FellowLink 倶楽部 2013/10/01 #3
おはようございます。芝原靖典です。
ようやく朝晩の冷気、空の雲に秋が感じられる季節になりました。
FellowLink倶楽部 #3 [毎月1日発行] をお届けします。
ご笑覧頂ければ幸甚に存じます。
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◆◇◆ FellowLink 倶楽部 2013/10/1 #3 ◆◇◆
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INDEX-------------------------
1.過剰なる反応・便乗
2.お知らせ・案内・専門家活動紹介
3.Blog:2020東京オリンピック・パラリンピック開催決定を受けて
4.関連サイトの紹介
5.関連News & Topics
6.つぶやき(編集後記に代えて)
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【1.過剰なる反応・便乗】
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「祝 東京決定」、「祝2020年オリンピック・パラリンピック開催決定」
・・・ これらの表現が使えない?!
「東京2020」のカードが掲げられ、東京開催が決定した喜びを日本
中が表現しようとしたら、一方で、水をさすようなニュースが流れてい
ました。商業広告における知財権の侵害問題、直接的にはオリンピ
ックのスポンサーの権益確保の一環です。
知財権は保護されて然るべきですが、招致活動には東京都が動き、
政府が動いています。つまり、税金が投入されています。税金が投入
されている限り、法人税を払う企業や、住民税・消費税等を納める都
民・国民もスポンサーといえます。これについて、オリンピック委員会
(IOC、JOC)はどういう見解なのでしょうか。
何かといえば、コンプライアンス、ガバナンスに過剰に反応して自ら
動けなくしている光景を想起させます。JOCは日本の活性化を促す
ような良い意味での「運用の妙」を発揮して欲しいものです。教条的
解釈では折角のチャンスを活かした活性化、イノベーションは期待で
きません。
▼NGの恐れのあるオリンピック広告の表現例:日本広告審査機構
◇http://www.jaro.or.jp/ippan/saikin_shinsa/20130913.html
逆に、別の場面では過剰なる便乗が起こりつつあります。
今回のオリンピック開催決定を受けて、建設特需に拍車がかかって
います。もともと、
・東日本大震災復興事業
・福島第一原発事故処理事業及び全国の原発新基準対応事業
・再生エネルギー事業
・高度経済成長期の公共インフラの改修・更新事業
・異常気象対応(治水対策の見直し等)事業
といった日本の非常時・異常気象対応の建設需要に加え、
・2020年東京オリンピック・パラリンピック関連事業
・2027年目標のリニア新幹線事業
も加わったからです。
既に、これだけの公共的事業(一部民間事業を含む)が見込まれて
いるのに、東京オリンピック・パラリンピックに便乗した関連公共事業
の拡大あるいは前倒しの声が多方面から聞こえてきます。本来必要
な公共施設が諸事情で遅れていたものを加速させたり、折角の機会
に合わせて前倒し的な建設はあっても、総人口減少・少子高齢化が
進行する日本にあって、オリンピック後の需要が見込めない不要な
ものにまで過剰な建設投資がされないようにタックスペイヤーは監視
する必要があります。
一方で、建設業界はこうした建設特需下にこそ、良い意味の便乗と
して、積年の課題であった業態改革・構造改革に取り組んで欲しいも
のです。
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【2.お知らせ・案内・専門家活動紹介】
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▼当協会が協賛している下記セミナーが開催されます。詳細及び申
込は、<http://www.jsst-center.org>にてご確認ください。
○セミナー名称:グローバル人材育成の戦略と具体策を考える
~海外ビジネス展開のために、いかに採用・育成すべきか~
○開催日時:2013年10月19日 13:15~16:20
○開催場所:品川区立中小企業センター 中会議室
○参 加 費:一般 2,000円/人、JSST会員 1,500円/人
○定 員:30名
○主 催:一般社団法人シニア研修センター(JSST)
共 催:プロムネット総合ビジネスアカデミー
協 賛:日本専門家活動協会
○問い合わせ先:JSST事務局 TEL 03-6421-6350
★本コーナーでお知らせあるいはご案内したいことがございましたら
、下記宛にご連絡下さい。
◇E-mai:info@fellowlink.jp
▼今月の専門家紹介は、「岩村忠昭氏(専門分野:プロセス制御 )」
です。
岩村忠昭氏のプロフィールは下記サイトに登録(ニックネーム:Felse
n)されていますのでご覧ください。
◇専門家プロフィール登録サイト http://www.fellowlink.jp/
鉄鋼計測「見える化」の世界 [岩村 忠昭(いわむら ただあき)]
1951年に川崎製鉄千葉製鉄所が臨海総合製鉄所の先駆けとして稼
