注目される大きな課題である。日本の「つながりのないコミュニティ」の社会的コストは年間24.26兆円。

    • 家族で子どもを育てるのではなく、地域とコミュニティで育てるのが正解であり、早く移行したほうがいい。子どもの養育において実親や戸籍を重視すると、繁栄からますます遠ざかる。

    • 「自分の子ども」という概念を持ち続けることには限界がある。子どもはコミュニティで育てなければならない。この国のコストの中心は社会保障費であり、その中核は孤独と孤立である。

    • くじ引きでメンターやマスターを決めて、クラス替えのように毎年入れ替わる仕組みを導入してでも世話をし、世話をされるというつながりを作らなければならない。

 
​[5月]
 

 

  • 「誰とも繋がりたくない人」に伝えたい孤独の影響 孤独が蔓延すると社会はどう変わってしまうのか 2024/05/04 9:4 東洋経済ONLINE

    • 『グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない』の著者の1人で、ハーバード成人発達研究所の責任者であるロバート・ウォールディンガー教授に聞いた(インタビュー後編はこちら)。

    • 会社で「つながり」のある人のほうが生産性が高い。

    • 人々はSNSに流れてきたものしか見ず、何が真実で何が現実なのかが、今のアメリカでは人によって違うものになっています。例えば、アメリカにはジョー・バイデンが合法的にアメリカの大統領ではない、と考えている人が何百万人もいます。考えの違う人たちがお互いに話をするのが望ましいのに、状況は悪化するばかりです。社会的孤立はこうした状況に拍車をかけると考えられます。

    • 孤独は、個人、家族、そして地域社会、あらゆるレベルで対処する必要があるものと言えます。私たちが1つ知っているのは、物理的な環境を変えると、人々が互いに交ざり合い、語り合い、友人を作る可能性を高められるということです。

    • 例えば企業では、経営陣が、社員などが友人を作れるような環境を整え、文化を変える努力をしなければいけません。同じように、政府は都市や町に、人々が楽しく安全に集えるスペースを作る、といったことができるのではないでしょうか。

    • 誰もが少なくとも1人か2人の信頼できる人を必要としているということです。どんなに内向的であっても、です。内向的な人は、自分には何か悪いところがあると思い込むことがありますが、そんなことはありません。彼らに悪いところは何1つないのです。

    • まず一歩踏み出すにはどうしたら? まず、初対面の人に声をかけること。そして大事なのは、これが毎回うまくいくとは思わないことです。言わば野球で打席に立つようなものです。

    • 誰ともつながらないことを美化する風潮はよくありません。人間は社会的な動物として進化してきたからです。人間は何百万年も前から、人とつながり、安心・安全を確保することで生き残ってきたわけですから。進化の目標が遺伝子を伝えることだとしたら、つながっている人々のほうが生き残れる可能性が高くなります。実際、ほとんどの人にとって1人でいることはストレスがかかります。私たちの研究では、人は1人でいるときほど熟睡ができないことがわかっています。繰り返しになりますが、人とつながらないことを美化する風潮は危険です。

​​[4月]
  • 頼れる親族がいない高齢者が今後急増 ー 支援のあり方の見直しが急務 ー 2024年4月15日 ㈱日本総合研究所
    • ​(1) 2024年4月に国立社会保障・人口問題研究所が発表した『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』によると単独世帯の高齢者が2050年には1084万人まで増加する見通し(図表1)。これは前回推計を約150万人上回っており、予想を超えるペースで独居高齢者が急増(2040年時点同士を比較)。
    • (2)独居高齢者のうち約半数は片道1時間未満のエリアに子が住んでいる一方で、子がいない人が29%に上る(図表2)。50歳時未婚率は2000年から2020年の間に男性は9%から28%、女性は5%から18%へと大きく上昇しており、頼れる親族がいない高齢者が今後さらに増加することは必至。
    • (3)上記推計によると、65歳以上の未婚者数は2050年には現在の3倍以上にあたる約700万人まで増加する見通し(図表3)。未婚者・離別者は子がいない割合が高く、子を持たない夫婦も増加傾向にあることから、性別・年齢・配偶関係に着目して子の有無を試算すると、2050年には子のいない高齢者は現在の1.9倍にあたる1,049万人へと増加する見通し。
    • (4)死亡者数全体の半分超を占める85歳以上に着目すると、子がいない人の割合は2020年には1.4%であったのに対し、2050年には19.5%に上る見通しであり、もはや少数の例外ではなくなる(図表4)。介護サービスの利用手続きや終末期医療の意思決定支援、死後対応などにおいて、現在のように子に代表される親族支援者がいることを前提とした支援の仕組みの見直しが急務である。
 
