FellowLink 倶楽部 2013/11/01 #4
おはようございます。芝原靖典です。
冷気が一気に押し寄せ、秋らしい秋を味わう間もなく秋が遠ざかっています。
FellowLink倶楽部 #4 [毎月1日発行] をお届けします。
ご笑覧頂ければ幸甚に存じます。
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◆◇◆ FellowLink 倶楽部 2013/11/1 #4 ◆◇◆
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INDEX----------------------------
1.何がスタンダードか
2.お知らせ・案内・専門家活動紹介
3.Blog:御岳山を登って
4.役立つサイトの紹介
5.関連News & Topics
6.つぶやき(編集後記に代えて)
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【1.何がスタンダードか】
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先日、高輝度青色発光ダイオードの発明・開発者として有名な中村修二氏
(カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授)の講演をある会合で聴きました。
本音ベースの話の中で印象に残った点が幾つかありました。
中村修二氏 略歴
S52 徳島大学工学部電子工学科卒
S54 徳島大学大学院工学研究科電子工学専攻修了
H 6 徳島大学より工学博士取得
H12 カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授に就任
受賞 仁科記念賞、大河内記念賞、フランクリンメダル、ミレニアム技術賞、
エミー賞など多数受賞
第一は、マスコミで報じられていることは事実を正確には伝えていないという
ことでした。有名な元在籍していた会社との特許紛争は、まずは米で訴えら
れたので、その対抗措置として日本で訴えたということで、マスコミで喧伝さ
れているような日本だけでの訴訟の話ではないということです。確かに、マス
コミは、事実を正確にというよりも、事実の一部を切り取って報じているわけ
であり、報じられていないことの方に本質があるかも知れません。
第二は、日米の司法制度の違いです。米国では被告として、日本では原告と
して、数年間に渡る裁判を実体験した日米の司法の最大の違いは、証拠の
取扱にあり、日本の裁判は証拠提出が十分でない中でされており、問題だと
指摘していました。証拠が1審で全て出るから米では上級審に行くことは殆ど
無い。証拠を提出できなければ負けとのこと。日本は十分な証拠に基づかず
裁判をするから上級審に行く、というのはすごく印象に残りました。かって、司
法制度改革推進本部が設置されていた時に、行政訴訟検討会に委員として
出ていた経験からして、確かに訴えの条件を満たしているか等の入り口論や
形式論は俎上に上がっていましたが、行政側の証拠提出論議は記憶にあり
ません。
第三に、大学の教授の立ち位置の違いです。米国の教授は教育活動の対
価として報酬があり、研究活動費(研究サポート要員の雇用費用も含む)は
自らが調達する仕組みで、かつ、先端情報に触れるという意味で教授の多く
は企業のコンサルティングをしたり、ベンチャーを起こしているということです。
中村修二教授もいま、2つの会社を起こしているということでした。先進の情
報は大学の研究室ではなく、企業にこそあり、企業と接していなくてはそうし
た情報に触れられないうことでした。確かに、日本でも産学連携が謳われて
いますが、大学の先生方の置かれた立場、意識、仕組みの違いは大きいと
言わざるを得ません。
第四は、グローバル化についてです。日本人の英語力(英語による表現力、
会話力、交渉力等)が上がらない限り、日本(企業)がグローバル化すること
はありえないという指摘です。世界の標準は英語の世界で決まっており、英
語力がないから、グローバルなマーケットで売れない、国際標準がとれない
というでした。日本語、日本人だけの世界で、いかに良い技術があっても、英
語力がなくてはガラバゴス化するしかないということです。確かに、指摘の通
りで、英語力がなければ世界の土俵に乗ることすらできません。違う土俵に
乗るということは、スタンダードが変わるということです。スタンダードを何処に
求めるか、スタンダードづくりにどう係るか、真剣に考える必要があります。
個人としてグローバルに闘っている中村修二教授の生き様は、ガラバゴス島
「日本」で安穏と暮らす日本人に「怒り」をもって警告をしてくれた講演で、さす
がは通常の倍以上の参加者を集めるだけのことはあると感じた次第です。
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【2.お知らせ・案内・専門家活動紹介】