働し、その後20年あまりの間に日本では実に12の同等規模以上の
新鋭製鉄所が稼働しました。将に「鉄は国家なり」、日本の鉄鋼業は
急激な成長を遂げました。その最中(1968)に製鉄会社に入社し、一
貫して計装エンジニアリングに従事し、製鉄所のプロセス (生産工程
)の「見える化」に従事してきました。日本の成長を肌で体験し、常に
新たな開発や建設が実業務であったのは本当に幸せでした。
しかし、1980年代になると韓国や中国等の新規参入国に追われ、技
術の目標が「量」から「質」へと大きく変わりました。今度は「鉄は王
様か、しからずんば乞食か」を体験するわけですが、「量」から「質」
への転換は、新しいターゲットが与えられた事となり、それも技術者
冥利に尽きる体験でありました。
私の主対象プロセス「高炉」は設備自体simpleですが、原料で形作
られる「反応槽」は極めて複雑で、かつ脆弱なものでした。中身が見
えないため、いかにして「見える化」を行うか、ありとあらゆる試行を
行いました。高炉担当者以外の人から「花魁の簪」と悪口を言われ
た各種のセンサは、今は世界標準となっています。
「見える化」とはセンサをやたらに付けることではありません。その情
報を取捨選択し、プロセスの状況を端的に表現するものとして操業
者に与えねばなりません。高炉をはじめとして、これらがようやく製鉄
所での共有情報となってきたのは20世紀も終盤です。高炉における
「冷え込み」と言う生産量が通常の1割以下になってしまう悲劇的な
トラブルが少なくなってきた(今でもまだありますが)のはその後のこ
とです。
また、「質」は今でも日本の得意技であり、世界で年間15億トンも生
産される現在でも、1億トンの日本が技術的な優位性を未だ保ってお
られる原点でもあります。長さ5km以上の鉄の帯の厚さが±30μm
以内の精度を持つ熱延鋼板、自動車や缶詰の加工性を圧倒的によ
くする深絞り鋼、同じ成分の鉄板から品質をつくり分ける熱処理技術
、そして高度な付加価値を持つステンレス、電磁鋼板などはその代
表例です。現代の錬金術とも言われるこれらの技術的な優位性も、
各プロセスでの「見える化」が出発点となっています。
私は現役時代から計測自動制御学会(SICE)のお世話になってきま
した。またいくつかの活動のお手伝いをしてきました。 若手の企業技
術者を対象に、我々ユーザやメーカ、あるいは大学の先輩技術者が
技術や思考方法を伝承する「プロセス塾」(塾長:北森東大名誉教授
)がすでに6年続いております。私も製鉄所の工場見学および技術セ
ミナー等でそのお手伝いをしております。ご興味のおありの方は、後
述【4.関連サイトの紹介】の資料をご参照ください。
この所、原子力発電をはじめとして、「見える化」が正しく行われてい
ないことから、多くの問題が各所に顕在化してきております。我々の
技術がうまく継承され、さらに新しい「見える化」が生まれてくるように
、若い方々と今後も努力していきたいと考えております。
★上記の専門家活動紹介に関する感想、意見はFacebookのFellow
Link公式ページに投稿をお願いします。
◇https://www.facebook.com/fellowlink.office
★本コーナーでご紹介したい専門家、専門家団体(自薦・他薦を問
わず)を下記宛にご推薦下さい。
◇E-mai:info@fellowlink.jp
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【3.Blog:2020東京オリンピック・パラリンピック開催決定を受けて】
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東京オリンピック・パラリンピックの開催決定は、日本を覆っていたこ
の20年のどんよりした空気を振り払い、課題をブレイクスルーするチ
ャンスであり、日本の良さを世界にアピールする絶好の機会です。そ
うした観点から、なすべきことをなした日本をショールームとして世界
に知ってもらいたいことを期待を込めて取りまとめてみました。
下記サイト<仕組みの群像>にて、ご笑覧ください。
▼2020東京オリンピック・パラリンピック開催決定を受けて
◇http://www.tc-platform.com/blog/archives/1152
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【4.関連サイトの紹介】
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今号から、専門家・知、インキュベーション、仕組みに関連する参考と
なるサイトの紹介コーナーを開設しました。
世の中には、地味ながら良いサイトが存在しています。このコーナー
ではそうしたサイトを紹介させていただきます。
今号の紹介サイトは次のサイトです。
▼産業技術史情報資料センター
◇http://sts.kahaku.go.jp/
このセンターのサイトにアップされている「技術の系統化調査報告書
」は当該調査技術のまさに歴史的変遷がサーベイされ、日本の知の
塊そのものです。上記の専門家紹介で寄稿いただいた岩村氏の記
事もここに掲載収録されています。
▼「鉄鋼業の計測・制御技術の系統化」、技術の系統化調査報告
第13集、2009年3月
◇http://sts.kahaku.go.jp/diversity/document/system/pdf/053.pdf
