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参考情報 [2023年1月

 

  • コロナワクチン、少なくとも7783万回分廃棄 2000億円超か 2023/3/18 毎日新聞

    • 今年2月までに少なくとも7783万回分の新型コロナウイルスワクチンが使用されずに廃棄されたとみられることが、毎日新聞の取材で判明した。厚生労働省の公表資料や全国の主要な自治体へのアンケート集計で割り出した。ワクチンの有効期限切れが主な要因で、廃棄量は購入契約数の約9%に当たる。有効期限の到来によって今後も増える見通し。

      • 国はワクチンの1回当たりの購入単価を公表していないため、廃棄されたワクチンの費用を算出できない。ただ、財務省は購入予算額(2兆4036億円)を総契約数(8億8200万回分)で割った2725円を金額換算した場合の1回分として示している。この数字を掛け合わせ、廃棄されたワクチンを金額に換算すると約2120億円と試算することができる。厚労省幹部は「2725円を掛け合わせて廃棄されたワクチンの費用の総額を算出することには反対はできない」と述べ、実態と大きくかけ離れていないことを示唆した。

    • 政府はコロナワクチンとして、米ファイザー社製3億9900万回分▽米モデルナ社製2億1300万回分▽英アストラゼネカ(AZ)社製1億2000万回分(後に6230万回分契約解除)▽米ノババックス社製1億5000万回分(1億4176万回分契約解除)をそれぞれ調達した。このうち、厚労省は従来型ワクチンの有効期限が切れたとして、廃棄数量がモデルナ社製で約6390万回分(自治体見込み分含む)、AZ社製は約1358万回分(同)に上ることを明らかにしている。

    • ワクチン1回当たりの金額換算として「2725円」と記載されていたのは、財務省の財政制度等審議会の分科会の資料。予算額には配送料も含まれており、実際のワクチン価格とは異なるが、購入単価はメーカー側と政府で秘密保持契約を結んでいるため、公表されていない。

 

 
  • <プレスリリース>「コロナ禍による社会的孤立は改善傾向だが、孤独感は増悪:5万人への全国調査より判明」 2023年03月14日 東京都健康長寿医療センター研究所
    • 研究グループでは、15~79歳までの全国サンプルによるインターネット調査のデータにより、コロナ流行前と流行中の社会的孤立の変化を調べ、コロナ禍に入って社会的孤立者が大きく増加していることを明らかにしました(2021年8月19日プレスリリース)。今回、2020年と2021年に実施した同データを用い、コロナ禍1年目と2年目の社会的孤立と孤独感の変化を調べました。この成果は、国際誌Frontiers in Public Health(Impact factor: 6.461)に掲載されました。
    • 全体では社会的孤立者割合は、コロナ禍1年目は27.4%、2年目は22.7%であり、その減少幅は−4.7ポイント(95%信頼区間:−6.3, −3.1)でした。孤独感に関しては、コロナ禍1年目は5.03点、2年目は5.86点で、0.83点(95%信頼区間:0.66, 1.00)増加していました。つまり、コロナ2年目にかけて社会的孤立は改善しているものの、孤独感は増悪していることが分かりました。社会的孤立の改善には、ワクチン接種の広がりや感染予防行動が浸透してきたため、外出や人との交流が戻っていることを表しています。一方、孤独感に関しては、長期に亘り様々な制約が強いられたことによる、いわゆる「コロナ疲れ」(COVID-19-related psychological fatigue)が生じているものと解釈できます。
    • 図は1年目、2年目それぞれの社会的孤立、孤独感の年齢別分布です。10代、20代といった若い年代は特徴的な推移をしています。まず、1年目には、社会的孤立の割合は低いものの、孤独感は著しく高いものでした。「SNSネイティブ」の若い世代では、コロナ禍でもオンライン(SNS等)によって人とのつながりが比較的保てていたものの、顔が見えないこのつながりは「細くもろい」ものです。つまり、オンラインでのつながりだけでは、「友人、上司・同僚に深い相談ができない」「表面的なやりとりしかできない」等の弊害が生まれ、結果として孤独感が高かったと考えられます。ただし、2年目には、高かった孤独感は他の年代と同等に落ち着いています。徐々に日常生活が戻ってきたことにより、1年目ほどの孤独感を感じる人は少なくなったと言えそうです。
 
