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対応策(仕組み・技術等) [2024年]

[11月]
  • 持続可能な地域社会づくり 兵庫県養父市 関宮地区の「小さな拠点」 中山間地の活力ある未来とは PwCコンサルティング 2024年11月号 事業構想
    • 兵庫県養父市が進める「関宮小さな拠点整備事業」は、養父市関宮地区で、生活に不可欠な医療・福祉をはじめとするさまざまなサービスを1カ所に集約、住民が暮らす地域と結ぶ交通サービスも組み合わせた拠点を整備し、持続可能な地域の実現を目指す取り組みだ。拠点には、訪問介護センター事務所なども併設したコミュニティ施設のほか、高齢者関連施設や店舗などの建設も予定されている。

    • 小さな拠点の整備の狙いは、関宮地区が持っていた活力を取り戻すことにある。高齢者が医療福祉やその他のサービスが集約された「小さな拠点」に定期的に通うことで、仲間と話ができる機会が増える。と同時に、若い人や子どもが集まってくるような賑わいをもつくり出したい考えだ。

​[10月]
  • 医療にも応用される「物語の癒し効果」 日本独特の物語形態「癒し系」が世界で人気を博すワケ 2024.10.26 COURRiER
    • 日本研究者のポール・ロケットによると、「癒し系」とは穏やかさの美学を通じて、疲れた読者を癒すことを目的に作られた日本の物語ジャンルだ。彼が述べているように、この目的を達成するため、それらはプロットに衝突や対立というものがほとんど、あるいはまったくない物語として提示される。

    • 教育者でジャーナリストのパトリシア・タンが指摘するように、癒し系は対立ではなく、通常、「ふわふわの靴下を履いて、一杯のお茶とともに大きな毛布にくるまるような、あたたかさと居心地のよさ」を与えてくれる。

    • 大きな文化的ストレスがある時代には、人々が消費するメディアを通じて、文化的癒しが求められるのだ。

    • 癒し系物語という概念の根底には、文化や物語が人々に癒しを与える能力についての、より根本的な問いがある。これらの問いは、「グラフィック・メディスン」や「ナラティブ・ベースド・メディスン」という学術分野で実践されている考え方と密接に関係している。

    • また、「ナラティブ・ベースド・メディスン(NBM)」とは、患者が自身の病をどのように捉えているかを把握し、それに基づいて全人的(身体的・心理的・社会的)におこなう医療のことで、物語が患者のケアと医療従事者の充実感に大きな影響を及ぼすと考える医療従事者たちによって実践されている。

 
  • 科学が証明 「手書き」の絶大なメリット、「脳全体が活性化する」 集中力が増し、記憶が保たれ、学習と認知機能が強化される、ほか 2024.10.07 NATIONAL GEOGRAPHIC
    • 「統計的に見ると、手書きと記憶の関係をテーマにした研究のほとんど(日本、ノルウェー、米国などで行われたもの)は、コンピューターで入力するより自分の手で書いた方が、その内容をよく記憶できると示唆しています」と米国の首都ワシントンD.C.にあるアメリカン大学の言語学名誉教授ナオミ・スーザン・バロン氏は話す。

    • 手書きにさまざまなメリットがある理由の一つは、書くという行為に複数の感覚が関与していることだ。「ペンを指で持ち、紙に押し当て、文字や単語を書くために手を動かすことは、注意力を必要とする複雑な認知運動スキルです」と、英ロンドンにあるブルネル大学の作業療法部門を率いるメリッサ・プルンティー氏は説明する。

    • 「人の脳は感覚情報と運動情報を処理するように進化しました」とアジズ・ザデー氏は話す。「感覚処理と運動処理をつかさどる脳の同じ領域が、今では高次認知にも関与しています」

    • 「最も驚いたのは、デジタルペンで手書きしているときは脳全体が活性化するのに対し、キーボードでタイピングしているときは活性化する領域がはるかに小さかったことです」とファン・デル・ミーア氏は振り返る。「この結果は、自分の手で文字を書いているときは、その作業を完了させるため、脳の大部分が使われていることを示唆しています」

    • 「手で文字を書く習慣は、脳にとって非常に良い運動です」とファン・デル・ミーア氏は話す。

​[9月]
  • 〈ひきこもりのゴールは働くことではない〉続く誤解、変わるべきは社会のまなざし 立教大学社会学部・石川良子教授インタビュー 2024年9月26日 Wedge ONLINE
    • ​今の社会はひきこもりの人に対して、「怠けている」「何もしていない」という意見がいまだに蔓延っていると感じます。しかし、私が向き合ってきた多くの当事者は、「こんなことをしているのは自分だけだ」と孤独を感じていて、様々な悩みをため込み、どこにも発散できず、ぐるぐると考え込んでいる。まるで〝生き埋め〟にされているような状態に陥っているのです。

    • ひきこもりの解決策として、働くことがゴールであると位置づけられている支援が多いように思います。しかし、働くことよりも、まずは、「その人自身が幸せに生きる」ことが大切にされるべきなのではないでしょうか。

