FellowLink 倶楽部 2014/04/01 #9
おはようございます。芝原靖典です。
桜が一気に開花し、暖かい風と日差しを感じる時期になりました。
FellowLink倶楽部 #9 [毎月1日発行] をお届けします。
ご笑覧頂ければ幸甚に存じます。
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◆◇◆ FellowLink 倶楽部 2014年4月1日 #9 ◆◇◆
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INDEX------------------------------
1.コラム:「アンダーコントロール」でない状況の顕在化・常態化
2.お知らせ・案内・専門家活動紹介
3.Blog:STAP論文疑惑騒動について
4.役立つサイトの紹介
5.関連News & Topics
6.つぶやき(編集後記に代えて)
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【1.コラム:アンダーコントロールの顕在化・常態化 】
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東日本大震災の3年後報告[後述の「2.お知らせ」を参照ください]をとりまとめながら、3年という年月の経過のもたらす影響を改めて思い知らされました。3年間の避難が避難弱者(高齢者等)の関連死をもたらし、子供を抱えた家庭は転校先から今更帰れません。働く場を求めて職を得た人はその職場の地を離れることは難しい。地震・津波被災地、放射線汚染地(避難指示区域及び周辺区域)をつなぎ止める絆が時間とともに薄れていきます。いったん離れた生活・生産機能、人を呼び戻すことは時間の経過とともに難しくなります。
こうした事態が段々と本当の現実として認識されるにつれ、生活再建の復興事業の合意取り付けは難航します。その間にも、人口や生産機能の流出は続きます。一方で、強力な推進構造をバックに持つ公共事業としてのインフラ建設は進みます。両者のギャップは大きく、完成したときには何のための公共インフラかと云うことも少なくありません。当初の事業目的が長期化する内に意味を失っても事業のみが進むという状況と同じ事態が繰り返されることになります。このギャップ解消はなかなかコントロールできません。
これは被災地だけの話ではなく、日本全体に通じることであり、東北は先行的にその縮図を見せつけているに過ぎません。その危機感を日本全国の国民・納税者は持たなければいけません。
さらに悩ましいのが原発の問題である。福島第一原発の事故の直接の原因が地震か、津波か、いまだ明らかにされていませんが、地震の影響を否定しきれません。全国に立地する原発が今後、再稼働するかしないかに係わらず無事故で廃炉までも持って行ける保証はどこにもありません。廃棄物処理の最終プロセスも今は確立していません。原発事故による国土・生活圏放棄というコントロール仕切れないリスクが顕在化しています。
一方、グローバルレベルでは、グローバル資本主義の象徴であるマネーの流れは今や国内政策のみではコントロールできないほどのパワーを持ってきています。日本の株価を左右するのが外国の投資家になって久しい。
異常気象の常態化、温暖化の流れという地球全体の生態系に影響を及ぼす事象も進行していますが、地球的規模での格差の問題とも絡み、これまたコントロールするのは極めて難しい状態です。
そして、最近にわかに第二次世界大戦後落ち着いていた国境線問題が日本の周囲でもくすぶりはじめました。世界的に見ても、戦後あるいは冷戦後の枠組みがあちこちで溶融化・リスク化してきています。世界の枠組みがコントロールしきれず揺らいでいます。
今後の日本の暮らし方、生き方はこうした流れによって左右されます。もはや、自らの生き場所、生き様をコントロールできる時代ではなくなったのでしょうか。
年度初めにいろいろと考えさせられます。
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【2.お知らせ・案内・専門家活動紹介】
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▼2014年3月18日、当協会として、東日本大震災の3年後報告「東日本大震災から3年 いま改めて創造的復興を」をとりまとめプレスリリースしました。
下記URLにアクセスしてご一読いただければ幸甚です。
◇http://www.innovations-i.com/release/12130.html
▼当協会のグローバル人材育成支援のサービス案内ページ
http://japa-fellowlink.wix.com/global-hrd
を新しく作成しアップしました。是非、一度ご覧ください。
お問い合わせは下記宛にお願い致します。
◇E-mail:japa-office-3@fellowlink.co.jp
▼当協会の産学連携支援サイト「大学等研究成果活用推進プラットフォーム」
http://www9.ocn.ne.jp/~sangaku/main.index.htm
において、研究者紹介、大学における研究活動の情報公開の状況調査結果が更新されています。興味ある情報が掲載されています。ご確認ください。
また新たに、「休憩:田舎 の山、家の庭の草木・・」コーナーが新設され、都会暮らしでは見られない写真が掲載されています。こちらも併せて、ご覧ください。
お問い合わせは下記宛にお願い致します。
◇E-mail:japa-office-1@fellowlink.co.jp
上記はいずれも当協会の総合案内ページ
http://japa-fellowlink.wix.com/general-guide