  • 戦後最悪になった「超過死亡数」の原因はワクチン接種なのか? 有力な容疑者だが有罪とは断定できない 2023.3.3(金)池田 信夫 JBpress
    • コロナの流行が終わって5類に移行することが決まってからも、すべての原因による超過死亡は増え続けているが、厚労省はなぜ増えたのか説明できない。
    • 昨年のコロナ死者は約4万人。超過死亡との差は6万人である。このようにコロナ死者数と超過死亡数に大きな差のある国は珍しい。ほとんどの先進国では、超過死亡数の7~8割がコロナ死者数である。
    • この原因として、厚生労働省は「オミクロン株で患者が急増し、医療が逼迫した」と説明しているが、これは誤りである。病床使用率は最大でも50%程度、人工呼吸の実施率は10%に満たない。緊急搬送の数は増えたが、死亡率は5%以下だった。コロナを5類感染症に落としたことでも明らかなようにコロナ肺炎は激減し、コロナ病床はがらがらなのだ
    • ではなぜコロナ肺炎が減った昨年、超過死亡数が大幅に増えたのか。昨年の最大の死因は老衰(死因不明)、その次が循環器系疾患(心不全など)で、そのピークはコロナ死とほぼ一致している。
    • つまり基礎疾患をもつ高齢者の容態が、コロナ感染をきっかけに悪化した間接的なコロナ死と考えることもできる。
      感染が激増した時期と、コロナウイルスの主力がオミクロン株に変わった時期は一致している。したがって「初期(武漢株)には抵抗力のあった日本人が、オミクロン株には抵抗力がなくなった」と考えることは可能である。
    • 超過死亡率でみると、2020年にはマイナスだった日本の超過死亡率が2021年から英米に近づき、2022年にはほとんど同じになった。
    • つまりウイルスが変異し、ワクチンへの耐性を備えて生き残った。言い換えると、ワクチンの影響で感染しやすく弱毒性のオミクロン株に変異したと考えることもできる。
    • ワクチン接種後に死亡した人は約1900人で、そのうち国が責任を認めて死亡一時金を支給したのは30人である。これだけで6万人の(コロナ以外の)超過死亡は説明できない。
    • 総じてワクチンのメリットはリスクより大きかったといえるが、日本の場合は高齢者や基礎疾患をもつ人に限定すべきだったかもしれない。若年層の5回目以降の接種は、ほとんど意味がない。
    • 今のところ超過死亡の原因について決定的なことはいえないが、一ついえるのは、日本では超過死亡が一貫してコロナ死の3倍と異常に多いことだ。これはコロナ偏重の医療で、他の病気の患者が十分な医療を受けられないで亡くなったことを示唆する。
    • 100兆円のコロナ対策の費用対効果は、第三者委員会をつくって検証すべきである。
 

 

  • 新型コロナ「ゾコーバ」服用で半年後の後遺症リスク半減 2023年2月23日 5時08分  NHK
    • 新型コロナウイルスに感染したあとで続く、のどの痛みやけん怠感など後遺症とみられる症状について、塩野義製薬は治験の結果、感染したときに飲み薬の「ゾコーバ」を服用した人では、半年後に症状が出るリスクが半分ほどに下がったと発表しました。
    • 塩野義製薬は日本時間の22日、アメリカで開かれた感染症の学会で発表した最終段階の治験の結果を発表しました。
    • それによりますと、治験に参加した1800人余りのうち、新型コロナに感染したあと一定程度の症状があり、ゾコーバを服用した患者で半年後にせきやのどの痛み、けん怠感、味覚障害など、14の症状のうちのいずれかを訴えたのは14.5%でした。
    • 一方、偽の薬を服用した人で症状を訴えたのは26.3%で、会社ではゾコーバを服用した人では、後遺症とみられる症状が出るリスクが45%下がったとしています。
    • また、集中力や思考力の低下、物忘れや不眠などの神経症状が出るリスクも33%下がったとしています。
 