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▼2013年10月12日、当協会Japaと事務局の(株)FellowLink、そして専門家
プロフィール登録サイトFellowLinkの関係を分かりやすく説明したページをアッ
プ致しました。下記にアクセスしてご覧下さい。
◇http://japa-fellowlink.wix.com/landing-page
▼2013年10月14日、本FellowLink倶楽部のバックナンバーサイトを開設致し
ました。過去のバックナンバーをこちらでご覧頂けます。
◇http://fellowlink-club.jimdo.com/
▼2013年10月21日、当協会Japaと西武信用金庫との間で、地域振興支援、
中小企業支援等に関する包括的連携・協力に関する協定を締結しました。
下記サイトでプレスリリースをご覧頂けます。
◇http://www.innovations-i.com/release/10419.html
★当協議会と連携等とのご希望、あるいは本コーナーでお知らせあるいはご
案内したいことがございましたら、下記宛にご連絡下さい。
◇E-mai:info@fellowlink.jp
▼今月の専門家紹介は、「山地 廣氏(専門分野:シックスシグマ )」です。
山地 廣氏のプロフィールは下記サイトに登録(ニックネーム:kiki)されていま
すのでご覧ください。
◇専門家プロフィール登録サイト http://www.fellowlink.jp/
経営課題解決への統計的手法の適用 [山地 廣(やまじ ひろし)]
1975年に電機メーカに入社して、研究開発(計測)、技術企画管理、プロジェ
クト管理などの専門分野を経験してきました。大きく変化したのは1999年に
会社が全社経営変革手法としてシックスシグマ手法を導入した時でした。研
究所から全社の推進部門に異動し、社内、グループ会社および顧客に本手
法のコンサルティングを担当することになりました。
そのためには、MBB(Master Black Belt)という資格を取る必要があり、統計
学や最近の経営管理の専門書から知識を習得し、また、経営課題解決の実
践力を養うために多くの社内プロジェクトを参画指導してきました。現在は、個
人事業として、本手法に関連する分野でコンサルタントをしています。
シックスシグマ手法は、欧米や中国、韓国などの海外企業の多くで取り入れ
られ、2011年にはISO化され、国際標準になりました。<下記の日本規格協
会HPを参照下さい>
◇http://www.webstore.jsa.or.jp/webstore/ISO/FlowControl.jsp
しかし、日本では、お家芸であるTQC、TQM活動が広く採用されているため、
シックスシグマ手法が新しい手法として注目されず、本手法を経営改善に適
用しているのは一部に留まっています。
シックスシグマ手法の専門家資格であるBlack Beltは、米国では大学でも取
得できますが、日本では取得できる大学がありません。プロバイダーからでし
か取得できません。<下記のウイキペディアを参照下さい>
◇http://en.wikipedia.org/wiki/Six_Sigma
数年前に、文科省が漸く統計の重要性に気づき義務教育などに統計を導入
し、その普及に力を入れ始めました。日本統計学会が2011年から統計検定
を導入しました。「統計的思考力」を身につけて仕事や日常の場面で直面す
る課題を解決する能力を高めるのが目的です。昨今のビッグデータ分析の動
きは、その重要性を認識させました。
統計分析というと、会社に入社した頃は電卓をたたきながら苦労して分散分
析を計算した思い出がありますが、現在は統計分析用に種々の専用ソフトが
市販され、また、フリーの統計ソフト「R」やExcelでの統計関数を使用すること
で簡単に計算できます。統計分析するための環境は整っています。
シックスシグマ手法を経営課題解決に適用というと、多くは製造分野での適
用と考えがちですが、実は「プロセス」が存在する業種であれば全てに適用
できます。プロセスとは、「インプットをアウトプットに変換する、相互に関連す
る又は相互に作用する一連の活動」と定義され、アウトプットの品質を良くし
て顧客要求を満足していくことが目的です。
その改善に「事実に基づくアプローチ」、すなわち統計的手法の適用が有効
になります。アウトプットの変動を理解するためにプロセスをモデル化し、事実
(データなど)に基づいて変動の性質、程度および原因を明らかにして問題解
決し、発生防止、継続的改善を行います。
シックスシグマ手法ではDMAIC(Define,Measure,Analyze,Improve,Control)の
ステップで多くの統計分析ツールを使用しますが、どのようなツールを適用す
るかは対象とするプロセス変動の性質、程度によって異なり、専門的知識が
必要です。種々の経営改善の手法が存在しますが、これまでにうまく改善で
きていない場合は一度、本手法の適用を検討されてみてはいかがでしょうか?