のTOPページの左下の「グローバル+多文化マネジメントへ」のボタンを、右下にある「大学等研究成果活用推進プラットフォーム」のボタンをクリックすることによってもアクセスしてご覧いただけます。
★本コーナーでお知らせあるいはご案内したいことがございましたら、下記宛にご連絡下さい。
◇連絡先E-mai:info@fellowlink.jp
▼今月の専門家紹介は、「杉浦 英俊氏(専門分野:空港)」です。杉浦英俊氏のプロフィールは下記サイトに登録(ニックネーム:hyperairport)されていますのでご覧ください。
◇専門家プロフィール登録サイトhttp://www.fellowlink.jp/
空港政策とコンサルタントサービス[杉浦 英俊(すぎうら ひでとし)]
建設に関する調査・計画・設計等のサービスを行う建設コンサルタントに身を置き、35年以上に渡り空港に関わる調査・計画・設計業務に携わってきました。1980年代から90年代は地方空港整備華やかなりし時代で、まさに北は北海道から南は沖縄まで多くの空港の計画・設計に携わりました。
新しい世紀に入った2001年、国土交通省は「地方空港の配置という側面では空港整備は概成したとのことから今後の地方空港整備を抑制し、一方で大都市圏空港整備に投資を集中する」とした新しい空港政策を発表しました。それを受けて羽田空港の再拡張事業がスタートし、そのなかでPFI事業者選定への応募作業に参加しこれまでとは違った業務を経験することができました。
新たな空港政策によって首都圏空港容量拡大が実現される一方で、整備を抑制された地方空港では、空港政策の重要課題が「整備」から「運用」へとシフトするなかで「空港経営の一体化と民営化」が推し進められていくことになります。来年度からは仙台空港を手始めとして地方空港の運営権売却のための諸手続きが進められると思いますが、コンサルタントが参画できる可能性は大きいと思っています。
一方、海外に目を転じるとアジアの新興国においては未だにインフラ整備に対する需要は旺盛で、空港整備に関しては首都圏における第2空港整備や地方空港の機能向上といったプロジェクトが目白押しです。しかし、これらの事業スキームは「過去の円借款を利用した事業スキーム」主体から「民間企業の参加によるPPPスキーム」主体へと変化してきており、建設コンサルタントにおいてもスキームの変化に応じて、過去そうであった「需要規模に応じた施設計画を行い、それに基づいて設計をする」という業務から、「ステークホルダーと経営に視点を置いた計画・設計」が求められるようになっていると思われます。
このように、空港政策の変化や市場の要求に応じてコンサルタントサービスの内容も少しずつ変化してきていますが、基本的には、「1.利用者すなわち旅客や航空会社の満足、2.空港経営における収入、3.地域との協調といった観点からこれらを最大化できる空港計画、空港運営」を行うことが重要であると考えています。国内の地方空港における運営であっても、海外の空港整備におけるPPP事業であっても共通して使用できる最も基本的なものさしであると理解しており、自身のコンサルタントサービスにおいて常に意識しているものです。
建設コンサルタントという仕事はいつも時間との戦いで、限られた時間のなかでクライアントに満足していただけるアウトプットを提供しなければなりません。そのためには常に思考の過程を明快にしておく必要があり、上記の3つの視点に基づく思考は解決の出口への最短経路を示してくれます。これまではほとんどの時間を国内業務に充ててきましたが、今後は海外業務に軸足を移しPPPに取り組んでいきたいと考えています。
★上記の専門家活動紹介に関する感想、意見はFacebookのFellowLink公式ページに投稿をお願いします。
◇https://www.facebook.com/fellowlink.office
★本コーナーでご紹介したい専門家、専門家団体(自薦・他薦を問わず)を下記宛にご推薦下さい。 ◇連絡先E-mai:info@fellowlink.jp
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【3.Blog:STAP論文疑惑騒動について】
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食品偽装問題、佐村河内氏ゴーストライター問題に続いて、STAP論文疑惑騒動事件が起きています。ネット上では、かなり詳細な論文の疑惑指摘、論文の書き方等について投稿があり、論文のクラウド査読状態を呈し、時代を反映した動きとなっています。
詳細は下記ブログサイト[仕組みの群像]の最新記事をご笑覧ください。
▼仕組みの群像:STAP論文疑惑騒動について
◇http://www.tc-platform.com/blog/
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【4.役立つサイトの紹介】
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今号の紹介サイトは次のサイトです。
▼社会実情データ図録
◇http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/index.html
このサイトは統計データ処理の専門家の個人サイトですが、なかなか充実した役に立つ図録集サイトです。時宜にかなった多種多様なテーマを取り上げ、統計を分かりやすくグラフ化して簡単な解説を加えています。サイトを覗くと、興味あるテーマの図録が見つかること必至です。
参考:官製の統計データ・図録
▼人口統計資料集 2014年版、国立社会保障・人口問題研究所
◇http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/Popular2014.asp?chap=0