  • 国内におけるCOVID-19の第8波ピーク後の集団免疫レベルの推計 February 9, 2023 東京財団政策研究所
    • 第8波のピーク後の2023年1月15日までのデータを用いて、日本全国および主要5都道府県(北海道・東京・大阪・福岡・沖縄)の集団免疫レベルの推計を行った。
    • 第7波直後の自然感染由来の免疫レベルが高かった沖縄では第8波の流行が遅く、規模が小さかったが、同免疫レベルが低かった北海道では第8波の流行が早く、規模が大きかった。
    • 現在はどの地域でも集団免疫レベルはおよそ0.7(70%)であり、過去最高の水準となっている。そのため、しばらくは流行が抑制されることが期待されるが、免疫の減衰やウイルスの免疫逃避による再流行の可能性は否定できない。
    • 自然感染とワクチン接種による集団免疫レベルを継続的にモニターしながら、ワクチン接種間隔の延長の検討や社会経済活動の正常化を進めていくことが望ましい。
 
  • 日本でコロナ死者急増 免疫力の低さと医療のひっ迫が要因か 2023年2月3日 BBC NEWS JAPAN
    • 専門家らによると、最近の死者のほとんどは、基礎疾患がある高齢者だという。感染流行の初期に、肺炎が死因となった人や、集中治療室(ICU)で治療を受けた人が多かったのとは対照的だ。
    • 日本を代表するウイルス学者で、世界保健機関(WHO)の感染症対策の地域アドバイザーを務めた押谷仁氏は、「これらの死亡を治療で防ぐことは難しい」と説明。新型ウイルスはきっかけに過ぎないとした。
    • オミクロン変異株が流行するまで、日本の新型ウイルスの死亡例は東京や大阪などの都市部に集中していた。しかし今では全国各地でみられると、押谷氏は話した。
    • 「小規模な県や地方では、高齢者の割合が全国平均よりさらに高い。変化する地理的パターンも、死者の増加傾向に関係している可能性がある」
    • 徳田氏によると、自然免疫はワクチン接種で得られる免疫よりも強い。日本では、感染率の低さが免疫の弱さにつながり、それが死者が増える原因になっているという。
 
  • 新型コロナ「第8波」 どこで亡くなっているのか 2023.01.24 サイカル
    • これまで、感染者が増加してから死亡者が増加するまでにはタイムラグがありました。
      ▼感染拡大は若い世代から始まることが多く、重症化リスクが高い高齢者に感染が広がるのには時間がかかること、
      それに、
      ▼感染から死亡に至るまでには一定の時間がかかるためです。
      それが、第8波では、感染者数と死亡者数の増加の波がほぼ重なっていたのです。
    • ワクチン接種が進んで治療薬が徐々に普及してきていて、若い人にとってはただの「かぜ」だとしても、高齢者が感染すれば文字通り致命的な状況に陥ってしまうのです。
    • もともと重い症状の病気がある人にとって、コロナの感染は死に直結してしまうと指摘します。
  • 緩和しても流行は終わらない」イギリスの教訓から探る、日本の選択肢 公開 2023年1月20日 BuzzFeed News
    • ひと足さきに全面緩和した英国 人口の4〜6%が陽性
      • 英国ではボランティアの国民に1か月に1回PCR検査を受けてもらって、人口の中でどれぐらいの割合の人が感染しているのかを追いかけている調査(ONSサーベイ)を続けています。
      • 英断だったのはどれだけ緩和が進んでもその調査をしっかりしたサンプル数で続けていることです。日本でもやりたいと言ったのですが、大変高額な調査でもあり、これまでにお金は出してもらえませんでした。
      • 12月下旬の段階で4〜6%ぐらいが陽性になっています。ということは15人から25人に一人が常に感染している状態であることを示しています。これは流行状況が悪い時の調査ですが、低い時は1〜2%で、高い時は7〜8%です。
      • その結果、この感染症は高い感染割合で、エンデミック期(常時感染者がいる流行状況)が推移するのだなとわかる
    • 対策緩和以来、英国の救急は常に逼迫
      • この状態になると何が良くないかと言うと、もちろん若い人でも後遺症が残るなどの負債を抱える影響もありますが、一番問題なのは救急の逼迫です。
      • 英国も日本と同様、流行の波を繰り返しているのですが、救急の状況はずっと悪いままであることです。良くなった時期がない。悪い状態がずっと続いています。
      • その中で、救急搬送されるまでに1時間かかってしまうのはかなり大きなダメージです。循環器疾患の死亡が容易に起こり得る状態になっているということです。かなり厳しいです。
    • 日本は英国と同じ厳しい状態になるかどうかの分岐点
      • 日本で献血の検体からこれまでコロナに感染した人の割合を調べた調査では、高齢者は昨年11月時点でまだ20%未満しか感染していませんでした。
      • 英国では2021年の緩和のプロセスで高齢者の多くが感染して、2022年の全面緩和を介して同年冬までに高齢者の8割が感染しました。そんなことがありながらも、状況は良くならない。ずっと慢性的に悪い状態が続き、抜本的に解決する手段が今のところないのです。
      • エンデミック化する途上に日本は今、います。
      • 高い感染割合のままエンデミック化してしまうのか、何とか踏みとどまって低い感染割合で続けられるように社会で協力して過ごすのか、今後の状況を考えるのに、今は重要な局面にあります。
    • 対策を緩和しても流行は終わるわけではない
      • 緩和が進めば「継続的に高い感染レベルで伝播が続く状態に至る」ということを最低限、共有しておくべきです。
        この感染症は再感染しますし、進化して新たな性質を持つ亜系統が繰り返し出てきます。エンデミック化する過程で、繰り返し流行が起きているのです。
      • 医療や救急の慢性的な逼迫がエンデミック化した国で続いています。救急車の搬送困難事例が増えていて、ずっと関連死による超過死亡が起こりやすい状況下にあります。
      • 残酷なことですが、疫学データが指し示しているのは、エンデミック化のプロセスにおいて、元々から医療体制が専門医療別に細分化され、キャパシティが低めに設定されている日本では、特定の診療科で厳しい状態が続くと思われます。
         