  • 「孤独感」と「暴食」の関係が明らかに、女性対象の米調査で 2024.04.09 15:00 Forbes JAPAN
    • 孤独と肥満の関連性を掘り下げようと、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校グッドマン・ラスキン・マイクロバイオーム・センターの研究者兼共同ディレクターであるアルパナ・グプタの研究チームは、カリフォルニア州ロサンゼルス在住の女性93人を対象に調査を実施。対象者は18〜50歳。

    • 「社会的に孤立した人は強い欲求を抱え、血糖値を急激に上昇させる食物や飲料を摂取する可能性がある。甘い食べ物には社会的排除に伴う苦痛を和らげる鎮痛作用があり、極めて満足感が得られるものでもある」と研究者「心の病が精神的な健康状態に影響を及ぼす場合、長い間社会から孤立している間に受ける負の影響に対抗しようと暴食に走る可能性がある」と説明する。

    • 孤独を感じると高カロリーで糖分の多い食品を摂るという悪循環から抜け出す方法のひとつは、まず自分が孤独を経験し、社会的に孤立していると自覚することだと指摘。他者とのつながりを求めることも有効かもしれないが、自分自身を思いやるセルフコンパッションを実践することも解決策になりえるという。

 
[3月]

[2月]
  • 「孤独」は公衆衛生上の緊急事態、米国の地方当局が宣言 2024.02.12 14:00 Forbes Japan
    • カリフォルニア州サンマテオ郡の当局は2月1日、人々の孤独を「公衆衛生上の緊急事態」と宣言する決議案を可決し、日本や英国、ニューヨーク州などの当局と並んで、専門家が生命を脅かす症状のリスクの増加を警告しているこの問題に取り組もうとしている。

    • カリフォルニア州ではパンデミックが始まる以前から、専門家が人々の「孤独や孤立、つながりの欠如」についての警鐘を鳴らしており、ニューヨーク州は昨年11月に、深刻化する社会的孤立の問題に対処するための「孤独の名誉大使(honorary ambassador to loneliness)」を任命していた。また、世界保健機関(WHO)も同月「社会的つながりに関する委員会」を発足させており、日本や英国もこの問題への対処を開始している。

    • メタとギャラップが140カ国以上の人々を対象に行った調査で「非常に孤独を感じている」、あるいは「かなり孤独を感じている」と答えた15歳以上の人々の割合は、24%に達していた。

 
​[1月]
  • 京アニ放火殺人 公判で青葉真司被告の「孤独」浮き彫り、識者は「社会とつながりもてる仕事」への支援訴え 2024/01/26 08:00 読みうる新聞オンライン
    • 京都地裁判決は、青葉被告が事件を起こした背景に周囲からの孤立が影響していることも否定できないと指摘した。

    • 公判では、被告の生い立ちが明かされた。9歳で両親が離婚し、父親から身体的・心理的虐待を受け、困窮した家庭で育った。成人してからも職場の上司とトラブルを起こすなどして、派遣の仕事を転々とした後、30歳頃から無職だった。

    • 被告は被告人質問で「友人はいないし、職場での結びつきもない。最終的に人に会うのも嫌になり、会わなくなった」と述べた。

    • 21年の大阪・北新地クリニック放火殺人事件や、京王線や小田急線の電車内で乗客が無差別に襲撃される事件など、孤立した人が起こす事件は後を絶たない。

 

  • Z世代は最も孤独な世代。親の期待、成果へのプレッシャー…要因は成長期の経験 Jan. 20, 2024, 06:30 AM  LIFE INSIDER
    • 多くのZ世代は驚くほど孤独でもある。医療保険会社のシグナが2020年に委託した大規模調査によると、Z世代ほど社会的断絶を強く感じている世代はないという。Z世代が全体的に孤独を感じているのは、これまでの世代との経験の違いに起因していることにある。

    • 1996年から2010年代初頭までに生まれたZ世代の変化は、幼少期から始まっている。

    • Survey Center on American Lifeの調査によると、Z世代に属するアメリカ人のうち、幼少期に毎日家族と食事をしたと答えたのはわずか38%だった。これに対し、ベビーブーム世代では2倍の76%、X世代は59%、ミレニアル世代でも46%が毎日家族と食事をしたと答えており、Z世代との違いは鮮明だ。

    • 毎日の食事を通じて築かれるつながりや信頼は、家族の関係に長期的な影響を及ぼす。幼少期に家族が定期的に団らんを囲む習慣があったアメリカ人は、両親との関係が良好であることが示されている。

    • 一人親家庭の場合、家族での食事はさらに難しくなる。

    • Z世代は、両親が共働きであることが当たり前になった最初の世代だ。

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