    • 一般的には社会に復帰し、働くことがゴールだと考えられていますが、調査を続ける中で「ひきこもり」とは社会参加・就労の問題ではないと考えるようになりました。「ひきこもり」とは生きることを巡る葛藤なのです。したがって、本人が自分で考え抜き、悩みや苦しみに折り合いをつけ、自分の人生・存在に納得することを抜きにして解決を語ることはできないでしょう。

    • 今は、様々な人を受け止められる「余裕のある社会」ではなくなってきています。変わるべきは我々、そして社会なのかもしれないという視点を持つことが必要なのではないでしょうか。

 

 

  • <注目>孤独化する中高年男性の共通点、処方箋は「おはよう」「ありがとう」を言い合えるコミュニティーを増やすこと 若月澪子( ジャーナリスト) 2024年9月25日 Wedge ONLINE
    • 長時間労働をしてきた中高年男性は、仕事以外の場で新しい友人を作ることが難しい。加えて仕事に明け暮れているため、家庭内でもいつの間にか孤立している。「家族に本音は話せない、弱みは見せられない」という男性の声はよく聞く。彼らを見ていると、「自己責任」「人に迷惑をかけてはいけない」という思い込みが強く、完璧主義の人が多いように思う。 おそらく、古典的な「男らしさ」や「べき論」に縛られ、いつの間にか人を寄せ付けない孤高の存在になってしまうのだろう。

    • 空き缶拾いで生計を立てている独身男性(65歳)。この男性が人を頼る術を持っていたら、夜中に隠れて空き缶を拾わなくても、堂々と「環境保全活動」ができた可能性もあるのではないかとも思う。

    • 彼のように「人の世話になりたくない」「自分一人でどうにかしなくては」という人には悲劇が訪れることもある。

      • 2022年11月、神奈川県大磯町で、40年間車いすの妻を一人で介護していた80代の男性が、妻を車いすごと海に突き落とす介護殺人を起こした。この男性は妻の介護を自分の義務と考え、周囲からの援助の申し出を断り、たった一人で背負いこんでいたという。介護殺人の加害者は女性よりも男性が多いことが指摘されている。

    • 家庭内で起こる介護殺人や虐待、モラハラやDV、さらには店員に執拗にクレームを入れるカスハラ(カスタマーハラスメント)などの社会問題は、当事者の根底に孤独があると思う。

    • とくに中高年男性は組織から切り離された時、孤独の中で懊悩する。それでいて彼らは人に助けを求めることが苦手である。孤独のうちに問題を一人で抱え込み、風船のように怒りや悲しみが膨らんで、ついには破裂してしまうのだ。30代以降で男女の孤独感が逆転。

    • では誰かに助けを求めることが苦手な人は、どうすればいいのだろう。

    • 「自立とは、依存先を増やすこと」。「『自立』とは、依存しなくなることだと思われがちです。でも、そうではありません。『依存先を増やしていくこと』こそが、自立なのです。これは障害の有無にかかわらず、すべての人に通じる普遍的なことだと、私は思います」

    • 助けてもらうことを恥ずかしいと思わず、家族以外にも広く浅く依存できる相手を増やしていくことが、結果的に自立に結びついていくという考え方だ。「孤独」はセルフチェックしにくいことだ。「私は孤独です」と堂々と言える人は、実は孤独ではない。本当に孤独な人は、空き缶を拾う男性のように、自分の孤独から目を背けている。

    • だからこそ私たちは、家族や会社以外の場に、広くて浅い「依存先」を意識して増やしていく必要があるのではないかと思う。 

    • まずは「おはよう」「ありがとう」だけでも言い合えるコミュニティーを、地味に広げていくことから始めてみてはどうだろう。

    • 町内会や近所の人、副業、ボランティア、SNSでもいい。自分が入っていけそうな場所を2~3カ所探してみる。するとそこから枝分かれして、さらに次のコミュニティーが広がっていくものだ。また、ボランティアや町内会などの活動を通じて、自分自身が誰かの「依存先」になる経験をしてみることも素晴らしいことだと思う。 

    • つまり、これくらいの世界がいくつかあれば、いいのではないか。〝ゆるい〟関係でいいのである。「ありがとう」と言ったり、言われたりするうちに、個人の孤独が氷解することもある。

    • 今は女性も会社組織などで長時間労働している。意識して職場以外の場を作っていかないと、いずれは男性と同じように「孤独なおばさん」化する可能性があるので注意していきたい。

  • 担い手不足の「民生委員」は転換期か… 身近な見守り役をどう確保?記者が同行して考えた 2024年9月22日 12時00分 東京新聞
    • 地域で1人で暮らす高齢者らの相談に乗り、支援が必要な場合に行政などにつなぐパイプ役を務める民生委員。大正時代から100年以上の歴史ある制度だが、担い手不足が深刻な課題だ。厚生労働省の検討会が6月に始動し、在り方そのものにも及ぶ議論がされているが不調に陥っている。

      • 民生委員:地域住民の身近な相談相手で、支援が必要な場合に行政や福祉サービスにつなぐ役割を担う。民生委員法に基づき、町内会などが地域住民から候補を選び、都道府県知事の推薦を受け、厚労相が委嘱する非常勤の地方公務員。1917年に岡山県で創設された「済世顧問」制度が始まりとされ、全国各地に広まった。ボランティアのため無報酬。任期は3年で再任も可。子どもを見守り、子育て世帯の悩みを聞く児童委員も兼ねる。2022年の平均年齢は66歳。男女比は4対6。