  • 新型コロナウイルス感染拡大と人口動態 ー次期推計基準年前後の状況ー 令和3年6月25日 第20回社会保障審議会人口部会 資料4 国立社会保障・人口問題研究所

    • 新型コロナによる死亡発生と2020年の死亡総数の減少
      – 新型コロナによる死亡:2020年は3,466人(人口動態統計概数)(厚労省オープン
      データによると2020年3,459人、2021年は5月末までで9,585人)
      • 高齢者、男性で多い死亡
      • 全死因では2019年1,381,093人→2020年1,372,648人。8,445人の減

      – 高年齢(65歳以上)での肺炎による死亡の減少
      2019年93,383人→2020年76,566人。16,817人の減少
      (全年齢:2019年95,518人→2020年78,445人。17,073人の減少)

    • 2020年春の婚姻の減少
      – 「令和婚」増、「令和2年2月婚」増の後、急減。
      – 1回目緊急事態宣言下の5月に落ち込み。
      – 2020年5月以降回復傾向を示していたが、2021年4月に再び落ち込む。

    • 令和婚直前の婚姻減による出生減に加え、コロナ禍による抑制
      – 2018年の婚姻の減少による2019年の出生減
      – 1回目の緊急事態宣言下の妊娠抑制によると見られる2021年1月の出生数
      の落ち込み
      – その後回復し、2021年4月には中位推計水準に。
      – ただし出生に先行する妊娠届出数によれば、2021年8月で中位水準維持は
      困難か。

    • 2019年までの外国人入国超過拡大傾向は、コロナ禍により急減
      するも、2020年9月期末で入国超過維持
      – コロナ感染拡大期直前は、平成29年推計仮定を大幅に上回る外国人入国
      超過数を記録。2019年、平成29年推計では68,997、実績は207,792。
      – 2019年10月~2020年9月期は、コロナ感染拡大に伴う水際対策や経済社会
      活動の変化に反応し、移動の抑制、再開を繰り返す状況。2020年は数は前
      年と比べ減少したものの、最終的には入国超過となった。

  • 新型コロナの累計死者は6万人、感染者は3000万人超 4年目を迎えても収束の見通し立たず 2023.01.16 内城喜貴 / 共同通信客員論説委員、科学ジャーナリスト Science Poetrtal

