
研究論文
[2025年]
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2025/08/25ほぼ最終稿 孤立・孤独とモビリティ 社会福祉研究 ⽶澤拓郎
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本稿では、孤立・孤独とモビリティの関係を整理し、モティリティや予期空間の概念を踏まえたサービス・モビリティの活用について紹介しました。孤立・孤独の問題は単一の技術では解決できませんが、コミュニティ・コンパスのような仕掛けが「移動したい」「人と会いたい」という気持ちを呼び覚ますことが、孤立予防の第一歩となると信じています。
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2025/07/23 短期の社会的孤立による社会的接触行動の増加に島皮質が関与することを解明 学校法人慈恵大学
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短期間の社会的孤立を経験したマウスでは、他個体との接触行動の増加に加え、孤立中の摂食量の増加もみられました。
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孤立中に島皮質の活動が抑制されると、その後の他個体との接触行動は減少しました。
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孤立による社会的な情動価の高まりと、それに伴う行動変容に島皮質が重要な役割を果たしていることが明らかになりました。
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2025/06/03 若年層のワクチン忌避、社会的孤立より“孤独感”が影響 | Science Tokyo - 東京科学大学
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都内の大学生約3,000名を対象とした調査から、「孤独感」(望ましい人間関係が得られないという主観的感情)は、新型コロナワクチンをためらう主な心理的リスク因子であることが示されました。
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一方、「社会的孤立」(人と会う頻度が少ないという客観的状況)とワクチン忌避との間には、明確な関連は見られませんでした。
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孤独を抱える学生は、そうでない学生に比べて約2倍の確率でワクチン接種をためらう傾向がありました(年齢・性別・健康状態などを統計的に調整後も有意)。
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今後、大学や地域社会における感染症対策には、学生の孤独感を軽減するための心理的サポートや交流機会の確保が重要となる可能性が示唆されます。
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2025/02/07 共同発表:ひきこもりとされる人は用いられる基準によって大きく異なる 筑波大学・茨城県立こころの医療センター・東洋学園大学・科学技術振興機構(JST)
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近年、社会的ひきこもり状態(ひきこもり)への支援の必要性が高まっていますが、ひきこもりをどのような特徴で定義するかについて、これまでほとんど議論されてきませんでした。
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本研究では、政府による全国調査において一般的に用いられる社会的ひきこもりの基準、および最近提案された精神科のひきこもりの基準(病的ひきこもり、非病的ひきこもり)の両基準を用いて、各基準を満たすグループを定義し、グループ間の重複と相違を明らかにするための調査を行いました。具体的には、2024年2月から1ヵ月間、茨城県笠間市の住民を対象にアンケート調査を実施し、回答者が2つの基準にそれぞれ当てはまるかを調べ、政府調査基準の「社会的ひきこもり」、精神科基準の「病的ひきこもり」「非病的ひきこもり」の各グループの異同を分析しました。その結果、各グループの間にはそれぞれ重複があるものの、グループの違いも大きいことが明らかになりました。
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また、これまでの市町村の調査では、政府調査とは異なるひきこもりの定義が用いられているケースも多く、定義や母集団の特徴の違いが理解されなければ、ひきこもりに対して誤った理解が生じる可能性があり、調査結果の解釈や比較に注意が必要なことが分かりました。ひきこもりへの支援に当たっては、用いている基準を意識すること、ひきこもりを過度に医療化せず、精神保健福祉のさまざまな立場から多角的な評価を行うことが重要と考えられます。
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2025/01/07 大学閉鎖時のオンラインでの対人交流は大学生の孤独感の低減には効果的でない可能性 |同志社大学
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COVID-19の感染拡大時に大学をはじめとした多くの機関はオンラインツールを用いた対人交流機会の確保を孤独感対策として導入していた(せざるを得ない状況だった)
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しかし、実際にオンラインツールを用いた対人交流が孤独感低減に効果的なのかは不明であった
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国内の60大学に所属する約5,000人の大学生を対象に調査を実施
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通常時は孤独感を低減する、友人とのオンライン交流は、大学閉鎖時になると孤独感の低減を予測しないことを明らかにした
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