    • 葛飾区の担当者は「行政の目が届きにくい場所をカバーしてくれている。民生委員は区民と区をつなぐ架け橋で、高齢化社会が進む中で大切な存在」と話す。

    • 担い手を地域住民に限っている要件を緩和し、別の自治体から通勤する「在勤者」も対象にできたら、課題解消につながるのではないか。東京23区の区長でつくる特別区長会のこんな提案が閣議決定され、厚労省は6月、民生委員の団体や自治体で構成する検討会を発足。「18歳以上の日本国民で、市区町村に3カ月以上居住している」ことを条件とする民生委員法の改正を視野に、要件を緩和する方向で議論を始めた。だが7月にあった第2回までに、構成員の意見は賛成、反対の真っ二つに割れた。

    • 民生委員側は全ての団体が反対した。休日や夜間の見守り対象者の急変時の対応、災害発生時の安否確認や避難所開設への協力が求められるが、在勤者では「困難が想定される。遜色ない行動ができる条件があるのか」と疑問視。強調したのは、民生委員児童委員信条がうたう「隣人愛をもって」との考え方だ。別の担い手確保策として、業務負担の軽減、候補を推薦する母体の拡大強化などを提案した。

    • 民生委員制度に詳しい新潟医療福祉大の青木茂教授は「あて職も多く、行政などに『何でも屋』のように頼まれやすい。候補者探しも地元に丸投げの場合も多い。担い手不足の根源は、負担の過多にある」と指摘し、「民生委員を取り巻く環境を見つめ直さないまま、居住要件という制度の根幹に関わる変更は一足飛びな印象を受ける」と語る。

  • 定年後の“濡れ落ち葉症候群”は要注意 妻と死別後の男性を孤独・孤立から救う「メンズ・シェッド」とはメンズ・シェッド 2024/09/19/ 17:0 AERAdot.
    • 医師で京都大学の近藤尚己教授(社会疫学)は、過去にハーバード大学の学生たちと、パートナーと死別した人はパートナーがいる人に比べ、その後に亡くなる確率がどれだけ高くなるかについて研究した。

      • 社会疫学とは、社会が健康に与える影響をひもとく学問。

    • 研究の結果、パートナーとの死別から6カ月以内に残された側が亡くなる確率は、パートナーがいる人が死ぬ確率より1.41倍高く、6カ月以降でも1.14倍高いことが分かった。男女別でみると男性は亡くなる確率が23%も高くなるのに対し、女性はわずか4%。「後を追うように死んでしまう」のは、女性より男性が圧倒的に多いという結果が出た。

    • 「男性は女性に比べて所属するコミュニティーが少ないと言われており、孤立しがちになってしまうことが大きな要因だと推察されます」

    • 「コミュニティーに入りなさい、と男性を諭しても意味がない」と指摘する。重要なのは、コミュニティーに参加しやすい社会の環境づくりだ。

    • 豪州で始まった「メンズ・シェッド」(男たちの小屋)と呼ばれる、孤独な男性たちが集うものづくりの施設がある。英国などに広がり、日本にも登場している。作品を販売し、収益を運営費に充てるなどの取り組みをしている。ものづくりの過程で教え合いが生まれ、人のつながりができる。

 
[8月]
  • 「行動変容デザイナー」に求められる応用的思考 第2回 ~コンテクストに応じて、言葉の定義を拡張する知性と感性~ 行動デザインサービス(ナッジ) 2024.08.01 NTTデータ経営研究所
    • 「無関心層」という言葉の曖昧さ

    • 「検証デザイン(研究デザイン)」「エビデンスレベル」の多様性

    • 「データサイエンス」の守備範囲の拡張

    • 「効果があること(有効性)」を示す手段と目的のパラドックス

      • 有効性は社会実装のための一要素でしかない、ということも肝要である。ビジネスや行政施策を考えるうえでは、専門的な知見や十分なリソースが無くとも推進することができるか、効率的な動き出し・保守運用ができるのかといった観点での「実効性・効率性(Efficiency)」、どれだけ社会的ニーズと合致しているか、費用対効果は考慮できているのかといった「実装性・市場性(Marketing)」などの要素もバランスよく考慮する必要がある。

      • 「有効性だけでは人は動かせない(行動変容は促せない)」ことから、アカデミア、民間サービス事業者、行政などがコンテクストを理解して、求める要素の重み付けをしていくことが肝要であるといえる。

[7月]​​
  • アプリで孤独・孤立を解消ピアサポートアプリ「みんチャレ」がユーザー数150万突破高齢者の孤独・孤立対策に37自治体で導入 エーテンラボ(株)/ みんチャレ 2024年7月1日 10時00分
    • アプリ「みんチャレ」では、地域社会や個人における孤独・孤立問題の解消を目指し、ユーザーが自らの行動を通じて支え合える仕組みを提供します。