    • 新規感染者数だけを見ると第7波より少ないのになぜ死者がこれほど多いのか――。この点について専門家は、昨秋に感染者把握を簡略化したために集計、統計として上がってくる数字は実態よりかなり少ないとみている。死者が多くなっている背景には第7波をかなり上回る感染実態があり、主に高齢者が犠牲になっているという。

    • 大曲貴夫・国立国際医療研究センター国際感染症センター長は12日開かれた東京都の新型コロナウイルスのモニタリング会議で「把握されていない多数の感染者が潜在している。職場や学校の(正月休みが明け)再開に伴う新規陽性者数の動向を注視する必要がある」と指摘した。

    • 政府の動きの中で新型コロナ対策を助言する専門家組織の主要メンバー15人が11日の会合で「新型コロナウイルス感染症対策に関する見解と感染法上の位置付けに関する影響の考察」と題した見解を公表した。

    • 見解はまず、オミクロン株の出現やワクチン接種の進展で重症化率や致死率は下がったものの、ウイルスの伝搬力(感染力)はむしろ強くなっており、感染者が増えたために死者数は極めて多くなっていると指摘。季節性インフルエンザと同様の対応が可能な疾患となるにはもうしばらく時間がかかると断じた。そして新型コロナという疾患の(時々の)特徴に合わせ、かつリスクに応じた対応策が重要とした。

    • 最近の国内統計では、新型コロナに感染しても若い人の重症化率や致死率は季節性インフルエンザと大きな差はない。一方高齢者、特に持病を抱える高齢者の致死率はオミクロン株流行期でも依然高い。若年者と高齢者との間で「コロナの怖さ」は決定的に異なり「世代間格差」が著しい。

  • 【詳しく】新型コロナ感染確認から3年 どうだった?どうなる? 2023年1月16日 19時50分 NHK 

    • 新型コロナウイルスは国内では3年前の2020年1月15日に初めて感染が確認されました。厚生労働省のまとめでは、これまでに感染した人は累積で3100万人に、亡くなった人は6万2000人にのぼっています。

    • 感染者数に占める亡くなった人の割合「致死率」は、この3年間で治療法の進歩やワクチン接種が進んだことなどによって、大幅に減少しています。

    • 感染拡大当初から対応を続けている病院では現在の第8波でもコロナ患者用の病床がほぼ埋まっていて、3年間、感染拡大の波が来るごとにひっ迫する状態が繰り返されています。

 

  • 新型コロナは2019年末から「隠れた流行」が始まっていた? 池田 信夫 2023.01.16 18:58 アゴラ

    • 東大医科学研究所の論文が話題を呼んでいる。この「ツインデミックスは起こっているか?」と題するプレプリントは、各国のインフルエンザと新型コロナの感染状況を比較し、COVID-19とインフルエンザは、同じ地域において同じ時期に同じ規模では流行していないと結論した。

    • 世界中でほぼ一致して、コロナの流行が始まった12週にゼロになっている。これが何を意味しているのか、この論文は書いていないが、コロナとインフルのウイルス干渉が起こったという仮説も成り立つ。

    • ウイルス干渉説が正しいとすれば、流行は次のような順序だった。
       2019年秋:武漢で大流行が起こる
       同12月:世界に新型コロナの隠れた流行が広がる
       2020年1月:ウイルス干渉でインフルが消える
       同2月:WHOがCOVID-19と命名
       同3月:ヨーロッパで大流行が始まる

    • これが3月末に日本にも入ってきたが、日本人は(それまでの軽いウイルスで集団免疫ができていたためか)死者はほとんどなく、インフルが減ったため、2020年は約3万人の過少死亡になった。

    • 最終的なボトムラインは、平均寿命である。第8波の死者の97%は60歳以上で、平均死亡年齢は83.1歳。日本人の平均寿命は、ほとんど縮まっていない。これはアメリカ人の平均寿命がコロナで2歳以上縮まったのとは、大きな違いである。

    • コロナの死者が増えた分、毎年1万人以上いたインフルの死者が減ったので、全体としての平均寿命はほとんど縮まっていない。死亡した高齢者のほとんどは天寿をまっとうしたのであり、新型コロナは100兆円以上も国家予算を注ぎ込むような感染症ではなかったのだ。