★上記の専門家活動紹介に関する感想、意見はFacebookのFellowLink公式
ページに投稿をお願いします。
◇https://www.facebook.com/fellowlink.office
★本コーナーでご紹介したい専門家、専門家団体(自薦・他薦を問わず)を下
記宛にご推薦下さい。
◇E-mai:info@fellowlink.jp
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【3.Blog:御岳山に登って】
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秋らしい好天に恵まれた10月半ばに東京郊外の御岳山に登りました。山頂
の神社境内で見た寄付募集の板書を見て、寺社の修復の資金調達の仕組
みに気付かされました。そして、山岳信仰の寺社観光ハイキングは体力のバ
ロメーターでもあることに気付かされました。
下記サイト<仕組みの群像>にて、ご笑覧ください。
▼御岳山を登って
◇http://www.tc-platform.com/blog/archives/1152
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【4.役立つサイトの紹介】
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今号の紹介サイトは次のサイトです。
▼国立国会図書館 国会関連情報
◇http://www.ndl.go.jp/jp/data/diet.html
このサイトにアップされている「調査と情報」(不定期刊)、「レファレンス」(月
刊)、「外国の立法」(季刊版及び月刊版)、「調査資料」(随時)に掲載されて
いるレポートは取り上げたテーマに対して、歴史的経緯・背景、国内外の動
向等よく調べ整理されており大いに参考になります。国民として利用しない手
はありません。マスコミ情報だけでなく、こうしたしっかりサーベイされた情報
にもアクセスして確認したいものです。
★本コーナーで紹介するのに相応しいサイトをご存知でしたら下記宛にご連
絡ください。
◇E-mai:info@fellowlink.jp
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【5.関連News & Topics】
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▼ボイジャー1号が太陽系圏を脱出 人工物で初、CNN、2013.09.13 Fri
◇http://www.cnn.co.jp/fringe/35037181.html
▼東日本大震災の教訓を踏まえた災害対策法制の見直し ― 災害対策基
本法、大規模災害復興法 ―、立法と調査 2013.10 No.345(参議院事務局
企画調整室編集・発行)
◇http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backn
umber/2013pdf/20131001125.pdf
▼「サイエンス」誌が異例の記者会見を開く 「年縞」を読み解いた在英日本
人研究者(その5)、山根 一眞、日経ビジネスONLINE、2013年9月27日(金)
◇http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20130920/253674/?mle
20年越しのジャパニーズ・ドリームを実現! 「年縞」を読み解いた在英日
本人研究者(最終回)、日経ビジネスONLINE、2013年10月1日(火)
◇http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20130927/253926/?P=1&r
t=nocnt
▼将来社会のために先行的に取り組むべき研究領域の導出 ―ドイツにお
ける試み―、横尾 淑子、科学技術動向 2013年 9月号(138号)
◇http://data.nistep.go.jp/dspace/bitstream/11035/2426/1/NISTEP-ST
T138-12.pdf
▼長く海外に住む日本人が「国際人」なわけではない 第2回 日本の企業風
土とグローバルエリートの間にある「壁」、安田 信、日経ビジネスONLINE、20
13年10月4日(金)
◇http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130925/253853/?n_ci
d=nbpnbo_mlt
▼グーグルに学ぶ、新しい日本の「ものづくり」、安藤茂彌、2013年10月9日
◇http://diamond.jp/articles/-/42815
▼アジアよ!これが日本の実力だ!――トムソン・ロイターが革新企業トップ
100発表、MONOist、2013年10月08日
◇http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1310/08/news125.html
▼世界の都市総合力ランキング(2013年版)、一般社団法人森記念財団
◇http://www.mori-m-foundation.or.jp/research/project/6/index.shtml
▼経済センサスと経営指標を用いた産業間比較 -平成24年経済センサス
‐活動調査の分析事例(1)〔経理項目〕-、総務省、平成25年10月16日
◇http://www.stat.go.jp/data/e-census/topics/topi730.htm
▼国家戦略特区において検討すべき規制改革事項等について、国家戦略
特区ワーキンググループ、平成25年10月18日
◇http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/dai6/siryou.pdf
▼「3Dプリンター活用に関する調査」結果について、大阪商工会議所 経済
産業部、平成25年10月23日
◇http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/dai6/siryou.pdf
▼論文の実験結果の70%が再現不能!、Nature ダイジェスト、2013年11月
号 (Vol. 10 No. 11)
◇http://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/
▼東京電力はあの日から何も変わっていない!?、田中秀征、DIAMOND ONLI
NE、2013年10月24日
◇http://diamond.jp/articles/-/43450
▼識者に問う「日本人の構想力・発想力を高めるためには」、NIRA、構想力
に科学が挑む No.1 2013.10
◇http://www.nira.or.jp/vision/entry/n131000_001.html
▼ビッグバン型破壊 イノベーション企業が破滅を迎えるとき、ポール・F・ヌネ
シュ、ラリー・ダウンズ、アクセンチュア、October-2013
◇http://www.accenture.com/SiteCollectionDocuments/jp-ja/PDF/Acc
enture-Outlook-October-2013-title6.pdf
▼原子力とリスクコミュニケーション、八木絵香(大阪大学)、総合資源エネル
ギー調査会 原子力の自主的安全性向上に関するWG 第5回会合 資料2、2
013年10月29日
◇http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/denryoku_gas/genshir
yoku/anzen_wg/pdf/005_02_00.pdf
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【6.つぶやき(編集後記に代えて)】
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夏の異常な暑さに続いて、異常な台風、大雨が頻発している。「未曾有」、「
想定外」、「異常」が状態化しつつあり、自然環境に関する前提条件において
、もはや想定外を含めた想定が不可避となりつつある。いまだに「想定外」等
を言い訳にするのは、想像力の欠如でしかない。当然、「前例がない」のも当
たり前で、それを理由とした拒絶の仕組みは改廃せざるを得ない。従前の常
識・スタンダードが通用しない時代を迎え、発想の転換が求められている。
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