      • ピアサポートとは、デジタル技術を使い、オンライン上で同じ境遇の仲間同士が支え合い、励まし合い、課題解決を図ること。「ピア」は仲間を、「サポート」は支援を意味する(出典:日本ピア・サポート学会)。

    • デジタルピアサポートアプリ「みんチャレ」では、チャレンジしたいテーマに対して、5人1組で取り組みます。ひとりでは挫折しやすい取り組みでも、チームメンバーの存在が支えとなり、持続可能なチャレンジとなります。これまでに作成されたチームは、33万チームを突破しました。現在あるチームの約7割が、ヘルスケア・健康関連のチームです。

    • 現在、みんチャレを活用した高齢者支援事業は、東京都府中市や神奈川県藤沢市、愛知県豊橋市など、北海道から九州まで全国37の自治体で導入されています。

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[6月]
  • ゴリラとリズムと乾杯と 〜信頼形成はリズム合わせから〜 2024年06月25日 ㈱日本総研
    • ゴリラよりも小柄な人間は、ゴリラより敏捷に動くことができる。だが、そういう動き方はゴリラを警戒させる。だから決してゴリラよりも早く動かない。ゴリラのペースで動き、ゴリラが止まったらこちらも止まる。そうやってゴリラのリズムに合わせていると、ゴリラが動き出すタイミングが自然とわかるようになる。そうなって初めてゴリラに近づけるようになる。そうなるまで数年かかることもあるという。 ゴリラと信頼関係をつくる上で何より重要なのは、リズムを合わせることなのだ。

    • コミュニティには共同作業がつきものだが、その本質はリズム合わせにあるのかもしれない。そしてそれは類人猿から受け継いだ、とても本質的な信頼形成の要素なのだ。

 
  • 「孤独・孤立」対策としての外出のきっかけづくりと移動手段確保 2024年06月14日 ニッセイ基礎研究所
    • 人が孤独・孤立を抱える要因は、学校や家族関係、就労環境、育児、DV、病気、介護など、多様で、複合的だと考えられるが、性・年代やライフステージによって一定の特徴があるはずである。従って、対策についても、属性によって求められることが異なるはずであり、対象に合わせた支援が必要になるだろう。

    • 筆者が、道府県都と政令市の介護関連のデータを用いて、独自に、高齢者にとって、生活上でニーズが大きいものをランキングした2022年の調査では、「送迎、公共交通の充実」がダントツでトップだった。高齢者が外出する機会と、移動手段を同時に提供し、外出を促すという方法がある。

    • 自動車部品メーカーのアイシン(本社・愛知県刈谷市)が全国で運営している乗合タクシー「チョイソコ」がある。

      • チョイソコの場合は、「自然体で高齢者から予約が入るのを待つだけでは、利用が増えない」と考えて、外出機会そのものを作り出すことに注力している。地元企業などと連携して、お祭りやウォーキング、体操、フルーツ狩り、学習講座など、多彩なイベントを企画・広報し、地域の高齢者にお出かけしてもらうこと、その手段としてチョイソコを利用することを促している。

    • 群馬県渋川市の渋川市社会福祉協議会が運営している相乗りタクシーによる買い物支援サービス「あいのり」がある。

      • 社協が、決まった曜日の決まった時間帯にタクシーを手配しておき、買い物の手段に困っている複数の高齢者を相乗りさせて、近くのスーパーまで送迎してもらう取組である。社協によると、利用者は食料を調達するというだけではなく、タクシーの車内や、迎えを待つ待機場所で交流するようになり、生き生きと生活するようになっているという。

    • 孤独・孤立の当事者にもその両方が提供され、自然に家から出る機会が増えれば、行った先や道中で、誰かと関わり、つながり、緩やかなネットワークができていく。

  • 孤独をシグナルとして捉え、職場やコミュニティーを改善するには 2024.06.09 14:00 Forbes JAPAN
    • ​人と人とのつながり促進に取り組むカナダのNPO「GenWell Project(ジェンウェル・プロジェクト)」の創設者ピート・ボンバチは、孤独と社会的孤立の間にある決定的な違いについてこう指摘する。

      • 「孤独そのものは危機ではない。孤独とは美しいものだ。それは、他の人たちとの人間的なやりとりが欠けている、ということを認識する”身体の精神性”が発するシグナルなのだ」

    • ボンバチのこの指摘は重要だ。おそらく、われわれは孤独を「最終段階」ではなく、「シグナル」として捉え直すべきなのだ。つまり、孤独や孤立は最終的な到達点ではなく、前兆とみなすべきものなのである。

    • 社会的つながりの観点から見れば、テクノロジーは諸刃の剣だ。ピュー・リサーチ・センターの報告によると、テクノロジーはコミュニケーションを向上させるが、その結果として対面での有意義なやりとりがなくなると、孤独感や孤立感を増幅させてしまうことが多い。ボンバチは、バランスのとれたテクノロジー利用を勧める。実世界での人との交わりの代用にするのではなく、それらをより充実させるために用いるべきだ。