 
  • 新型コロナの死者数はなぜ急増しているのか…感染者の公表数は第7波ピーク超えていないのに 2023年1月13日 06時00分 東京新聞
    • 「元々の持病の状態が悪かった高齢者が、コロナ感染によるダメージで一押しされて亡くなっている」。新型コロナの重症・中等症患者らを受け入れる埼玉医科大総合医療センターの岡秀昭教授は、そう明かす。
    • 現在はオミクロン株の「BA.5」から、新たな派生株への置き換わりが進んでいるが、病原性に大きな変わりはないとみられている。「致死率から逆算すると、把握できていない感染者が相当いる。死者が7波のピークより多くなっていることを考えると、感染者は間違いなく7波を超えている」と岡教授。第7波の1日当たりの新規感染者数のピークは約26万人(厚生労働省集計)で、今はそれを上回る過去最大の感染規模になっていると推測する。
    • 政府は昨年9月下旬、感染者の「全数把握」を簡略化。若者など重症化リスクが低い人は医師らによる発生届の対象外となり、自治体の陽性者登録センターなどに自分で登録することになった。未把握の感染者の増加は、この変更による影響が大きいという。
    • 高齢の死者が多い背景には、高齢者施設でのクラスター(集団感染)が増えていることがある。厚労省によると、昨年12月25日までの1週間で954件発生し、第7波のピークの850件を上回った。今月9日までの週でも722件で、高いレベルのままとなっている。
    • 岡教授は「オミクロン株になって感染力が強まり、医療機関では全国的に院内クラスターが起きており、コロナ病床に限らず、受け入れ機能が低下している。今回の流行では、自宅や高齢者施設などで亡くなる高齢者が増えているとみられる」と話す。
    • 一方、東京都でも全国と同様に死者のほとんどを高齢者が占める。60代以上の割合は第7波(昨年7〜9月)では93.3%だったが、今年に入ってからは11日までの集計で97.0%となった。死者の高齢化の傾向がより強まっていることがうかがえる。
    • 松本教授は「ワクチンは重症化予防効果があり、まだ打っていない高齢者は積極的に接種を検討してほしい」と呼びかけている。
 
  • 1億人が感染する「西浦モデル」は正しかった? 池田 信夫 2023.01.11 14:49 アゴラ

    • 日本の超過死亡数は昨年、戦後初めて10万人を超えたと推定される。その原因は何だろうか。コロナが最大の死因であることは間違いないが、それで説明できるのは約4万人。残りの6万人以上はコロナ陰性で、循環器系疾患(特に心不全)や老衰(死因不明)など、コロナと直接関係のない病気が多い。

    • これを説明するシンプルな仮説は、仁井田浩二氏のようにすべて直接・間接のコロナ死者だったと考えることである。昨年、コロナ以外に大きな感染症や災害は起こっていないので、この推論は論理的には成り立つ。図1のようにコロナ死者数(青い線)を3倍すると、超過死亡数(赤い棒グラフ)とほぼ同じで、時系列も一致している。

    • 問題なのは、コロナ死者の定義である。オミクロンではコロナ肺炎の死者はほとんどなく、大部分は死亡したときPCR陽性だった患者である。死んでも陰性だとコロナ死にカウントされないが、この区別には意味がない。PCR検査は廃止すべきだ。

    • オミクロンは弱毒化したので致死率は低いが、感染力が強いので死者が激増した。その大部分は、コロナ感染がきっかけになって基礎疾患で死亡した高齢者である。長期にわたる隔離や行動制限で「脆弱化」が進んだことも原因だろう。

    • したがって日本で必要なのは、入院で隔離してコロナ肺炎を防止する2類感染症のような対策ではなく、基礎疾患を悪化させない治療である。オミクロンの感染防止はほぼ不可能だが、重症化率は低いので問題ない。コロナ偏重の過剰医療をやめ、医療資源の配分を最適化すべきだ。

    • ワクチン接種には重症化防止効果があるが、感染防止効果はない。第3回接種のあと感染が激増したことから考えると、ワクチンが免疫を弱めて感染を拡大した疑いもある。60歳以下の健康な人がワクチンを打つのは、メリットよりリスクのほうが大きいだろう。