▼グラフでみる日本の統計、統計局
◇http://www.stat.go.jp/data/nihon/pdf/ngraph.pdf
▼図表で見る社会 2014 ハイライト: 日本、OECD 社会指標、2014年3月18日火曜日パリ時間午前11時公表
◇http://www.oecd.org/japan/OECD-SocietyAtaGlance2014-Highlights-Japan.pdf
★本コーナーで紹介するのに相応しいサイトを下記宛にご連絡ください。
◇連絡先E-mai:info@fellowlink.jp
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【5.関連News & Topics】
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▼「新ものづくり研究会」報告書について、経済産業省、平成26年2月21日
◇http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seisan/new_mono/report01.html
▼イノベーションは参勤交代に学べ、日経ビジネスONLINE、2014年3月4日(火)
◇http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140303/260448/?n_cid=nbpnbo_mlp&rt=nocnt
▼特定秘密保護法の制定と今後の検討課題、参議院 内閣委員会調査室、立法と調査 2014. 3 No.350
◇http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2014pdf/20140303070.pdf
▼なぜ、米国はイノベーション大国か、世界平和研究所研究ノート、2014年3月10日
◇http://www.iips.org/research/data/note-amemiya20140310.pdf
▼スタートアップ増加に必要なもの 米国で尊敬される起業家という職業とエコシステム、日経ビジネスONLINE、2014年3月6日(木)
◇http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140303/260510/?n_cid=nbpnbo_it&rt=nocnt
▼中小企業等の海外展開支援に関する調査【事例集】、一般社団法人全国銀行協会
◇http://www.zenginkyo.or.jp/news/entryitems/news260311.pdf
▼ここがヘンだよ!日本企業のイノベーション 科学者集団が考えた、面白い仕事の作り方、東洋経済ONLINE、2014年03月12日
◇http://toyokeizai.net/articles/-/32343
▼共通利用可能な分野横断型リスク知識プラットフォームと運用体制 ~リスク社会に対応する知識の構造化を目指して~、独法 科学技術振興機構 研究開発戦略センター システム科学ユニット、平成 26 年 3 月
◇http://www.jst.go.jp/crds/pdf/2013/SP/CRDS-FY2013-SP-02.pdf
▼第1回災害時等の情報伝達の共通基盤の在り方に関する研究会、総務省、平成26年3月14日
◇http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/saigaitou/02ryutsu06_03000049.html
▼2030 年の日本経済・産業の姿 (2014 年 2 月改訂)、(一財)国際貿易投資研究所
◇http://www.iti.or.jp/JIDEAsangyou.pdf
▼17th Annual Global CEO Survey 第17回世界CEO意識調査 Fit for the future 世界的な潮流をつかむ、PwC、日本語版発刊月:2014年3月
◇http://www.pwc.com/jp/ja/ceo-survey/assets/pdf/17th-global-ceo-survey-jp.pdf
▼「日本の起業家よ、小さなIPOで満足するな」、Atomicoが問う日本のスタートアップの課題、TechCrunch Japan、2014年03月26日
◇http://m.jp.techcrunch.com/2014/03/26/what-atomico-has-to-offer-in-japan/
▼新たな「国土のグランドデザイン」(骨子)、国土交通省、平成26年3月28日
◇http://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/kokudoseisaku_tk3_000043.html
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【6.つぶやき(編集後記に代えて)】
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プロ野球が開幕したが、タレントの大リーグへの流出が続き、寂しい。サーカー界は既に海外のサーカーリーグに活躍の場を求めるのが普通になっている。一方、大相撲の新横綱が誕生したが、3人全てモンゴル出身者である。分野を問わず、突出した才能ある者にとって活躍の場はボーダーレスである。才能ある者、その多くは組織にとって異色・異端児・出すぎた杭かもしれないが、そうした人を適切に処遇できない日本はどうなるのか、内部から崩壊するかもしれない。組織だけが生き残っても意味がない・・・。
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