    • ジェンウェル・プロジェクトはこの課題に対し、イベントやキャンペーンを通じて近隣住民や地域社会とのつながりを築くことを奨励する取り組みを進めている。

    • ボンバチのアドバイスは、シンプルだが本質を突いている。「まったく知らない人にも話しかけてみよう。(中略)知らない人に挨拶するというシンプルな行動は、あなた自身を幸福で健康にするだけでなく、話しかけた相手をも幸福かつ健康にする」

    • われわれは、こうした、ささやかだが重要な意味をもつやりとりを大事にすることで、もっとつながりのある、思いやりに満ちた社会を共に創ることができる。

[5月]
  • 哲学者キルケゴールに学ぶ、「孤独でも一人じゃない」社会 2024年05月22日 MIRAI Times 千葉商科大学
    • ​過剰で不鮮明な情報に惑わされ、飲み込まれ、絶望し、孤立化する個人に対して、自分自身を助ける「道」が社会に常に開かれていなければならない。またそれを誰もが知っていなければならないし、いつでもどこでも接続可能でなければならない。それこそが、今日必要とされる、自己と他者を結ぶ「つながり」ではなかろうか。

    • 「実存哲学の父」と呼ばれるデンマークの哲学者キルケゴールは『死に至る病』の中で、「人間が知るべきことは絶望であり、絶望することのできる人間自身に宿された可能性にこそ自ら気づけなければならない」と訴えている。

    • 孤独と孤立にあってもなお、自らのうちに見いだされなければならないものとは、外的要因ではなく、自分自身の存在の可能性であり、また、それを真に支える関係性なのである。それに気づくことができたなら、自身を生かす関係に向かってできること(可能性)が、まだ残されているはずなのだ。

  • 「若年期と60歳以降」は要注意… 人が最も孤独を感じるのは何歳? 研究で「孤独感の曲線」が明らかに 2024.5.22 COURRiER
    • ​2024年5月、学術誌「サイコロジカル・サイエンス」に掲載された研究では、孤独感はU字型の曲線を描くと報告されている。自己評価による孤独感は、若年期から中年期に近づくにつれて減少する傾向にある。だが、60歳を過ぎると孤独を感じる割合がふたたび上昇し、80歳になるころには特に顕著になることがわかったのだ。

    • 身体的な筋肉があるように、私たちにも社会的な筋肉がある。そして、その社会的筋肉は、使わなければ弱くなる。そして、孤独な状態が続くと心身の健康を害し、心臓病、認知症、自殺念慮などのリスクを高めてしまう。

    • 孤独を解消する3つのステップ

      • 人間関係の整理をする

      • コミュニティに参加する(新たなつながりを求める)

      • ソーシャルメディアを減らす

        • 社会心理学者のジーン・トゥインジは、特に若い女性にとってソーシャルメディアの多用がメンタルヘルスの悪化につながり、インターネットの利用時間が「10代の孤独と歩調を合わせるように増加する」と自身の研究で発見している。

        • リアルタイムの会話に移行する。

        • 友人や家族を散歩に誘うのも有効。

    • 「与えること」から始める

      • 周囲に手助けを申し出ることで、連絡を取りやすいと感じるようになる。社会的なつながりが強まるだけでなく、手助けをすることで気分も良くなる。

 

  • 「高齢者の孤独死」年間6.8万人の衝撃! そうなりたくなければ、「公共交通」にもっと関心を持つべきだ 山本肇(乗り物ライター) 2024.5.19 Merkmal
    • ​外出頻度の低下には、加齢にともなう身体機能の衰えだけでなく、「移動の困難さ」が大きく影響していると考えられる。

    • 交通利便性の低さは、高齢者の社会参加の機会を奪い、人との交流を途絶えさせる。

    • 「行きたくても行けない」状況が、やがて孤独死へと向かうのだ。高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を送るためにはモビリティの確保、すなわち「年齢や身体能力に関わらず利用しやすい公共交通サービス」の提供が欠かせない。

    • 先進事例として、富山市の「お出かけ定期券」などが挙げられる。

      • 高齢者の外出を支援するため、路面電車・バスが定額で乗り放題になるサービス。免許返納を機に交通手段を失った高齢者のために、タクシー利用を補助する自治体も増えている。路線バスが消滅した地域ではコミュニティーバス、・デマンド交通の整備も促進されている。

    • 課題の克服に欠かせないのが、テクノロジーの活用であろう。例えば、デマンド交通への人工知能(AI)の導入は進んでいる。

  • 【詳しく】地域の孤独・孤立…ニーズ高まる民生委員の担い手は 2024年5月12日 17時57分 NHK
    • 民生委員は、任期が3年の非常勤の地方公務員で、児童委員もかね、1人暮らしの高齢者の見守りや子育て世帯の支援などに無報酬であたっています。

    • 一方、担い手が不足していて、全国の定数およそ24万人に対し、去年3月時点で1万3000人の欠員が生じていて、定数に対する「充足率」は全国で94.5%、東京都で88.5%などとなっています。