こういうわが国の産業技術史の情報を見ることが出来るサイトの存
在を国民の何%が知っているのでしょうか。各方面での認知、活用
を期待したいものです。
★本コーナーで紹介するのに相応しいサイトをご存知でしたら下記
宛にご連絡ください。
◇E-mai:info@fellowlink.jp
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【5.関連News & Topics】
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▼日本の大学におけるグローバル化の今、三菱UFJリサーチ&コン
サルティング、政策研究レポート、2013年8月30日
◇http://www.murc.jp/thinktank/rc/politics/politics_detail/seiken
_130830.pdf
▼消費増税集中点検会合に招かれた多彩すぎる「専門家」たち 霞
ヶ関と永田町の低すぎる生産性、日経ビジネス 記者の目、2013年
9月2日
◇http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130830/2527
93/?rt=nocnt
▼経済の死角 新シリーズ「世界の知性」に聞く第1回『銃・病原菌・
鉄』の著者ジャレド・ダイアモンド「中国は日本には追いつけません」
、現在ビジネス、2013年9月4日
◇http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36881
▼日本は起業家に寛容たれ 失敗すれば家を失う―では始まらな
い、The Economist、日経ビジネスONLINE、2013年9月5日
◇http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130903/25292
9/?n_cid=nbpnbo_mlt
▼アジアが世界のイノベーション基地となる日、ハーバード・ビジネス
・レビュー、スコット・アンソニー/HBRブログ、2013年9月6日
◇http://www.dhbr.net/articles/-/2075
▼いよいよ水月湖を掘削へ、研究者たちの貧しく暑い夏 「年縞」を
読み解いた在英日本人研究者(その3)、日経ビジネスONLINE、201
3年9月12日
◇http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20130909/253151
/?n_cid=nbpnbo_top_updt
7万年分の「地球の記録」を引き揚げる 「年縞」を読み解いた在英
日本人研究者(その4))、日経ビジネスONLINE、2013年9月20日
◇http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20130912/253328
/?n_cid=nbpnbo_leaf_bn
▼「中小ものづくり企業の新製品・新技術開発に関する調査結果」の
公表について、東京商工会議所、平成25年9月12日
◇http://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=28281
▼ふるさと納税に関する調査結果、総務省、平成25年9月13日
◇http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu04_0200
0010.html
▼日本酒ブームなのに酒米・山田錦が足りない 農政の謎、ここに
極まれり、WEDGE Infinity、2013年09月17日
◇http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3140
▼人口推計(平成25年(2013年)4月確定値,平成25年9月概算値)、
総務省統計局、2013年9月20日公表
◇http://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.htm
▼東京オリンピック時(1964年)と現在(2012年)の日本の状況、総務
省統計局、平成25年9月27日
◇http://www.stat.go.jp/info/pdf/olympic.pdf
▼小記事:火星表面で水を発見、科学ニュースの森、2013年09月28
日
◇http://blog.livedoor.jp/xcrex/
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【6.つぶやき(編集後記に代えて)】
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9月7日(日本時間9月8日)の2020年夏季五輪の東京決定に続き、9
月14日 14:00には、イプシロンの打ち上げが成功した。従来の管制
室をPC2台に置き換えた革新的な「モバイル管制」システムが導入さ
れたとのこと。当然、コストは安く、新興国の小型衛星需要を狙える
技術を日本が獲得した事になる。竜巻や台風だけでなく、日本に新
たな風が吹き始めたようである。風を掴みたい。
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