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  • パンデミックの流れを変えた mRNAワクチンの登場 2023年の展開は? by Jessica Hamzelou2023.01.11 MIT Technology Review

    • メッセンジャーRNAワクチンは、新型コロナウイルスのパンデミックを乗り切る上で欠かせないものだった。しかしmRNAの可能性はそれだけではない。他の多くの感染症に対応するワクチンや、あらゆるインフルエンザから人体を守るワクチン、さらにはがんの治療に役立つワクチンも開発できる可能性がある。

    • mRNAワクチンは、個々の患者に合わせたオーダーメイドのがん治療にも使えるかもしれない。がん治療の場合、体内の腫瘍細胞を攻撃するように設計された特定の免疫反応を誘発する手法が考えられている。

    • 承認された2種類の新型コロナワクチンのうちの1つを開発したバイオテクノロジー企業であるモデルナは、RSV(RSウイルス)、HIV、ジカ熱、EBV(エプスタイン・バー・ウイルス)などをターゲットとするmRNAワクチンの開発を進めている。もう1つの新型コロナワクチンをファイザーと共同で開発したバイオンテック(BioNTech)は、結核、マラリア、HIV、帯状疱疹、インフルエンザのワクチン開発に向けて研究を進めている。両社ともに、がんの治療法開発にも取り組んでいる。そして、他の多くの企業や大学の研究室も、この動きに同調し始めた。

  • クチン効果と安全性 実社会では?検証に挑む 2023.01.11 サイカルjournal NHK
    • 国には接種のあとに起きたさまざまな症状や死亡した事例について報告する「副反応疑い報告制度」という仕組みがあります。国の専門機関や厚生労働省の専門家部会では、報告があったすべてのケース、1例1例について議論されますが、接種と死亡との間の因果関係については、ほとんどが「評価不能」とされています。
    • 副作用なのかどうか、それに、効果があるのかないのかを調べるには、「ワクチンを接種した人」と「接種していない人」を比べる必要があるのです。この課題をクリアしようと、動き出した研究者がいます。九州大学の福田治久准教授です。
      福田さんたちは、接種した人としていない人で、症状が出る頻度に違いがあるか比較して検証できるシステムを新たに作りました。
    • どんなシステムかというと、住民のワクチン接種の有無と、医療機関にかかったデータなどを元に比較できるようにします。
      具体的には・・・
      ▼住民基本台帳をもとに、ある自治体に住んでいる人の情報をデータベース化。
      そのデータに
      ▼「ワクチンを接種したか、していないか」分かるワクチンの接種台帳や
      ▼住民が医療機関にどのような病気でかかったか分かる健康保険などの診療報酬明細書=レセプトの情報、
      ▼新型コロナの感染歴が分かる「HER-SYS」の情報などをひも付けます。
    • そうすることで、たとえば「心筋炎」や「帯状ほう疹」といった症状が、ワクチンを接種した人ではどのくらい起きていて、接種していない人の間ではどのくらいの頻度なのか、比較することができます。
    • およそ2年かけて、取り組みに協力してくれる自治体の数は13に。人口にすると、およそ130万人に到達しました。4つの自治体からは「HER-SYS」などの情報の提供も受け、新型コロナワクチンの分析を行う体制も整えました。
    • 福田さんが始めたのと同様のシステムは、海外ではすでに実用化されています。
      • アメリカでは、CDC=疾病対策センターが「ワクチン安全性データリンク=VSD(Vaccine Safety Datalink)」というシステムを運用しています。
      • 同じようなシステムは、ヨーロッパ各国やアジアでも整備されていて、香港や台湾では1990年代から、マレーシアや韓国、タイ、中国では2000年代から稼働しているということです。
    • 日本で分析して分かったことは?
      • ▼従来型のウイルスに対応した新型コロナのmRNAワクチンは、オミクロン株の「BA.1」が多かった時期に、感染を防ぐ効果が56.5%。
      • 副反応は、新型コロナのmRNAワクチンを接種したあとに
        ▼心筋炎が出る確率と

        ▼帯状ほう疹が出る確率も高くなっていることが分かりました。

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