    • 民生委員は民生委員法にもとづいて厚生労働大臣から委嘱される非常勤の特別職の地方公務員で、ボランティアで活動しています。

    • 地域をよく知る民生委員だからこそ社会的に孤立した状態にある世帯にも支援の手が伸ばせるとして、改めて、役割の重要性を指摘する声も上がっています。

  • WHOが警告!「孤独」が人と国に与える経済的な損失とは? 「孤独」とは? 孤独感を和らげる方法も併せてチェックして。 By SCARLETT KEDDIE  伊賀本藍 公開日:2024/05/12 Women'sHealth
    • ​孤独感を和らげるには?(臨床心理士のジョディー・ローウィンガー博士)

      • 人とのつながりを築く

      • 自分にとって価値のあるアクティビティに参加する

      • 不安の管理と気分の改善に役立つツールを準備する

      • セルフケアを実践する

      • ペットを飼う

      • 他者に手を差し伸べる

  • インタビュー後編:孤独の大家が語る「人が80代になって後悔する事」 多くの人は「何が普通なのか」を気にしている 2024/05/05 9:20 東洋経済ONLINE
    • 本来人々をつなげるはずのSNSが普及しているにもかかわらず、私たちはなぜ、こんなに孤独になってしまったのか。実は孤独問題は1950年代から悪化する一方だという

    • 他人と自分を比較する回数が多ければ多いほど、幸福度が下がるという研究結果もあります。だから、毎日、他人がどうであるかを気にする時間を減らしている人ほど幸せなんです。SNSは、私たちを互いに比較させるだけのものです。そしてもちろん、私たちが比較しているのは非現実的なイメージです。

    • 経済的な不公平は社会的孤立を悪化させると思います。被験者たちが80代になった時に、自分の人生を振り返って一番後悔していることは何かと尋ねたところ、一番多かった後悔は、仕事に時間を費やしすぎて、大切な人たちと過ごす時間が足りなかったということでした。

    • 若い人たちにはこのことを知ってもらいたいと思います。他人があなたのことをどう思うのかなんて結局のところどうでもいいということです。

  • インタビュー前半:「誰とも繋がりたくない人」に伝えたい孤独の影響 孤独が蔓延すると社会はどう変わってしまうのか 2024/05/04 9:40 東洋経済ONLINE
    • 孤独について取り上げると、しばしば「1人のほうがラク」「孤独の何が悪い」という反応が出てくる。孤独は悪いわけではない。ただ、85年にもわたって幸福に関する研究をしているハーバード大学の成人発達研究所によると、人の幸福を左右するのは人間とのつながり一択だという。

    • ならば、今日からできることは何なのか。『グッド・ライフ 幸せになるのに、遅すぎることはない』の著者の1人で、ハーバード成人発達研究所の責任者であるロバート・ウォールディンガー教授に聞いた

    • 職場に友人がいたり、きちんとした交友関係があると人々はより生産的になるのです。

    • 人々はSNSに流れてきたものしか見ず、何が真実で何が現実なのかが、今のアメリカでは人によって違うものになっています。考えの違う人たちがお互いに話をするのが望ましいのに、状況は悪化するばかりです。社会的孤立はこうした状況に拍車をかけると考えられます。

    • 個人、家族、そして地域社会、あらゆるレベルで対処する必要があるものと言えます。私たちが1つ知っているのは、物理的な環境を変えると、人々が互いに交ざり合い、語り合い、友人を作る可能性を高められるということです。

    • 私たちが知っているのは、誰もが少なくとも1人か2人の信頼できる人を必要としているということです。どんなに内向的であっても、です。

    • 内向的な人に悪いところは何1つないのです。ほとんどの内向的な人たちは今のままでとても幸せなのです。

    • 友人を作る最も簡単な方法は、自分が楽しいと思うこと、あるいは、自分が気にかけていることをほかの人と一緒にやることです。

    • 人間は社会的な動物として進化してきたからです。人間は何百万年も前から、人とつながり、安心・安全を確保することで生き残ってきたわけですから。進化の目標が遺伝子を伝えることだとしたら、つながっている人々のほうが生き残れる可能性が高くなります。

    • 人とつながらないことを美化する風潮は危険です。

​​

​[4月]
  • 孤独・孤立の問題を人との交流で解決してはいけない 飲酒、喫煙より健康に悪影響…「孤独・孤立感」は人と一緒にいるほうが増幅してしまうという意外すぎる真実 2024.04.12 佐藤 一磨 拓殖大学政経学部教授 PRESIDENT WQOMAN
    • 「他者との交流で孤独・孤立によるマイナスの影響が本当に緩和されるのか」という疑問について検証を行ったのは、オランダのティルブルフ大学のオルガ・スタヴロワ准教授とアメリカのエモリー大学のドンニン・レン氏の研究です。この研究では2つの仮説を提示しています。

    • 1つ目が「バッファー仮説」というものです。これは、他者とつながりを持ち、交流することで、孤独・孤立感のマイナスの影響を緩和できると考える仮説です。もう1つの仮説が「増幅仮説」です。この仮説では、孤独を感じている人が人と交流しても、逆効果になるのではないかと考えています。

    • 人との交流が逆効果になるのには、2つの理由があります。1つ目は、孤独・孤立感を抱いている人にとって、他人との交流が「怖いもの」になっている可能性です。2つ目の理由は、孤独・孤立感を持っている人ほど、うまく他人とコミュニケーションすることが難しく、結局人との交流を苦痛に感じてしまうというものです。

    • 実は過去の研究から、孤独を感じている人ほど、皮肉、不信感、拒絶や裏切りというネガティブな考えを持って他人と交流する傾向があるとわかっています。要は人間不信に陥っている状況であり、このまま人と交流してもうまくいかないでしょう。この結果、他人と交流するのは大変だし、結局一人のほうが楽となってしまうわけです。

    • また、他人から孤独・孤立に陥っていると認識されると、それがスティグマ(差別・偏見)へとつながり、周囲から否定的に捉えられ、不当な扱いを受けるようになるとも指摘されています。欧米の研究では、孤独な人は他人から否定的に認識されるだけでなく、社会適応力の低い人だと考えられる傾向があります。この場合、コミュニケーションを取ったとしても、相手の反応は素っ気ないものとなり、交流するメリットは小さいものとなるでしょう。

    • このように、孤独・孤立感を抱いている人ほど、他人とのコミュニケーションに障害を抱えている場合があるため、他人とのつながりや交流を持つことがプラスではなく、マイナスにきいてしまう可能性があります。

    • スタヴロワ准教授らの研究ではドイツのデータを使い、実際に分析を行った結果、増幅仮説のほうが妥当であることを明らかにしました。一人でいるときよりも、他の人と一緒にいるときのほうが孤独のマイナスの影響はより大きかったのです。

    • また、分析の結果、孤独を強く感じている人ほど、他人と一緒にいることが幸福に結びつかないことも明らかにしています。孤独を強く感じている人にとって、他人といることがプラスになるわけではないのです。

    • 以上の分析結果は、他の人と一緒に時間を過ごすだけでは、孤独感の負担が軽減されるわけではなく、逆効果になる可能性があることを示しています。

    • 別の研究では、最も効果的な方法として、孤独を感じている人の考え方を修正・改善させるほうが望ましいと述べています。

    • 否定的な考えを修正・改善させ、社会や自分に対する認識を変えることが孤独から抜け出す方法として望ましいというわけです。孤独・孤立からの脱却は、私たちが思っている以上に一筋縄ではいかないものであり、その対応には慎重を期すべきでしょう。

 

[3月]
  • NHKアカデミア 第 7 回<人類学者 山極壽一>  2024/03/01視聴
    • 共感というのは、群れの中で個々の人々が結びつきを高めて、助け合って力強い社会を作るために、不可欠なものだったわけです。

    • 言葉というのは、それまでの音楽的なコミュニケーションとは違って、意味を伝えるんです。情報になります。その情報を介して、人々のつながりを広げたわけです。

    • それまでのコミュニケーションは、踊りとか対面とか「身体の同調」を伴っていたんですね。その限界は、大体 150 人ぐらいだろうと言われているんです。でも、言葉というのはそれを超えて、情報によって人々を結束させ、共同体を超えてつながるような状況をもたらしました。それは人間の繁栄にとって、とても大きな貢献をしたんです。

    • しかし一方で、言葉には集団の共感を暴走させてしまう、負の側面も出てきたんですね。共感力は集団の内に向かい、その共感力を元手にして、集団の外には、敵意という言葉によって、作り出された意識が向かうようになった。

    • 言葉による共感の暴走というのは、定住と食糧生産をきっかけにして、こういった形でどんどん…しかも現在、言葉による情報交換はインターネットや SNS にあふれていて、それが人々を傷つけるようになっています。つまりソフトな武器によって、人々は戦争を始めたと言っても過言ではない。

    • 一方で、人々がさまざまな形で交渉し、和解し合うことができていた対面や身体的なコミュニケーションはどんどん減少しています。コミュニケーションが身体ではなく、言葉という情報に偏ることによって、だんだん社会がおかしくなってきたと私は思っています。私たちは、相手の顔が見えない言葉だけによるコミュニケーションで、大きな不安を抱いてしまいます。そしてそれが増幅して戦争に駆り立てられる。あるいは恨みが積み重なって暴力をもたらす。そういう原因になっているのではないでしょうか。

    • 言語に偏り過ぎたコミュニケーションを考え直して、もっと身体的なコミュニケーションを増やして、人と人とが信頼関係を構築することだと思います。一緒に食事をすること、一緒に音楽を演奏したり歌を歌うこと、ダンスを一緒にすること、スポーツをすること、あるいは共同のボランティア活動に参加をしたりして、身体を共鳴させることです。「身体の共鳴」が、お互いの共感を呼ぶんです。言葉以外のコミュニケーションを増やすことによって、相手の身体に埋め込まれている気持ちや感情を深く知ることができ、それによって相互理解が深まるんだと思うんです。

    • 新たな共同体、新たな社会というものを創造するために、これまでにはないアイデンティティーの確立を目指さなければならないと思っています。

    • キーワードは「遊動」です。平等性や共感力を高めるような仕組みというのは、「人間が日々動いて、そして自由に集まってコミュニケーションをとる」ことです。新たに人間が自由に動き、自由に集まり、対話をするようになれば、定住して食糧生産を始める前の狩猟採集的な平等を尊ぶような社会に戻れるのではないかと思うんですね。個人の所有よりも、みんなで共有しましょう。徹底した平等志向そして自由な時間をたくさん作って、みんなで助け合いましょう。勝ち負けではなくて互いに対等につきあえるように、メンツを保ちましょう。

    • もう一つは、「プラネタリーバウンダリー」です。科学は必要だけれど、それと同じように人間が生きる上で重要なのは文化です。衣食住をつかさどっているのは文化ですから、それが共鳴しなければいけません。今、科学と文化はミスマッチを起こしているからこそ、地球環境はどんどん壊れている。

    • 最後に私たちが未来を創る大きな方向性として、キーワードは「シェアリング(共有)」。そして「コモンズ(共有財)」。これを拡大していきましょう。狩猟採集生活というのは、徹底的に分配していましたね。今、私たちも科学技術が高まったおかげでシェアリングが可能になっているんですね。共有することができます。それを拡大していけば、我々はまた助け合うことが可能な平等主義に基づいた共同体をつくることができるかもしれない。それをみんなで一緒にやっていこう。つまり「共助の社会」をつくりましょう。

 

  • 「近代社会の疫病」か?「孤独」という概念の来歴 『私たちはいつから「孤独」になったのか』など書評4点 2024/03/09 16:00 東洋経済ONLINE
    • 『私たちはいつから「孤独」になったのか』など書評

      • 人の身体・感情の歴史研究を専門とする著者によれば、われわれが現代人の社会的病理だと認識している孤独には、歴史的な経緯があるという。

      • 本書は、中世的な封建社会の終焉と産業化・都市化の進行によって「個人」が台頭し、同時期に孤独がメディアや政治的空間に頻繁に登場するようになった経緯を解明していく。

      • かつて「ソリチュード」は個人の幸福を見いだすための隠遁(とん)を指し、西洋の思想家や芸術家らはそれを精神的修養の手段としていた。孤独は、創造性や心の癒やしをもたらすこともあるのだ。

      • しかし近代の欧米では、異性愛を前提にしたロマンチックな恋愛と唯一無二の「ソウルメイト」が理想化され、個人間の人間関係はたやすく喪失や孤独に結び付けられるようになった。自己を満たしてくれる特別な相手を見つけることによってのみ人は幸福になれる、という寓(ぐう)話は、独身女性や寡婦であることを家父長制的・生物学的な視点で矮小化する見方と表裏一体になって、孤独を精神的な苦痛や憂鬱に結び付けてきた。

      • 孤独という状態は、個人の責任を重視する新自由主義の台頭と福祉国家の衰退に関係がある。

      • 近代において人々は、集団や共同体から個人へ、自然や世界から自己へと比重を移してきた。それに伴い、孤独は個々人にとって感情や自己充足上の極めて重要な問題にまでなった。

 

  • 買物弱者支援事業者 事例集 令和5年(2023年)3月 発行:経済産業省 商務・サービスグループ 消費・流通政策課 調査委託先:㈱mitoriz
    • 本調査では、以下の各区分に該当する買物弱者支援事業者の事例及び今後支援策として期待される先進技術の事例をまとめた。

    • 近くにお店をつくるサービス:移動販売買物場の開設

      • 高齢者とコミュニケーション取れるドライバーの確保

      • サロン化、コミュニティ化

    • 家から出かけやすくするサービス:移動手段の提供

      • 利用料金に頼らない収益機会の複数化

      • イベント開催を通しての買い物以外の外出促進の活性化

    • 家まで商品を届けるサービス:買物代行宅配、ネットスーパー

      • 困りごとの支援

    • 先進技術を活用したサービス:ドローン配送遠隔カメラ買物支援ロボット買物支援

      • ドローン単体ではなく、陸送と組み合わせた配送スキームの構築

      • 人によるサポート

      • 全世代対応のサービス提供

 

[2月]
  • 和田秀樹 仕事から退けば同僚も部下も消え、妻が亡くなれば…「ひとりが当たり前」と誰もが気づいた現代における<幸福>とは? 死ぬまでひとり暮らし 和田秀樹 精神科医 2024年02月14日 婦人公論.jp
    • 老いていくということは、どんどんひとりになっていくということです。

    • 幸福は主観的なものです。あなたが幸福だと思えばそれが幸福だということです。誰かにしばられ、支配される人生では、充足は困難です。

    • ひとりでもできること、ひとりだからこそ楽しめることをいくつも知っている人は、やりたいことがいつもあって、退屈しないで暮らしています。

    • ひとりで暮らしてひとりの時間を楽しみ、ひとりで死んでいく。そんな人生にも幸福はあるのです。多くの人はそう考え始めています。

    • 60代以降に色々な節制を心がけたとしても、寿命はせいぜい85歳が86歳になるという程度でしょう。

    • 自由がもたらす精神的安定は、健康に直結しているものなのです。

    • 健康で安らかに暮らしていくためには、ストレスを取り除くことが大前提です。

    • ひとりへの恐れは誰にでもあると思いますが「好きなように生きたい」「煩わしい人間関係から自由になりたい」「ありのままの自分でいたい」という願望を叶えることが、健康への最大の投資になるのです。

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